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【完結】王女と変態騎士と暗殺者  作者: 瓊紗(旧夕凪.com)
第2シーズン編
14/21

プチ女子会


現在、第2シーズンのヒロイン・ファナ嬢から被害を受けているのが、攻略対象のセシルとルカの婚約者であるアリスちゃんとリゼちゃんだ。


レオスも言い寄られてはいるものの、婚約者は既に学園を卒業しており、勉強がてら隣国に留学に出ているため国内に不在。彼女は被害をまぬがれている。


そして、第2シーズンにおけるラスボスであり、ジオが警護する対象である私もファナ嬢には悩まされている。


「とにかく、一旦吐きだしちゃいましょ」

「そうですね!お義姉さま!」「私も甘いもの食べて発散したいですよ」

私の宣言に、二人の義妹ぎまいも頷く。


私たちはジュース片手にお菓子を広げてぱくぱくと食べてプチ女子会を開催しつつ本題についても議論する。


「ファナ嬢とは基本的に履修する科目が違うのですが、何かと一緒に授業を受けている令息に言い寄っていまして、困っています」

そう語るのはリゼちゃんだ。リゼちゃんは剣を嗜むため、学園の剣の講義も履修している。少ないながら令嬢の中でも剣を嗜むものたちがいるので、令息たちに混じって訓練を受けている。もちろん体力の差などもあって、全く同じメニューとはいかないものの、リゼちゃんの実力は周りの令息たちも一目置くほどなのだとか。


―――あと、令嬢たちのハート目線がほぼリゼちゃんに行くため、嫉妬する令息もいたのだが。私が“私の義妹いもうとに文句あるの?”“文句があるならウチのルシウス貸すから、一本取って見せなさい。リゼちゃんは取ったわよ”と言ってやったら収まった。

やだ、私悪役王女みたい?いいえ、ダークヒロインよ。ダークヒロイン。うん!


因みに、私たちが親しくしているのもあって、リゼちゃんはたまにルシウスに剣の稽古を頼んでいる。ルシウスは性格はアレだが実力は確かなので、そんなルシウスから一本取ることができたリゼちゃんはルシウスから見てもとても将来有望なのだとか。


うへへ、義姉あねとしても誇らしいわな。


「挙句の果てに、私が泣きつかれるんですよ。他の令息たちに」

どうやら、ファナ嬢にほだされる令息たちばかりではないらしい。そう、彼らのほとんどは守ってあげたくなる系吊り目女子・アリスちゃんファンなのだ!アリスちゃんファンをなめてはいけない。因みに私はアリスちゃんファンクラブの名誉顧問を務めている。


「まずは根性叩き直してやるべきだわ」

「そうですね、でも叩き直した後何故かルシウス師匠のような変態顔になるので迷っています」

「うおぉ。それただのMじゃないの」

因みに、リゼちゃんもかわいらしい婚約者のルカのことは大好きである。ルシウスとも一緒にルカを崇めているのだが、少なくともリゼちゃんは変態顔をしない。ルシウスのことは剣の師匠としては慕っているものの、ルシウスの変態顔を客観的に見ることができる。


「それに、アリスの方も酷いですよ」

「あの子、いきなり私の名前を叫びながら泣きわめくんです」

そりゃドン引きだわ。


「既に周りには取り巻きもできていますし」

「剣を嗜まない文系の令息が多いですね」

ほう、Mではない令息のウチの何人かがファナ嬢の手にかかったと言うことか。嘆かわしい。無論、そうじゃない文系令息も多い。将来天使のようにかわいい私の弟・セシルたんの側近として、臣下として仕えたいと言う令息もいるので、彼らはセシルたん信奉を強めることで彼女の誘惑を回避しているそうだ。


「むしろ、聖女じゃなかったらもうとっくに謹慎処分ですよね」

と、リゼちゃん。

本当に、多数の令嬢に対する侮辱行為、あと王太子に対してもかなり出過ぎたことをしている。神殿が彼女の後見人としてバックについていても、そろそろお父さまとお母さまもカンカンになりそうなレベルなのだ。あと、私に対する事実無根の言いがかり。

しかし、更生する余地があるのならばと神殿に教育を促してはいるのものの、今のところ効果は薄いのだ。そろそろ彼女は神殿に幽閉されて徹底的に再教育させられそう。もちろん実家の子爵家もただでは済まないだろう。


「それに、ジオさまにまで手を出しているじゃないですか!」

と、アリスちゃん。


「本当にねぇ。王女の護衛にまで手を出すなんて」

「そうですよ!ジオさまの心はお義姉さまの」

ん?私の?


アリスちゃんがふと私の後ろに視線を移す。ん?ジオかな。


「―――っ!いえ、これ以上は私の口からは」

何だろう急にしおらしくなっちゃって。ジオを振り返れば。にこりと輝かしい笑みを向けられた。えーと、何だろう。ルシウスは苦笑すんな、ヤメロ。

キッとルシウスを眼圧で牽制する。


「レオス先輩も相当参っているみたいで」

レオスは剣を嗜むので、リゼちゃんも親交を深めている。


「まぁ、確かに過去の罪はもう清算していると思うから、一応いたわってあげてもいいわね」

「たまにお義姉さまって、レオスさまに対してめっちゃ辛辣ですよね」

「レオス先輩って、一体どんな罪を犯したんです?」


「ふふっ、私の口からは言いにくいわね。彼が更生して真面目に生きている以上は」

「きゃぁっ!お義姉さまかっこいい!」

「まるで本物の聖女さまのようです。もう、お姉さまが聖女でいい気がします」

「はっはっは、あまりおだてるでない。れるではないか」


「ねぇ、姫さま。それ何キャラ?」

後ろからルシウスからツッコミがあったが。


「イェリンさまがイェリンさまである以上、全てが尊いのです」

ぐはっ。推しよ。そないな心理を突かれたら、昇天してまうやんけっ!!


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