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学校と言うのは人が何百人も集まる場所であり、それだけに噂話が絶えない。今回そのターゲットになっているのは、他ならぬ俺の様だ。やれやれだ。そんな目で見ないでくれ。
「ちょっと来い。」
休み時間ぼうっとしていると、童顔が俺の顔を覗き込んだ。
「なあ、宮島。その男っぽい話し方どうにかならないのか?」
「なんだ、出合い厨の癖に内政干渉とはいい御身分ではないか。」
「なっ、お前、知ってたのか。」
あの馬鹿妹……。
「妹の事を考えているならお門違いだ。君はいつもツイッターでJK裏垢を漁っているではないか。」
「お前、のぞき見したな?」
「のぞき見などせずとも、いや、君のケータイを覗ける奴なんて、クラスに五万といるだろう。君はいつも休み時間にケータイを弄っているんだから。」
「う……」
つまり俺は今までみんなに見られながら、りんなちゃんに公開口説きをしていたということか。
「それに、君が口説いていたのはりんなとかいう女だけじゃないだろう?」
「な、なんでわかるんだよ!」
「ふふふ……。」
彼女はその童顔に似合わない怪しい笑いを浮かべた。
「ここだ。」
ここは……、そう、ここは生徒会質である。
「生徒会長が君にお話があるそうだ。」
「はあ?」
この学校で「生徒会長のお話」と言えば、死を意味する。なぜならここの生徒会長は……、
「お兄に一週間の自宅謹慎を命じる。」
俺の妹だからだ。
「な……、何を言っているんだい?」
「これは生徒会長命令よ。逆らうなんて許さないんだから。ほら、校長先生からちゃんと許可は貰ってるの。」
そういうと、生徒会長、もとい俺の妹は大きく赤いハンコを押された紙を突きつけてきた。
「しょ……、職権乱用だ!!」
「あんたに言われる筋合いはないわ。この人間の屑。」
ただ罵られただけなのに妹の言わんとしていることが分かってしまうなんて辛すぎる。きっと昔から口喧嘩をしすぎたせいで、妹の事なら一を聞いたら十分かる男になってしまったんだ。今回の場合、俺はただ差し迫る地獄をより早く確信しただけなのだが。
「ま、まってくれ!お願いだ!!やめる!土曜日に田川駅でりんなちゃんに会うのをやめるからああああ!!」
やめるわけないだろう!この馬鹿妹が。
「あんたがやめるわけないじゃない。」
「はっ。」
なぜ俺の考えていることが分かった。
「馬鹿ね。あんたとのことなら一を聞いたら十分かるのよ。ああ、あんたみたいなゴミクズと兄弟であることが恨めしいわ。ほら、牛頭馬頭ども。こいつを地下牢にぶちこんでやりなさい。」
「ウっス!!」
牛頭馬頭、というのはネネ直属のガチムチサーバントである。
「やっやめろ!!やめてくれええええええええ!!!」
俺は両手を完全にホールドされ、抵抗する術を失った。
「お兄さん、結構綺麗ね。」
牛頭馬頭のうち牛頭が耳元で艶やかにささやいた。俺は気を失った。




