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婚約者は婚約破棄される

 もしかしたら、マーガレットに甘えていたのかもしれない。

 闇の聖女である彼女には俺しかいないのだと。


 婚約者のマーガレットが、黒猫を抱えて突然屋敷に乗り込んできた。

 服毒自殺を図り、目覚めた直後で心配していた俺に告げられたのは婚約破棄の内容だった。


 書類には、伯爵家とマーガレットのサイン、そして俺の生家の侯爵家のサインもあった。

 きっと、闇の聖女と婚約するのが本当は嫌だったのだろう。だからすぐさまサインをした。


 そして、マーガレットの雰囲気が変わった気がする。

 凛々しくなったとでも言うべきか。

 はっきりと告げられた。告げられてしまった。


「あなたじゃ私を幸せにできない」


 自覚してしまった。いや、きちんと目を向けたと言う方が正しいか。

 俺はマリア様に恋をしている。

 そんな俺では、マーガレットは幸せにはなれないだろう。

 だって、この子は誰よりも優しくて夢みがちな女の子だから。


 何も言い返せなかった。

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