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お姉ちゃんは可愛い悪役令嬢  作者: あきみつ
頼りになるはずの記憶が、全然頼りにならない
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「彼女は真っ赤になって狼狽えていたよ。その姿が可愛くて可愛くて仕方なくて……」


まさかまさかまさかまさか


「キスをしようとした」


それはちょっと王子様といえど駄目じゃないかなーーーー!!!

相手は隣国の王女ですよーーーーー!!!




「そしてこの様だ」



言葉を失う。

返事をもらう前にキスをしようだなんて言語道断である。

それに友好国の王女だからといっても、一歩間違えれば国際問題に発展しかねない。



恋はやっぱり人を愚かにする

僕もしかり



「私は一体この後どうしたらいいのだろうな……」


「……諦めます?」




ハインデルト様と僕の影が重なる。

その問いは、僕が僕自身に問いかけているような呟きになった


僕は、諦めたくない

折角ベリッシュと同じ世界にいるのに



「諦める訳、ないだろう」




瞳に強い力を宿しながら、ハインデルト様は言う。

その姿に安心し、かっこいいとも思った。

流石メインヒーロー


頬に手形付いてるけど




あれから一か月。あれからもう一か月。


あの日からずっと、ハインデルト様はエリーゼ様に逃げられている。


すっかりやつれ、エリーゼエリーゼと求め探し彷徨う姿はさながらゾンビのよう。

そして学院中で話題になっていた。


「少しは落ち着き下さい」


「無理だ。もう一か月近くエリーゼを見ていない。何処を探しても見つけられないのだ」


エリーゼ様はかくれんぼがお得意らしい。

すっかりやつれてしまったお姿にため息が出てしまう。

この方が僕が将来お仕えする方なのか………


でも見つけられないのも無理はない。

エリーゼ様は常にハインデルト様の背後にいらっしゃるからだ。

今も後ろから僕らを覗いているし、その表情は心なしか楽しそうに見える。



「エリーゼ……はぁ……何処にいるのだエリーゼ………」



出来ればもう出てきてあげて欲しい。



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