表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
5/5

好きな食べ物は?

 管理園を回る事になるが…あまり興味が持てずに、聞き流しす事に専念していた蓮華。

ようやく一通り見学を終え自由時間は各自自由に見て回れるみたいなだが…疲れてベンチに一人座が、そこに声をかけてきた人物がいた…。

 あらかた解説員の木村さんの死獣の恐ろしさを教えられ、それを踏まえて園内を回る事になった。


「はい、皆さんこちらを見て下さい。」


 木村さんはそう言って特殊なガラスが貼られているところを指差す。


「第一指定死獣ランクFのレプスといいます。昔はうさぎと呼ばれていました。」


 レプスの見た目は灰色の毛並みをしており、耳は長くて大きさは大体全長96cmほどで子供の幼稚園児位の大きさらしい。

特徴的なのは頭上に鋭い角があり、微かに電流が流れている事。

 だが…見た目は可愛いらしく刺激しなければ襲われる事が少ない比較的におとなしい死獣らしい。

 木村さんレプスの解説に夢中でそれに対して、私はあまり興味がなかった寧ろあの様な見た目で人を誘い殺す生き物が嫌いだ。

 その後も…木村さんの元で色々な低ランクの死獣の解説を受けたがどれも耳に入ってこない。

 私はとにかくこの見学を終わらせて家へ帰りたくて仕方がない。

 ようやく見学が終わり自由時間になり、それぞれ自由に建物を見学またはデパートや雑貨で買い物の時間になり皆んな各々散らばっていった。

 私は誰かと一緒に巡る相手は居なく近くにあったベンチに座り時間を潰す事に…。


「はぁ…疲れた…もう、こんな所からおさらばしたい…」


 溜まりに溜まったストレスがようやく一人になった事で口から吐き出す事ができた。

カバンから途中まで読んでいた小説を取り出し読もうとしたとこで…


「あっ、あの…蓮華さん…今いいかな…?」


 突然自分の名前を呼ばれて驚いたが…よくよく見てみると、そこには同じクラスの東雲さんが立っていた。


「えっと…東雲さん?何か様ですか…?」


 彼女はもじもじとしながらも…勇気を出して声を掛けて来たみたい。

でも、正直困惑している…次に発する言葉が分かるからだ…。


「も、もし宜しければ一緒に回りませんか?」


 うん…予想通り自分といると、この子も周りから虐められないから心配になるからここは…断ろう。


「ごめんね…私といると東雲さんも他の子達に虐めを受けると思うからやめておくよ。別の人を誘って欲しいかな…」


「ううん…それでも、蓮華さんと仲良くなりたくて。回るが嫌だったらここで座ってお話しようよ。」


「いや…だけど…」


「お隣いいかな?邪魔はしないからお願い!」


 半ば強引に隣に座ってきた彼女は、次から次へと話題を出しては一人で楽しそうに話をする不思議な人だ。

 私は彼女の話しを聞き流しながら手に持っている小説に目をやり自分の世界に閉じこもる。

 小説に夢中になり過ぎてふと気がつくと…まだ彼女は一人でに話をしている事に驚きである。

 そうそう話す内容があるのかと思いながらも楽しそうに話しを振っている。

私は何も答えてはないのだけど…何故彼女は自分なんかに声を掛けては挙げ句の果てには相手に無視までされているのに、そこで辞めず話しを振り続けているのかが知りたくなった。


「…なぜ?」


「ん?」


「…何故そこまでして、私に構うの?」


「う〜ん…何だか…放っておかなくてね…。」


「そんな理由で…?」


「うん!」


 本当に迷惑だそんな私欲の理由で私を利用しないでほしい…この人は自身の本当の気持ちを言っていないただの嘘つきだ。


「そう…じゃあ好きにすればいいよ…」


「うん!そうする♪」


 分かっていたとしても…突き離せばこの子もまた他の人の様に私に対して侮辱する人間になるのが私の悩みの種になると分かるから言わない、その方が私にとって得だからだ…。

 刻々と時間が過ぎそれでも彼女は私に問いを投げ掛けては、返答がなければまた別の問いへと切り替えるのひたすら繰り返す。

 相変らず私は彼女の話しを聞き流し続けるのだが…ふと思う…無視し続ければどの道反感を買ってしまうのではないかと…。

 では、私の選択肢は一つに絞られるわけで…話してその場を乗り切る事である。


「…東雲さん」


「ん?」


「好きな食べ物ある?」


 あまりにも安直な質問に自身に落胆してしまう…もっといい質問はなかったのだろうか…と…。

だけど…何も思いつかない私は彼女の事何も知らないし興味も無いから…とりあえず適当な話題を振ってみる。

 そんな事を考えている中、東雲さんは顔を喜ばせて嬉々として答える。


「えっとね!好きな食べ物は…マコロンだよ!」


(マコロン…聞いた事ないけど…何それ?)


「それは…どう言う食べ物なの?」


「ん〜とねぇ…」


 話しを聞くとマコロンはイタリア発祥らしく。

詳しい事は携帯で調べてみたところ、原材料は卵白と砂糖とアーモンドらしいけど…日本に伝わったのは安土桃山時代に宣教師によって伝来したそう。

けど…当時の日本にとってアーモンドは大変高価であったため、代わりに落花生を使用したみたい。

 現在のマコロンの形は小ぶりな半円形のドーム状をした焼き菓子らしい。


「なるほど…結構歴史のある食べ物なんだね…。」


「そうそう!ちなみにこのマコロンはね…牛乳に浸し柔らかくして食べるとこれまた美味しいんだよ!!」


「そ、そんなんだ…今度買ってみて試すね…。」


「うん!あっ!」


「ん?どうしたの…」


「あ…このマコロン近くと言うよりかは周りのお店には売って無くて、ネットか宮城県にしか売ってないんだよね…。」


(なるほど…一部の県でしか販売されてない食べ物なんだね…少々興味が湧いたかも。)


「そんなんだね…分かった。今度ネットで注文してみるね…あと、牛乳も試してみる事にするよ…。」


「うん!絶対美味しいからオススメだよ!!」


 何だかんだで話しをしてみて楽しいと思ってしまったが…もう集合の時間になり、結局彼女との会話はマコロンの話しで終わった。












 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ