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「う~ん、こんな感じかな?」
色々と参考にしながら服を着替えた。春らしいイメージでピンクと緑系統で全身をまとめた。下は当然のようにスカートである。
……鏡に映る自分の姿が違和感無く女の子に見えるから悲しくなってくる。因みに下着も完全装備である。まだ胸の下のブラジャーの圧迫感は違和感しか無い。
「うぅ……本当に見た目は完全に女の子だなぁ~ってもう余裕がないな、急がないと」
気付けば待ち合わせ5分前。トートバックに財布(色こそ水色だが女物)とミニタオル(小さいながら当然のように花柄)、必要は無いだろうが折りたたみ傘を入れて部屋を出る。どの位出掛けるのか分からないが、一日気合いを入れないと。
動きやすいようにスニーカーにする。パンプスとかヒールのあるのも当然のように用意されているが、色々と案内という事で歩き回る事になっていて、いきなり長時間の移動は無理との判断からである。
「いってきます」
庭でガーデニングの整備をしている母親に声を掛ける。
「いってらっしゃい。って薫、表情が堅いわよ」
「え、そう?」
「気持ちも分かるけど、見た目が完璧なんだから余程のヘマさえしなければ大丈夫よ。楽しんできなさい」
まぁそうかも知れないけど。余り気を抜くのも良くないが、緊張し過ぎるのも失礼かも。
「所で……余程のヘマってどの位?」
「そうね~。裸を見られる位?」
「それってつまり違和感全く無いって事だよね……」
母親ですらその評価ですか。
「だって千晶よりも女の子らしいわよ」
「勘弁して下さい……」
因みに千晶とは薫の年子の妹の事だ。かなり活発な性格で実は薫よりも身長が高かったりする(165cm)。そんな千晶は今回引っ越してはいない。というのも千晶は部活の部長、そして生徒会の副会長という立場だったからだ。卒業まで後1年という事もあり、近所(と言っても自宅から最短で1時間程掛かる)の親戚から残りの中学生生活を送ることになった。
当然ながら薫も残るという選択肢もあったのだが、転勤は最低でも3年との事だったので、それなら高校の間転校は無いので親に着いていく事にしたのだった。近くに寮のある高校も無かったし。
「ほらほら、そんな顔しない。スマイルスマイル」
母親の何気ない発言で精神的ダメージを受けた薫だったが、取りあえず外に出る。……待ち合わせは家の前だけど。
「さて後2分か……」
まだ家の前に沙織の姿は無かった。とは言え沙織の自宅はここからも見えるので、出てくれば直ぐに分かるだろう。ちょっと精神的に落ちつく余裕がありそうだ。
次回は6日更新です。




