ドクター
ゼロとサファイヤが話をしている中、ゼーラはミラーの案内の元でギルドの廊下を歩いていた。
ミラーはゼーラの少し前を歩きながら、時折振り返って彼女に話しかけていた。
「あの~、こちらのギルドには現在二人しかメンバーがいないんですか?」
ゼーラは少し不安そうな表情で尋ねた。
「まさか。ちゃんといるよ。もし良ければ、案内ついでに紹介するよ」
ミラーはニヤリと笑いながら言った。
「本当ですか?ぜひお願いします!」
ゼーラは興奮した様子で答えた。
ミラーは頷きながら廊下を進んでいった。彼は時折立ち止まり、部屋のドアを開けて中の様子を覗き込んだ。
「まずはここかな」
ミラーは一つの部屋の前で立ち止まり、ドアを開けた。部屋の中には、本棚や机が並び、多くの書物が積み上げられていた。机の前には一人の男性が座り、書類を読んでいた。
「おい、いつも言っているだろう。緊急の患者を連れてくるとき以外はノックをしろと」
男性は顔を上げずに言った。
「まぁまぁ、そんな細かいこと気にしないで。彼女が新入りだよ」
ミラーは男性にゼーラを紹介した。
男性はゆっくりと顔を上げ、ゼーラを見つめた。金髪の髪に顔には特徴的な鳥の嘴のようなマスクをしていた。
その目は冷静で鋭く、ゼーラは一瞬緊張した。
「ドクター紹介するよ。こちらは新入りのゼーラさん」
「初めまして。ゼーラと申します」
ゼーラは丁寧に頭を下げた。
「ドクター・オスクだ。一応このギルドの専属医師をやっている」
男性は短く自己紹介をした。
「オスクさんですか。よろしくお願いします」
ゼーラは少し緊張しながら挨拶をした。
「……ああ」
ドクターはそう言いながら席から立ちあがり、ゼーラに近づくと顔をまじまじと見つめた。
「ん?どうかしましたか?」
ゼーラは少し不安そうに尋ねた。
「いや……」
ドクターは何かを言いかけて口を閉じた。
「ドクター、あまりジロジロ見てたらセクハラって言われて嫌われるよ」
ミラーがそう茶化すと、目止まらぬ速さでミラーの頭にメスが飛び突き刺さった。
ミラーは慌てて頭からメスを抜き取り言った。
「あははははは、痛いなドクター、冗談だよ」
ミラーは笑いながら頭をさすった。
「次はないぞ」
ドクターは冷たい目でミラーを見つめた。
ミラーは冷や汗を流しながら頷いた。
「あはは、まぁ冗談はさておき。ゼーラさん、次に行こうか」
ミラーはゼーラに微笑みかけた。
「はい」
ゼーラは少し緊張しながらも頷いた。
ドクターは二人が部屋を出るのを見送りながら、小さくため息をついた。
「……まさかな。」
ここから第三章の始まりです。今回は短いですがどんどん新キャラが増えていくのでよろしくお願いします。




