止まった腕
《ピピッ……》
ヤシロの腕時計が、 小さく光った。
ライラ「ヤシロさん?!聞こえる!?」
ヤシロ「ライラ?どうした?」
珍しく、 ライラの声が焦っていた。
ライラ「シグレママが大変なの!」
ヤシロ「……シグレママが?」
ライラ「腕が故障したらしくて……言わないけど、本当は、店が回らないみたいなの」
にこ「えぇっ!?」
サカキ「……あの方の腕が?」
にこ「行こう?きっと大変だよ」
サカキ「私は、対策室へ戻るわね」
《5251-3》
るい「リンリンは、初めてシグレママに会うんだよね?」
リンリン「はい……どんな方ですか?!」
《プシュー》
その瞬間。
カプセルが開いた。
るい「普通じゃないママだよ、リンリン……」
ネオン街――。
時空の歪みの繁華街。
4人は、行き交う人に目を向けることなく
スタスタ歩いていた。
「時の止まり木」
その光は更に弱々しくなっていた。
時間に取り残された看板を久しぶりに見た。
にこ「シグレママー!」
シグレママ「もう来るんじゃないよ。と、言っただろうに……」
るい「腕、どうですか?」
シグレママ「見れば分かるだろう?」
シグレママの右腕が半分折れかかって、故障していた。
にこ「長年、働き続けたんだね」
シグレママ「あたしが居ないと、この店は回らないからねぇ!」
ヤシロ「それなんですが……」
シグレママ「なんだい??」
にこ「シグレママ、修理に行ってきていいよ。お店その間手伝ってあげる!」
シグレママ「あんた達に出来るわけないだろう?……なんだい?このぷよぷよしたネコは?あんた、まさか、またたび星から来たのかい?」
リンリン「初めまして!シグレママさん。リンリンです!」
シグレママ「マタビアンにスナックが出来るかい?」
リンリンの、ひげが力なく下がってしまった。
るい「やってみないと分からないじゃないですか?!」
シグレママ「なんだい?あんたも、生意気だったんだね」
にこ「ママは、いいから修理に行ってきて!」
ヤシロ「まぁまぁ……落ち着いて……」
るい「お店、本当は回らないんじゃないですか?」
しばらく沈黙が続いた――。
《カチッ》
シグレママ「今度は、あたしが厄介になっちまったってことかい……店が心配だから、すぐ戻るからねっ!」
シグレママは、カウンターの椅子から立ち上がり、そそくさと店を出て行った。
るい「相変わらずだね……」
リンリン「ちょっと、怖かったですぅ!」
にこ「あぁいう人だから。気にしなくて大丈夫!」
ヤシロ「さぁ……どうするか……」
にこ「適当にやってみるしかないよね?」
リンリン「リンリン、お客さんが来たら歌を歌います!」
その言葉に、3人が笑っていた。
すると――
店の扉が開いた。
??「シグレママー!来たぞー!」
4人は慌てた様子で――
「い、いらっしゃいませ!」
??「誰だ、あんたら?」




