俺たちは砂漠を目指す。
本編が進まないので、チョット繰り上げて入れてみました。
こんなプレイヤー達もいるんです。
鬼畜ゲーム アイアンゲージ。
「おい、起きてるか?そろそろポイントだぞ。」
苦しげな、それでいて意外にしっかりとした、耳に心地よい声が聞こえた。
リアルであったことはないが、チャットの声の感じからすると、
20代後半から30代半ばといったところか。
しかし、こんな馬鹿げた企画を実行する以上、よほど生活に余裕があるか
事情を抱えているに違いない。まぁ俺もおんなじだけどな。
行政の締め付けが厳しくなり、俺のように寄生していない限り、
こんな企画に参加はしまい。
「あぁ、大丈夫だ、さすがに頭がぼーっとするが、まだいける。
みんないるのか?」
砂の音がサラサラ聞こえる以外何も音のしないこの部屋は、締め切られた雨戸の為
時計の針以外に、外界を示すものは存在しない。
扉はあるが、できる限り外には出たくない。
「いや、カズマは30分ほど前に逝った、リューィも、ついさっき消えた。」
予想どうりの答えを聞き、始め騒がしかった仲間たちが、進むにつれて、口数が減り
ついには無言になっていったことを思い出す。
「そ、そうか、じゃぁ俺達二人だけか。」
二人が落ちたことを聞き、それに全く気がつかなかった俺も、
実はここにいることが、単なる偶然の産物であるということを認識し、焦る。
「あぁ、俺たちは、あいつらの分まで、きっとこの砂漠を超えなくては...」
疲労をにじませる声を聞きながら、文脈がおかしいことを気にしている自分に驚いた。
頭がはっきりしてきた?
「ちょっと待ってくれ、水分補給をしたい。」
気が付けば喉がからからだ。部屋に備え付けてある冷温庫から、
ポカリを取り出して一気に飲んだ。コーヒーがあれば・・・
「あぁ、俺も、携帯食料を。くそ、備蓄が少ないからこれが最後か。」
やつも、何か口に入れたらしい。
それよりも、そろそろ移動したほうがいいだろう。俺は提案する。
「そろそろ動きましょう、これ以上立ち止まっていると奴らがくるかもしれない。」
「そうだな、行こう。」
画面の左方向に向い俺たちは歩き出す。
一面の砂漠を俺たちは進んでいる。昼間の照りつける暑さが、
容赦なく一定時間毎にアバターのHPを減らしていく。回復役のカズマももう居ない。
頑張ってあと1日位か、ゲーム時間で6日。
今まで歩いてきた時間に比べあまりにも残された時の少なさに愕然とする。
その間になんとかこの砂漠を超えることができれば...
頭がボーっとする、モニターの光で目がかすむ、
ヘッドセットのスピーカーから聞こえる
砂の流れる音を聞いていると、
このまま意識を手放しそうになる。
目を瞑れば、楽になれるのに、しかしそれはできない、
ここまで3日かけている。
ゲーム時間18日間ひたすら砂漠を歩いた。
砂漠の彼方にあるはずの新世界を目指して。
ふいにモニターの中に俺と一緒に歩いていたはずの
ジンの姿が消えていることに気がついた。
「ジン!居ないのか! ジン!」
耳から聞こえるのは風に流されるサラサラという砂の音だけ。
この砂漠を俺たちは攻略することができるのだろうか。
もう時を刻む時計を見る意味はない。
俺は、この砂漠の中に一人きりなんだから。HPが減っていることから逆算し、
最後の会話から既に4時間が経過していることに気がついたが、
それももはや意味などなかった。
行けるところまで歩く。
これはまだゲームなんだろうか?
途切れかけた記憶が俺に囁いた。
思いつきで書きなぐっております 鉄牢
な、なんと、日々の閲覧者の方々が100人超えました。
凄い!びっくりです。ありがとうございます。
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