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物語、まだ死ねない  作者: 手毬花
大海を知らずに進みますか?
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メイメイ!案

三十四話


「というわけで、戻ってきました……」


先ほどの戦闘地点から離れた場所。

辺りには雑草がちらほら生え、ビル群の中でも自然に還りつつある廃墟。俺たちはそこで息を整えることにした。


「……惨敗だ、ね」

「ごめんなさい、力不足だったわね……」


佐善くんと笹谷さんはかなり落ち込んでいる。

二人は上からの攻撃が当たらなかったのを悔やんでいるみたいだ。確かに、地の利を利用して屋上から狙撃しようとした作戦は失敗に終わった、けど……。


「でも、お二人が悪いわけではないと思います……どちらかというと作戦自体の詰めが甘かった、というか」


マリリンがバツの悪そうな顔でそう告げる。

……ごもっともすぎてぐうの音もでない!

俺は目を3にして項垂れた。だってあんなに強いなんて聞いてないよ!!なにあの猿?ライオン?みたいな化咼物!!知能があるとか言っといてよ!!真野先生!!


  (「言うわけないだろ、訓練なんだから」)

空にうっすらと浮かぶ俺の想像の真野先生は笑いながら手を振った。


……はあ。

ため息を吐いて地面を見つめる……えいえい。足で地面の石を転がす。何が足りなかったんだろ?作戦の詰めが甘かった……マリリンの言葉を頭に巡らせる。上からの攻撃自体が悪かったんじゃないなら……?


「……もっと全員で畳み掛けられる攻撃をする、とか?」


同じ作戦はもう通用しない。初手に上からの奇襲は意味がないだろう。だとすると根本的に作戦を変える必要がある。


「そうね。私たちは最初以外、攻撃に参加できなかったのはもったいないと思う」

「うん……上と下に分かれるのがダメ、というか相手の動きが速いと地上の二人にも当たってしまう、から」


だから攻撃ができなくなった、と佐善くんは言う。

なるほど……俺は遠距離攻撃の経験がないから気づかなかった視点だ。上から狙えば多くの魔法を当てることができる。が、言ってしまえば地上の俺たちにも当たる可能性が増えるということ。敵と対峙しながら上からの攻撃を避けるには、俺たちにはまだ経験もチームワークも足りない。……うーん、どうすればいいんだろう。


「場所を変えてはどうでしょうか?もっと広いところであれば私たちがヤツから離れる隙ができて、お二人が狙えるようになりませんか」


マリリンが手を上げて発言する。

広いところか……。

ビル群から離れて、もっと開けた戦いやすい場所……。


「マリリン、地図見せてくれる?」


はい、と手渡された地図を広げる。

ここから北東には森がある。

その手前に平らな広いスペースはありそうだけど……。


「敵の位置、けっこう動いてるね〜……」


地図上の赤い点、さっきの化咼物は今俺たちがいる場所から少し離れた位置にいる。方向的には反対方向。

ここから北東の草原に呼び込む、となるとチームを二手に分かれて注意を引きつければイケる、かな?


あとは呼び込んだ後どうやって倒すか。

さっきの戦闘を踏まえつつ、新しい作戦も盛り込む。

今度は草原が舞台になるから高低差はあまりないだろうな〜。上下ではなく左右前後でダメージを与えないといけない。開けた場所はあの化咼物にとって戦いづらい……はず?猿のように、なにかに掴まっての移動を封じられるのはこちらへの利点だ。


頭をウンウンと捻って作戦を立てる。みんなに意見をもらいながらようやくそれっぽくなってきた。


「……に最後の一撃を決めてもらう!――そんな感じの作戦を立ててみたけど、どうかな?」


「いいと思います……!」

「ええ、うまくいくと思うわ」

「よく、できてると思う、よ」


全員からお墨付きをもらった。イェーイ!

嬉しくてガッツポーズをすると、さっき投げ飛ばされた痛みが襲う。

いたっ!まだ痛い!どんだけ怪力だよあの化咼物!

げほげほ咳込んでいると心配そうに佐善くんが背中を撫でてくれた。


「しまらないのも……キミらしい、ね」

……意外と毒舌なのかもしれない。


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