8 特待生の秘密②
いやいやいやいや、ホントに誰よ!
不味い不味い、いきなりストーリー破綻してるんですけど!
え?どうするの私。どうすればいいの!?
まさかデモ園じゃない?
いえ、あの白い制服はアンドレ王子で間違いない。あぁ~王子イケメン……ってそれどころじゃないわ!
式の後に王子が中庭の花壇に行けばなんの問題もないはず!そうだと言ってシナリオライターと私の記憶!
モブの挨拶が終わり、彼が私の前を通り過ぎる時に思わず愚痴っちゃったけど、これくらいはストーリーに問題はないでしょう。
兎に角第一の難関は、中庭の花壇イベントが発生するかどうかが問題ね。
大丈夫、私ならやれる。やるのよハル!
「貴様どういうつもりだ!」
考え事に夢中になっていると何やら騒ぎが……って公爵令嬢の足を触ろうとして何してんのあの眼鏡!!
彼の行動に驚きつつも状況は更に悪化していく。
事もあろうかアンドレ王子が自身の手袋をその眼鏡君に投げ付けたのだ。
貴族が貴族に投げる手袋の意味、それは決闘だ。
ちょ、勘弁して!この後すぐに花壇イベントがあるのよ!
私は思わず声を上げてしまった。
「拾ってはダメ!」
そうだ彼に拾わせてはいけない。王子が手袋を投げる相手は公爵令嬢でなくてはならないの。
「なんで貴方が入学式でいきなり王子様からの決闘を受けようとしてるのよ!」
って言ってる傍からまた手袋を拾おうとする眼鏡。
馬鹿じゃないの?いや疑っては駄目ね。彼は馬鹿なんだ!
私は思わず王子様と眼鏡の間にわって入ってしまったってえええええええ!
バランスを崩してしまう。
「(あぁ終わったわ。私の転生学園生活……いいわよ笑っても)」
と思ったけど気付けば私は王子の腕の中にスッポリ収まっている。
……え、ウソ!キャーーーーッ!こう言う選択肢!えマジ!最高なんですけど!
「あ、ありがとうございます王子様」
どう、この頬を染め下から見つめ上げる私のし・せ・ん。
「何故決闘の申し込みの邪魔をした」
はい?
何故か王子は私に激怒し、放り投げられる。
男性に放り投げられるって!前世合わせて初めてなんですけど!
今度は眼鏡君が私を抱きしめる。
……えっと。んーーー?んんん!?よく見るとこの眼鏡君……ヤヴァイ。超絶イケメンなんですけど!
でもこの状況は最初に逆戻りね……私が間に入った意味よ。
「何故か悪寒がしますわ!――」
見れば公爵令嬢が下手な演技を始めた。その事で王子と取り巻き、それに公爵令嬢が式場から退室した事によりその場が治まった。
――あれ?私彼女に助けられた?
それでもやっぱりあの眼鏡君は気になるわね。
――――
――
そして式が終わり、眼鏡君を見つけた。
「ちょっと待ちなさい!」




