しょっぱい日常③
昨日に続き筆が乗ったわ
「よ、よし!!ギリギリ人数分確保出来た!!」
私はコンビニのイートインスペースで鼻息荒く1人5パックまでと制限のあるカードパックを25個を大事に抱える。
「財力と人脈に物を言わせた大人気ない行動っ、子供が泣くよ!」
「法律で泣く立場の子供が勝ち取ったんだからセーフだろ!!」
「私達に代わりに合計で20パック分も買わせた立場が良く言うわ」
「まぁまぁの量のお菓子奢ったろ!!」
「「「「それについてはゴチになります」」」」
フンっ!
意識を切り替えて目の前の大事なパックちゃんを1つだけピックアップする。
ここ半年最高レアを引けていない私にとって久々の大量開封の儀式!!ここで引いて悪い運と流れを断ち切りたい!
「悪い流れを断ち切って高額成金カードデッキで大会に出てからクソガキ共を蹂躙するんだよっ」
「ゴミ動機過ぎて絶対当たって欲しくない」
「よう分からん珍しい罰当たれば罰」
「何でこんななのが陸上中長距離で世代トップなんだよ」
「神様仕事してねーだろ」
「喧しいわ!!!」
気を取り直して手に持っているパックを開封する。
ドキドキ感を味わいたいので取り出す時は裏面を上にして取り出す事にしている。
このカードゲームのパックはレアカードの封入位置が完全ランダムになっている大博打パックシリーズであり1パックに3枚のレアカードが入っている事もあるり、そのギャンブル性が絶大な人気を獲得する要因となった。
「表1枚目!おっ、低レアなクセして馬鹿みたいな量のバフを味方に撒けるUSRより低い封入率の《深淵のアルクトレス》じゃん!」
「……?低レアがそんなに良いの?」
「良いに決まってんじゃん!安いコストだから簡単且つ気軽に場に出せる!そして出せば味方に高レアでも殆ど見かけない圧倒的なバフを撒けるし敵のデバフも解除する絶対に仕事こなすマンのシリーズの王様的存在だよ!
どれだけ凄いかって陸上で例えるとね?たった10万で全盛期ボ◯トが日本代表になる為に帰化するぐらい凄いしオマケみたいに他の選手に日本の選手に指導して日本代表全員9秒台に導いてるようなもの!!」
「「「「お、おう…………落ち着け?」」」」
国内でさえ数百万での取引が10数例、数千万にまで上がった取引が2例報告に上がっている。
海外に目を向けるとエラー品は日本円で3億、5億、4.5億円の3例がニュースにもなった。
正直に言おう。
手めっちゃプルプル震えてます!!!!!!
失禁してない今の自分を褒めたい位の成果!!
念の為持って来て良かった観賞用の入れ物を2つ持ち歩いていて良かった。
無かったら傷がついてしまっていたかも知れない。
傷が付けば数億がたちまち10万台の価値へと落ちてしまう。
後コレクター的に傷は許せん。
慎重に、慎重に傷が付かないように特殊なカードケースに入れる。
これで車にでもこのカードケースが潰されない限り傷は付かない。
因みにこのカードケース2つに30万の予算が注ぎ込まれています。
「初期からのカードで8年ぶり年に1回目の復刻かつ初期絵柄に加え数人の絵師様が新たに描いたバージョン違いが発行されるんだぜ?!!
初期絵柄は奪い合いとか盗難とか何なら殺人事件とか滅茶苦茶相次いだから現存するカードが少なくなっちゃったのね?だから復刻であろうと価値が爆上がりしてるわけ」
そう良い残りのカード4枚を確認するがガチの低レアカードしかなかった。
しかし1枚目の衝撃がデカ過ぎたせいで落ち込んだりとかは一切ない。話について来れていない4人はほぼ私の話を右耳から左耳へと受け流してお菓子を食べジュースを飲んでいる。
今の私は王の気分故下々の不敬を寛大な心で持って許すとするわこの無礼者め。
おふざけを止め2パック目に入る。
「あっ、普通に良いカード出た」
「ん〜何のカード?」
「《最果ての儀仗アルストリアス》中堅のアタッカーって印象の特別突出した能力がないけど《狐乖戦線リーファント・グリード》の効果を全て受け取れる唯一のカードだから特定の場面では全カード中含めても5位の突破力があるんだよ。
残りの上位4枚はこのカードの突破力を素で持っていて更に特殊効果を持っていてどんぐりの背比べだから四皇とも呼ばれてるよ」
「へーー…………」
「興味持てよ!!!!」
「お客様もう少しお静かにお願いします」
「アッスイマセン」
「……………………いや草」
「ぐっ!!……このっ………!!……!」
「お〜すみちゃんの顔芸久しぶりに見たわ」
ふぅーー!煽りに負けるな青野栖!!
お前は《深淵のアルクトレス》を手にした王だろ!
負けるのは恥だろう!
「もう負けてるよね」
「ナチュラルに心読むんこわぁ……」
3〜9パック目
「ん〜〜〜微妙最初の2パックが良過ぎたな」
「キラキラしてるのは多いけど駄目なの?」
「悪くはないんだけど封入率の高い特段珍しくもないカードだからあまり嬉しくないかな。キラキラしてるけどしょっぼいカードなんて10年も続けてれば溢れるしねー」
さっ、続けて引いて行こーー!
10〜18パック目
「おーー!結構良いの出たぜ《戦乙女の畏敬》ちょうど今のデッキの強化に欲しかったんだよ!モンスターカードじゃないギミックカードだけど評価は超高いんだよね!
相手を直接破壊するとこっちにデバフを撒く効果を持つモンスターカードがこのゲームには多いんだけどこいつは無条件で一体だけ破壊ではなく2ターン休ませるからシナジーの高いカードの場面を崩せるのに役立つ!」
「おー良かったじゃん」
「あと7パックかちょっと時間掛かってるから流石にあとは家で引いたら?」
「…………確かに7時38分思いの外熱中しちゃったね」
荷物を纏める
「じゃあ帰ろうかn─────」
ガシャァアアン!!!!
ガラスの割れる音
目を向ければ3人の男、手には鈍く光る刃物の包丁
明らかに動きに迷いが無い、予め想定していた計画的犯行。
銀行とかなら分かるけどコンビニで計画的もクソもないでしょ。
「お前ら動くな!動いたら殺すからな!!」
なーーんで顔も中途半端にしか隠してないんだか
外にはどこにでもあるシルバー軽自動車。
ナンバーを覚えていなければ街に紛れられれば簡単に見失ってしまいそうだ。
「来い……晴信」
小さく名前を呼ぶ
このコンビニは山に近い人があまり多く来ない場所で200m離れた位置に山がありそこは人里には降りて来ないが度々熊の目撃情報がある。
つまり何が言いたいかと言うと
1頭の熊が人里に降りた。
《深淵のアルクトレス》
実は引いた時ほんの少し漏れた
栖は知らないが引いたカードはエラー品であり今日本で売ると1億、海外で金持ちのオタクがいれば二桁億に行くかも知れない逸品。
価値を知り失禁するか嘔吐するか発熱40度になるかはその時の体調次第
《最果ての儀仗アルストリアス》
マニアには50万で取引される程度にはレア
AR仕様ではないので取引されても高くて精々1万円程度
《狐乖戦線リーファント・グリード》
最低SSRからしか存在しないこの弾の大当たり枠
栖は持っていない
《戦乙女の畏敬》
実は1枚持っているが同じカードを3枚までデッキに入れられる為有ればあるだけ嬉しい存在。
完璧なデッキまで後少しだ!
《晴信》
ここら近辺のボス
熊界の室伏広治
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