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#6 『異界』見知らぬ土地に投げ出され…

塾を終えた僕は、異常事態を感じた帰宅途中に列車から

投げ出された。入学初日の夜に何が起こっているのか…

列車が何かに乗り上げたような衝撃と轟音、

慣性の法則…だっけ?電車とかバスで急ブレーキが

かけられたりすると体が前につんのめるアレ…、

それの凄く強烈なやつが僕を襲う。


そのまま前に投げ出され….、反射的に右足を前に出す!

足が地面を掴んだ、続いて左足!

…なんとか左足を地面につけたけど体は前に傾いたまま、勢いもついたまま…!


【無理だッ!!】

心が直感する!


無理に踏ん張っでも耐えられそうにないし、

無理に耐えようとしたら足でも捻るかも知れない!


僕は二歩目の左足をついた後は、無理に耐えない事にした。

左足が地面を離れる、体が宙を舞う、

地面に叩き付けられたが勢いがある為か地面を転げる。

手を付いて勢いを止めようとするがとても無理、

下手に踏ん張れば怪我をしそうだ。

そこで、肘を折り畳んで無抵抗状態で転がり続ける。

交差点一つ分の距離を転がっただろうか…?

僕はようやく転がり終わり、身を起こしたのだった。


よくテレビドラマとかでスタントマンの人が、バイクで

転倒し地面をゴロゴロと転がり続けるシーンがあるが

アレはオーバーにやってるんじゃないね。

実際になってみると分かる!

一つ賢くなった気がした。


♠️♦️♣️❤️♠️♦️♣️❤️♠️♦️♣️❤️♠️♦️♣️❤️♠️♦️♣️❤️


しかし、ここはどこなんだろう…。

一面の雪景色はどこに行ったのか…。


身を起こし、ゆっくりと立ち上がろうとする。

少し体が痛いけど、このくらいで済んだのは奇跡的だ。


両手をつき、四つん這いの状態から立ち上がった時に

手のひらが触れた路面から感じる違和感…。

地面が…、というか路面のコンクリートがやけに硬い。

そして、やけに粗い。所々はがれた表面が人工的な

小石のようになり、そのまま路面上に散らばる。

あまりに殺風景な、だだっ広い道路。


見回してみると、どうやらここは駅前の広場の様だ。

まっすぐに伸びる道路に沿う様な両側の街並み、

そして駅に視線を向ければ、日本では見た事がない様な

西洋風の建物が駅舎になり煌煌と内外が照らされいる。


どこに行けば良いか分からないので、

僕は取りあえず駅に向かって歩いていく。

周りには誰もおらず、物音一つしない。

辺りを照らす街灯の側を通った時に何かおかしいと、

駅舎の目の前に来た時にそれは確信に変わる。


【ここは日本ではない】と。


♠️♦️♣️❤️♠️♦️♣️❤️♠️♦️♣️❤️♠️♦️♣️❤️


たどり着いた駅舎の入り口は、今いる道路より、

50〜60センチぐらい高い位置にあった。


三段程の階段があり、高さによって道路と

駅の敷地とが明確に区分されているのが分かる。

あるいは車などが暴走し、駅校内に突っ込むのを

防ぐ意味でもあるのだろうか…。


駅舎にある駅名を記している看板のような物…、

見やれば駅名が書いてある。


読めない。


漢字でも、ましてやひらがなカタカナでもない。

アルファベット?数字?何かの記号?

それらが混ざった様な…。

なんて言うんだろう…

例えば南平和(みなみひらわ)駅で言えば、

『みナみ平ワ』駅と書いているような…、

そもそも何語なんだろう…?


人もいない、文字も読めない…。

仮に人がいたとしても、言葉が通じるの?

不安しかない。


どうしよう…、どうしたら良いのか分からない。

答えの無い自問自答に疲れた僕は、

駅舎前の階段に取りあえず座ろうかなと思った。

階段に背を向け、腰を下ろそうとした時、


「-ーーッ‼︎‼︎‼︎」


声にならない悲鳴のような物を感じ、

あわてて駅舎の方へと振り返る。

飛び込んでくる、というより先程の僕の様に

まるで投げ出されたかのように人が飛んできた。



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