殺到
二日目。行き当たりばったり、試行錯誤。天空闘技場で念を覚えたばかりのゴンが多分、試合には勝てない。でもまだ戦っていたいとギドに捨て身で向かっていった気持ちです。
我々はニホンイタチと同じ運命を辿るのだろうか。陸続きの大陸では常にすべてが混ざり合っているので外来種という言葉は存在しない。
あるとき(俺が生まれる少し前に)日本人は一つの選択を迫られる。このまま静かに衰退していくか、多くの移民を取り入れて再構築を図るか。後者を選んだ国にはゲルマン民族の大移動さながらアジア諸国から帰る切符を持たない人々が押し寄せた。たくさんの飛行機や船が低気圧で膨れ上がった大きな雨雲のように日本を通過して雨ならぬ人を洪水しようが土砂が崩れようが知らぬ存ぜんぬで降らし続ける。人、人、人。大きな荷物を抱えた人、バッグ一つでやってきた人、家族と手を繋いできた人、ひとり母国を捨ててきた人、人々は夢や幻想を抱き、その細長い島国に足をつける。パレットの上に存在していた日本のカラーは様々な色をつけたされてどんどん変化していく。やがて訪れるのは日本の繁栄ではなく、その土地と切り離された元々そこに住んでいた民族の衰退である。
もしノアの箱舟に乗ったノア一族の前に襲いかかったのが人の大波で、船をすっぽり影で覆ってしまう巨大な波に飲み込まれたあとノアの家族はすべて流されて船の中にはまったく知らない人間ばかりで埋め尽くされてしまったら、ノアはいったいどこに向かって船を進めていけばいいのだろうか。




