第三章8『雷雨』
更新滞っててすいません。
エイプリルフールなので頑張りました。
八月十九日十六時 佐藤陸
――あれから、数ヶ月。
今も紗良とは仲良くやってる。
紗良と一緒にいて分かった事がある。
彼女は機嫌屋で我儘で、自分勝手で。
気づいたらなんとも言えない感情が心の中にあった。
「どーしたの? 陸」
「なんでもないよ、紗良」
「そう。てか雨酷いね」
「だね、傘ないし帰れないね」
あれから少しは心を開けたのだろうか。
どもることも、他人行儀な口遣いになることも無くなり、前よりは話せるようにはなった。
だけれど、僕は自分が変わったようには感じなかった。
「あ――――。ね――――」
「ん? なんか言った?」
「え――。なんでも――」
雨の音に掻き消され、彼女の声は聞こえなかった。
ゴロゴロ、ドカン!
「きゃ」
刹那、数メートル先に雷が落ち、彼女は可愛らしい声を出し、その場にうずくまった。
「――ぁ。……さ、紗良、大丈夫?」
震える声を隠し、彼女に心配の声をかける。
「――――ぅ。うぅぅ」
彼女は子供らしく泣いた。泣いたのだ。たかが雷に怯えて。
僕はそんな彼女を愛おしく思った。
泣く紗良を近くのベンチに座らせ、慰めた。
しばらくすると雷は止み、彼女の涙も止まっていた。
「そろそろ帰るか? 紗良」
「――ん。帰ろ」
紗良は腫れぼったい瞼を押さえながら言う。
まだ止まない雨の音をBGMにしながら、僕は紗良と同じ傘の下で歩いた。
何の前触れもなく、紗良は走り出した。彼女だけではなく制服もびしょ濡れで透けている。
ザー、ザーと降り止まない雨の中君は立っていた。
「陸、――――――――――――――ください」
「何? 雨の音でよく聞こえないよ」
すると君は僕の耳元まで迫ってきて
「陸、君のことが好きです、付き合ってください」
「え……?」




