エピローグ
数日後、組織された捜索隊と共に魔物領へ行く船を待って港を眺めていた。
大河ラングが滔々と流れている。
世界に散らばった九つのかけら。
一つはテトが破壊してくれた。
二つは大気中で燃え尽きた。
あと、六つだ。
集めるのは恐らく大変だろう。
でも、大丈夫、あたしには、バトラーやスタッドさん、サンドラさんがついている。
河を移動しなくてはならなくなったら、ラーケン船長に頼めばいい。
闇の神から遣わされた黒の三姉妹の影もいる。
何より、この国の国王が協力してくれている。
きっと、やり遂げられるわ。
向うから誰か走って来る。
ジョーイと船員達だ。
「おおーい、アズサさーん」
「ジョーイ! みんな!」
思わず、大きく手をふった。
「ナシムから荷が着いたのね」
「ああ、王都は復興の真っ最中だろ。資材がいくらあっても足りなくてよ。おかげで仕事が忙しくて大変なんだ。これも、アズサさんのおかげだよ。ラーケン船長が話してたけどよ、隕石探しに魔物領に行くんだって?」
「そうなの。がんばって探してくるわ」
「ああ、あんたなら、大丈夫さ。さっさと隕石拾って帰ってきてくれよな。また、飲もうぜ!」
「うん、飲も飲も」
その時、あたしを呼ぶ声がした。
どうやら、出発の用意が出来たようだ。
「じゃあね、ジョーイ、みんな、行ってくるわね」
「おお! 気をつけてな!」
こうして、あたしは王都をあとにした。
船の下で大河ラングが滔々と流れている。
この河はどこに続いているのだろう。
あたしの旅は、これからもずっとずっと続いて行くのだろう。
先輩と一緒に元の世界に戻りたかった。
でも、先輩は死んでしまった。
向こうの世界では、ターソンの爆発で、あたしも先輩も死んだ事になっているのだろう。
創造神様はあたしを戻してくれるって言ったけど、戻った世界は元の世界と全く同じ世界ではないだろう。
何より、あたし自身が変ってしまった。
ここに来る前の、先輩に憧れた、恋に恋した女の子ではなくなってしまった。
人生は進んで行く。
経験が人を変える。
異世界だろうと、元の世界だろうと、どんな世界でもそれは変らない。
それなら、与えられた場所でがんばるのみだ。
それに、こっちの世界も悪くない。
バトラーのおかげで超お金持ちだし。
魔法が使えるとか、めっちゃ楽しいし。
かけらを回収する仕事が一段落したら、魔法魔術学校に入学して、魔法の事、ちゃんと勉強したいな。
それから、宝石店を出すんだ。
ああ、やりたい事がいっぱいある。
ただね、こっちの世界にはシャンプーとリンスがないのよ。
持ってたのは全部使っちゃったし。
おかげで、髪の毛がガビガビになっちゃって。
創造神様にシャンプーとリンスをねだれば良かった。
(終)
「異世界に転移したら一ツ目巨人に救われました。」ですが、本日の投稿を持ちまして完結しました。
こんなに長い話を書いたのは初めてで、途中、何度かの中断を挟みながらも完結できてよかったです。
読者の皆様が楽しんで頂けると嬉しいです。
長い間、読んで頂いてありがとうございました。(^0^)///




