そこにある!
通常の初心者は、初心者装備でイモムシを倒すには4回前後の攻撃を必要とします。
初心者装備の防具であれば、触手の攻撃を6回ぐらい受けると死んでしまうでしょう。
なので、レベル1のプレイヤーにとっては、ソロで進むなら1階層まで、レベル3になったらなんとか2階層、レベル5で芋虫の巣、レベル10でボス攻略って感じです。
しかし、レベル53のリクはもちろん、レベル50の僕には、全く関係ありません。
初心者の美香ちゃんも、課金アイテムでブーストしてますので、
もしかしたら、僕たちと同じレベルぐらいまで戦えちゃいそうです。
お金がすべてのアイアンゲージらしいです。
などと考えながら、罠も無い一本道の洞窟を、イモムシの巣目指して進みます。
そして、イモムシの巣に近づいたとき、巣の方から戦闘音が聞こえてきました。
先客です。
通常のMMOと同様、効率の良い狩場は、早い者勝ちです。
後から来た人は、先の人が終わるまで待っているしかありません。
「美香ちゃん、チョット待ってもらうことになりそうだね。」
「珍しいな、先客がいる。」
「待っていればいいんでしょ?チョットTV見てていいかな?」
「あぁ、僕たちの番になったら携帯に連絡するよ。」
「ありがと、じゃぁお願いね。」
.....
....
…
..
「ただいま~。」
美香ちゃんが帰ってきました。
時間にして1時間ほど経っています。
「おか~」
「おかえりなさい。」
「まだ待ってるの?時間の無駄じゃない?」
「そうだねぇ、でもそろそろ入れ替わるんじゃないかな?」
「あ~ 嫌だ嫌だ、時間の無駄遣いよね。この!この!この!」
美香ちゃんが迷宮の壁を攻撃し始めました。壁は当然、破壊不可設定です。
いくら叩いても何も起こるはずがありません。
「美香、うるさいぞ、またTVでも見てくればいいじゃんか。」
「あれ?この壁殴るとHPが減るんだけど。なんで?」
!!
それはおかしいです。迷宮の壁、扉は 破壊不可設定のため、攻撃しても
何も起こりません。HPが減るなんてこともないはずです。
「また、そう言って担ごうとする。減るわけないだろうが、壁だろ。」
「ホントだって、ここの壁だけ 殴るとHPが減るんだから。」
「よし、じゃぁ攻撃してみるぞ、うりゃっ」
リクが剣で壁に向かって攻撃しました。
「どう?減ったでしょう。」
「減らねぇよ。破壊不可設定だって言ってんだろ。」
「減るって!、もう一度殴るわよ。ほら、HPが3も減ったわ」
ん~どういうことでしょう?
同じ壁を攻撃したのに、リクはノーダメージで、美香ちゃんはダメージがある。
レベルの差?




