続きを考える
安東とミキの邂逅。
幸か不幸か……いや、不幸しかないんだが、なんとな~くな設定はあるもののここから陥るのが、“序盤は調子良く書けるが後が続かない”だ。
何に困っているか、悩んでいるかというと、“場面”――ミキにビンタされたすぐ後を書くべきか、苛烈女の所業を簡単に書いていくか、どちらにも決められずにいると最初の言葉が出て来ない。
そして、出て来なければここで終了になってしまうので、足掻くしかないのだ。短編を完成させたい!なので、やることと言えば……
また読み返すとこと。
自分で書いておきながら――ですが、そこに答えがある。推敲し、「アレでいい」と納得した答えを出したのだから、自信を持って読み返す。その作業が、まるで学生のときの国語の問題を解いている気分。
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Q.安藤は次の日、何をしようと夢見てましたか?わかる文を抜き出しなさい。
A.明日は、彼女に見合ったものを買いに行こう。(柔らかで、色鮮やかな彼女だけのものを……)
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うん、そうだった。安東はミキを神聖なものだと思っていた。だから、そんな彼女に綺麗なものを買ってやろうと思った。それに、物語の冒頭らへんに安東がミキに買い与えている、又、買わされているのだという描写も書いていた。ということは、“タオルを買う次の日”を書けばいい。
……と、思ったが待てよ。
では、ビンタされて、女神だと思っていた安東は目が覚めるんじゃないのだろうか?そんなことになったら物語が続かないんだけど、また考えてみる。
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Q2.安東は、ミキに出会うまでどんな生活、どんな人間だと思っていましたか?わかる文を書き出しなさい。
A.仕事で疲れ、人に当たらないようけれど独り身の寂しさを切り外せずに、喧騒の傍らをぼんやりしながら歩いていた。
A.何の取り柄もない、しがなく普通の人間
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安東は、一言でいえば寂しい生活を送っていた。そこにミキという自分からはかけ離れた若い女が現れた。しかも、一瞬で恋より尊い想いに縛られてしまった――という設定なら、いくら打たれても目が覚めるはずがないし、ミキを最低女にするならきっと安東は脅されるのだろう。それすらも彼は受け入れるはずだ!
そうすると先ずはの続きは、素直に書こうと思う。図太い精神のミキ、目が冷めないままの安東…
【「ねえ、お腹空いたんだけど」
ミキから強烈な一撃を貰っても、安藤の夢は消えることはなかった。】
……どうだろうか。