第01稿04話~爺ちゃん、生産施設で何かを生産したい4~
__久黎爺|草原
K太君の矢は鳥さんに直撃したように見えた!
「当たったようじゃ!凄いのう!」
「敵、急降下してます。二人とも戦闘準備お願いします」
「あい分かった!」
鳥さんに当たりはしたが有効打にはならなかったとみる。石を手に持ち近づいた鳥さんに向けて地面を踏みしめ膝から腰、そして肩から指先までを意識し投げる。うっ、腰が!!!腰から肩の方を捻り過ぎたかもしれん。
「あ!お爺ちゃんも当たったよ!」
「おぉ、当たったかの?いつつ、腰を捻ってしまった様じゃ」
「え?痛みますか?」
「ちょっとの」
「来たよ!勝負だ!!」
「あい、分かった」
風切り鳥はパッと見、鴉に見えるのぅ。お主は鴉さんじゃ!三節棍を装備。気を練り練りじゃ!うっ、腰が、あ、気が練れぬ!!いかがしようか……よし、普通に殴るとしよう!三節棍を振りあげ鴉さんに殴りかかる。鴉さんが左にすらいどして攻撃は外れてしまった!!いやいやいやいや、その挙動はおかしいじゃろう!
「不自然に横移動しましたね。何らかのスキルかもしれません」
「ほう、スキルかの?敵もそう言うモノを使ってくるのか!」
「女王蜂の急上昇とか急降下も多分スキルですよ」
「あぁ、なるほどのぅ」
赤いエリアの攻撃等もスキルと言う事か。
「多分、回避スキルか移動スキルかじゃないかな!!」
「二人とも物知りじゃな!」
「お爺ちゃんお爺ちゃん、このタイプのゲームにはスキルにCDが設定されてて一定時間は使えないはずだよ!!」
「こんぱくとなでぃすくかの?」
「そっちじゃなくてクールダウンとかクールタイム、リキャストやリチャージですよ。冷却時間の方が分かりやすいですかね?」
「おぉ、成程、要するにあのような回避をしたら少しの間、同じ回避は出来ないと言う事じゃな」
「そう言う事!!」
「あの、二人ともそろそろ鳥さんを……助けて」
「おっと、すまぬすまぬ」
見ると鴉に大人気のK太君じゃ。慌てて間にはいり鴉さんに一発。鴉さんはこちらに目標を変えた様じゃ。
「私も行くよ!」
K奈ちゃんが上から振りかぶるように鴉さんを攻撃しようとしたが鴉さんは不自然な動きで横に回避した。
「む、回避すきるじゃな!ここじゃ!」
回避した先に三節棍を振るう。難なくその攻撃は当たった。おぉ、このタイミングを狙うんじゃな!
「おぉ、お爺ちゃん凄い!」
「放ちます!久黎爺さん退避してください!」
「あい分かった!」
すぐにK太君の射線から移動する。すると鴉さんの頭に矢が突き刺さった。鴉さんの視線がK太君に向く、いかん。直ぐに三節棍で矢を打ち付ける様に振るった。
「グァ」
鴉さんは一鳴きして地面に倒れ光の玉となった。どうやらトドメをさせたようじゃ。
「久黎爺さんナイスです!」
「いやいやK太君の火力のお陰じゃよ」
「えー、お爺ちゃんK奈はー?」
「おぉ、K奈ちゃんのお陰でもあるぞい!」
「素材は嘴と……頭蓋骨ですね。もう骨になってるみたいです」
インベントリを確認すると儂は風切羽だった。
「羽毛と嘴だったよ!」
「儂は風切羽だけじゃったよ」
「風切羽はレアっぽいですね部位的に風切り羽は左右の翼に一対しかありませんし」
「おぉ、どんな効果か気になるのぅ」
「でも嘴2本でてるから関係無いかも!」
「そう言えばそうだね」
「ううむ、確かに」
「あ、それよりも久黎爺さん腰は大丈夫ですか?ゲーム内で痛みを感じるほどだと現実の方では大変な事になってるかもしれません。一旦、ログアウトした方が良いと思いますが」
腰の事を思い出すと釘を打つような頓痛を感じる。確かに、これは一休みした方が良さそうじゃ。
「う、うむ、確かにやばいかも知れぬ。儂はろぐあうとした方が良さそうじゃ」
「お大事になさってください」
「じゃぁ街まで一緒に帰ろー!」
「じゃぁ行こうか、久黎爺さん、肩貸しましょうか?」
「む、頼んでもよいかの……」
腰がずきずきして正直歩けそうに無さそうなのでありがたく肩を貸してもらって街まで帰ってろぐあうとした。
__久黎爺|自室
「ううむ、これは湿布を貼って休んだ方がよいかの」
変な捻り方をしてしまった様じゃ。湿布は……と、応急箱から湿布を取り出し貼ろうとするが腰が痛すぎて腰に貼れぬ。どうするか。どうしたらよいか。うむ、べっどに湿布をひいてそこに寝転がろう。
ごろんと転がり何とか目的の場所に貼れはしたがしわがよってしまったみたいじゃ。まぁ、良いだろう。
「少し小休憩としよう」
目を閉じると痛みが強くなってる気がするのぅ。痛み止めを飲んでおこう。
痛み止めを飲むと暫くして痛みが軽減された様で直ぐに眠気が襲って来た。
討伐したが腰が逝ったお爺ちゃんでした。
お爺ちゃん早く腰治るとよいね!
それでは皆様また次回。




