役立たずとギルドから追放されたギルドマスターの娘、のお守りをしてます
王国最大の冒険者ギルド、『竜の息吹』。五百人を超える冒険者を抱え、最強の名を欲しいままにする彼らを率いるのは、伝説のギルドマスターと呼ばれたグレン。
龍を一人で屠るとまで言われていた彼の死は、王国中を激震させる。
次代のギルドマスターとして候補に上がったのは、グレンの一人娘であるルイン。
けれど彼女には、致命的に冒険者としての能力が足りなかった。
マスターの座を狙うサブマスターの手で、メンバー全員の前で晒し者にされたルインは、居場所を失いギルドを追放される。
マスターの右腕と評されたレイドも、そんな彼女を追うようにギルドから脱退した。
身寄りのなくなった二人は、王国の片隅で小さなギルドを立ち上げる。
やがてギルドには一癖も二癖もあるはみ出し者達が集まり、巨大な戦力を抱え込んでいった。
ルインもまた、抑え込んでいた本当の実力を使いこなしていき、やがて『竜の息吹』と並ぶほどの勢力へと成長していく。
そんな彼女達を眺めながら、今日もレイドは自由気ままなお守り生活を満喫していた。