窓際の不思議な彼-part36-最大の危機
窓際にいる不思議な彼
彼に悩みを話すと解決するという噂が・・・
■最大の危機
1人の年配の男がカメラに向けて話している
「この映像を見ている者へ・・・」
「もしかしたら、これが・・・」
「私の」
「最期の姿を記録したものになるかもしれない」
「もし、このメッセージを見たら・・・」
「いや・・・忘れて欲しい・・・」
「ただ、私の結末を・・・見届けてほしい・・・」
「私には、今、最大の危機が訪れている・・・」
「それが何かは明かせないが・・・」
「私にとって、その危機は・・・」
「私以外の全てが、敵に回るような・・・」
「いや、伝わらないだろう・・・」
「とにかく・・・」
「私の、今、置かれている状況は・・・」
「最悪。と、言わざるを得ない・・・」
「どうして、このようなことに・・・」
「なんとか・・・」
「なんとか、この状況を打破しなければならない・・・」
「だが・・・」
「今の私には・・・」
「この状況を打破する考えが・・・」
「アイデアが浮かばないのだ・・・」
「どうすれば・・・」
「私の知人に閃きや天啓を得る者がいる・・・」
「私にも、今、それを得ることができれば・・・」
「あるいは・・・」
「私には・・・助けが必要だ」
「だが、今、ここには私1人だ・・・」
「それが、幸か不幸か・・・」
「いや・・・恐らく、幸だろう・・・」
「今は・・・1人の方が・・・良い・・・」
「このメッセージを見ている者達にも・・・」
「今の私が1人でいることが重要であると分かるはずだ」
「私は、何人かの、私の味方と思われる者達に・・・」
「助けてくれるようにメッセージを送った・・・」
「だが・・・」
「今だに、返答が無いことを考えると・・・」
「恐らくは・・・」
「妨害されたか・・・」
「私を・・・裏切ったか・・・」
「ふふ・・・」
「こうなっては・・・」
「私も・・・」
「人間は、最後は1人・・・」
「ふふ。寂しいものだ・・・」
「ああ・・・」
「君達にも・・・」
「聞こえるだろうか?」
「終焉を告げる・・・この音が・・・」
「ああ・・・もう、逃げることはできない・・・」
「忘れるな!君達にもこの危機は迫っている!」
「私だけの話ではないのだ!」
「ああ・・・」
「あああああああああああああ!!!!!!」
年配の男の悲鳴と共に
1人の男と1人の女が入って来た
男「大先生・・・」
女「何をしているの?あなた?」
●男(大先生の担当。編集部統括責任者)
「大先生・・・」
「どういうことです?」
「これは?」
「何故、こんな動画を?」
「こんなことをしているよりも・・・」
「お約束の・・・原稿を」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「おかしいですな・・・」
「先日、お電話でお話をした時は・・・」
「もう、書けていると・・・」
「そう、仰っていましたが・・・」
「おかしいですな・・・」
「ほとんど白紙とは・・・」
「おかしいですな・・・」
「本日のこの時間に取りに行きますと」
「お伝えしていたはずですが・・・」
「おかしいですな・・・」
「せめて、書いているなら、まだしも・・・」
「このような動画を撮っているとは・・・」
「おかしいですな・・・」
●女(大先生の妻。全力ビンタは宙に浮く)
「呆れた・・・」
「本当に、呆れた・・・」
「あなたって人は!」
「せっかく〇〇さんが原稿を取りに来られるから!」
「私が駅前まで買い出しをしている間に!」
「何、遊んでんのよ!」
「もう書けてるっていうのは嘘だったの!」
「もう!許さない!」
「全力ビンタ1発じゃ・・・済まないわよ」
「〇〇さん。本当に申し訳ございません・・・」
「お忙しい中を・・・」
「この馬鹿で救いようの無い男に代わって謝罪致します」
「いえ・・・もう、本当に・・・」
「あんたも!早く土下座で謝りなさい!」
「ふうー。ふうー」
「いえ・・・いえ・・・そんな・・・」
「ええ。本当に・・・駄目な男で・・・はい・・・」
「いえ・・・ご寛大な心に感謝致します・・・」
●年配の男またの名を大先生(ボロボロ。何度か宙に浮いた)
「こ、このメッセージを見ている君達・・・」
「忘れるな・・・わ、私の、この姿を・・・」
「人間というのは・・・素直が1番だ・・・」
「嘘は・・・良くない・・・」
「君達にも・・・この危機が・・・」
「最大の危機は、常に迫っている・・・」
「忘れるな・・・」
「心に刻むのだ・・・」
「こうなりたく、なければな・・・」
バタッ
動画はここで終了している・・・
連載となります。
感想などをいただけると励みになります。




