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56.カプシーヌの恋人

「オリビエー」

呼びながら駆け込んできたのはカプシーヌだ


「どうしたのカプシーヌ、そんなに慌てて…」

「今日からカフェ開けるって聞いたから…聞いて!私告白されちゃった」

その言葉にロキと顔を見合わせる


「告白って誰に?」

「ほら、カクテュスの領になってから騎士が沢山こっちに来たじゃない?その騎士の人にゼリーがきっかけで!」

何とベタなとは思うものの喜ばしい事には違いない

ただ、ゼリーがきっかけとはどんな状況だったのか多少興味はある

でも今はそれを確かめるよりも言うべきことがある


「おめでとー。今度紹介してよね?」

「彼の休みにここにランチを食べに来るわ。この町で出会いなんて期待できなかったし、独身でいることも覚悟してたのにこんなことになるなんて夢みたいよ!」

26歳のカプシーヌ、成人してから10年経つだけに出会った頃から諦めているとは言っていた

適齢期と呼ばれるのは20歳前後

小さい町になればなるほどその歳が少し上にずれることはあるみたいだけど、それでも2~3歳程度加算されるくらいだ

故に25歳を過ぎると独身を覚悟する女性が多いらしい


「…そういう出会いもあるということか」

「そうね。騎士の家族も来るからこれから面白いことになりそうね」

「でしょう?騎士に甘いものが好きな人も多いんですって。スイーツ作り甲斐があるわ」

「ふふ…彼が喜ぶスイーツ、沢山作らないとねー」

騎士に、と言ったカプシーヌに本当にそうなの?という意味も含めて言ってみる


「ちょっ…オリビエ?」

明らかに狼狽えるカプシーヌに思わず笑ってしまった


「ローズはマロニエとくっついたしあとの3人も時間の問題かしら?」

「俺としてはダビアに落ち着いてもらいたいがな」

ロキが言う


「どうして?」

「あいつ毎日違う香水の匂いさせてるだろ」

「あ~時々きついのも交じってるよね」

「そういえばダビアってモテるのに付き合ったりしないよね?」

カプシーヌも首を傾げる

どうやら町中でも女性といるのをよく見かけるらしい

ただし、その相手は固定ではないと…


「あいつが譲れない1点を持つ相手が中々いなかったんだよ」

「譲れない1点って何?」

「…」

「ロキ?」

「一緒に魔物狩ったり迷宮攻略したりできる女」

それを聞いた瞬間以前言われた言葉を思い出す

そういうことだったのかと妙に納得してしまった


「ソンシティヴュでは中々いないけど…カクテュスの人間が流れ込んでくるなら期待はできそうなんだけどな」

「そっか。国民性が戦闘狂…」

「カクテュスは女の冒険者も多いっていうものね。誰が一番早く結婚するか楽しみだなー」

「自分が結婚してるからって…」

「悔しかったら1番乗りしてね」

からかうように言うとカプシーヌはかなり意気込んでいた

これはその日も遠くないかもしれない

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