表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お姉ちゃんは可愛い悪役令嬢  作者: あきみつ
最初から、間違っていたのは
41/65

41

聖女に呼び出されたベリッシュは王宮の一室に通された。

間もなくして聖女がやってくると早々に口を開く。


「弟君の事は好きか?」


「え?」


「好きかと聞いている」


「……好き、ですわ、この世の誰よりも、愛してるわ」



ニンマリ笑った聖女を不気味に思いながら、ベリッシュは続けようとした。


「今夜だ」


「今夜?」


「明日、浄化の旅に出発する。今夜しかチャンスは無い。アインリッシュの元に行くぞ」


「え!?」


アインリッシュに会える嬉しさと、しかし急な展開に着いて行けず混乱する。



会える

アインリッシュに会える

怖がってないかしら

泣いてはいないかしら


拒絶されたあの日から、ずっと考えていた


言われるのを待つばかりでなく、自分自身からも行動を起こすべきだったと。

今の関係が壊れてしまうのを怖がっていては駄目だったのだと。


会えたら、伝えるのだと





「行くぞ」


日が沈み、空が暗くなった。

聖女の後ろを歩きながら、不安に苛まれる胸を抑える。




でも、アインリッシュの感じている不安は、こんなものではないわ……



聖女が一室の前で止まりこちらを振り返る。

その目は少し楽しそうに細められていた。


「覚悟はできてるかい? ベリッシュ」


「……できているわ」


「よしっ。では、呼んだら入ってきてくれ」



扉の向こうへと消える背中を眺めながら、目を瞑る

大丈夫

大丈夫

そう自分に言い聞かせるように呟く



「……愛していますよ」


「だ、そうだぞ、ベリッシュ」


扉を、くぐる

まだ一週間も離れていなかったのに、現れたアインリッシュの姿に泣きそうになった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ