決着
投稿が遅れてすみません。
「おい、オヤジ、お前が言う火に強く、切れない門外不出の素材って燃えるのか?」
「燃えるわけがないだろうが!パールクロラーの糸が、たかがランプの火をつけたぐらいで燃えてたまるか!」
「ほっほう、では、この燃えている糸はパールクロラーの糸ではないな!」ビシッ!
「そ、それは・・・」
「俺たちを、犯罪者扱いしたんだよな。
盗賊?いや殺したとか言っていたから、強盗か?
衛兵を呼んだって言っていたが、そろそろ到着するのかな?
オヤジ!お前この責任はどう取るつもりだ!」
「く、しかし、鑑定もできない糸なのだぞ!今までこのような事はなかったのだ。
師匠に見せていただいたパールクロラーの糸以外で、
わしが鑑定できないモノなど今までなかったのだ。」
「だからろくろく調べずに、犯罪者扱いか!」
ますますエキサイトする俺と、シドロモドロに言い訳するドワーフのオヤジ。
「えっと、リクもそれくらいにして、それよりも、おじさん、この糸、幾らになります?」
「「はぁ?」」
「私、この糸を2束持っているんですが、当然買い取っていただけますよね。
こんな、事に成りましたし」
こんな、事、で語気を強めるあたり、口調は丁寧だが、
有無を言わせぬって感じで美香がオヤジに畳み掛けている。
俺は、ひとしきりオヤジに文句を言ってから、
オヤジの言った事を思い返していた。
ドタドタと重量感がある足音らしき物と、
ガチャガチャと金属のこすり合わされるような音と共に
その人はこの部屋に入ってきた。
街中で、住人達NPCに攻撃を加えると、衛兵が現れる。
その際に聞こえる衛兵登場用BGMが流れる。
「お前たち、店の主人に何をしているのね!」
「「はぁ?」」
画面に衛兵の装備である白いウロコ鎧を着込んだ少女が映し出された。
今まで間近で衛兵を見たことはないが、こんななのか。
微妙に言葉使いも訛っている。
キャラなのか?そっち方面はいらんぞ。
「お前たち、口はないのか!言葉がしゃべれんのか?」
あ、今度はチョットゆっくり喋ってる。標準語だ。
画面に少女の剣を持つ右手が現れる。
へーこんな剣を持ってるんだ。
「おい、店主、大丈夫か?怪我はないか?」
「はい、わざわざお呼びしまして、申し訳ありません、実は、誤解でした。」
「なに?」
「わたしの、早とちりで、リュウカ様のお手を煩わせてしまい、誠に申し訳ありませんでした。」
オヤジが少女に向かって頭を下げた。
「お前の早とちりのせいで、私は詰所からここまで走ってきたのね。
市民に暴力を振るう犯罪者を捕まえる気持ち満々だったのね。
そ、それが誤解なのね。私は、騙されたのね。
まぁ、誤解でよかったのね。」
あぁ語尾が「のね」だと何言ってるかよくわからん。
いや、内容はわかるが、「のね」の印象が強すぎて、理解したあとから、
内容が「のね」に塗りつぶされていく。
画面の中では、少女の表情が曇り、いつしか右手に持った剣も消え、
うなだれて、最後に消えた。
「帰ったの?」
「みたいだな。」
「うむ、お引き取りになられた。」
まぁ、潔く自分の非を認め、謝れるその姿勢は認めよう。
オヤジ、えらいぞ。
「それで、いかほどになりますぅ?」
「う、正直、値段が付けられん。」
「それでしたら、こちらに以前伺った際に
とっても気に入った武器と交換していただけますか?」
「仕方ない。どのようなものでも持っていくがよい。」
「スキルカードも当然付けていただけますよね。」
「な!スキルカードもだと」
「衛兵まで呼んで、私たちを犯罪者呼ばわりですものね。
私たち冒険者が、来なくなったら、このお店大丈夫かしら?ねぇリク。」
美香すっげ~丁寧な口調で、脅しも取り混ぜて、オヤジを追い詰めてる。
「冒険者がこない武器屋は、かなり経営が厳しくなるだろうな。
まぁ武器屋はここだけじゃないしな。
素材を持ち込んだら衛兵を呼ばれたら誰も近づかんと思うが。」
「わかった!迷惑料込だ。どれでも好きな武器と、
スキルカードをくれてやる。」
「俺には?」
「お前にもだ。その代わり、二人とも、今回の件、他言無用だぞ。」
「まだ、立場が、分かっていないようだな!いいか!俺たちが話したら、
この店は、冒険者が一人も来なくなるかもしれないんだぞ!」
「ぐっ す、すみませんでした。」
「まぁ、あまり責めてもかわいそうだ。
では、一度だけ!俺に武器を作ってくれるか?
何時になるかはわかんないが、必要になった時に
こちらの希望する武器を作ってくれ。」
「俺は、武器屋だ、その際には、最高の武器を作ると約束しよう。」
一件落着して、俺は無料武器券なるアイテムを、
美香は、以前見ていた手斧とバトルアックスをスキルカード何種類かと一緒にGETした。




