プロローグ 夜の特訓
初投降、初制作です。駄文のような気がしますが、大目に見てもらえるとありがたいです
「ゴホッ、ガハッ、ゴホッ……あー……コレはちっとばかしヤバイかも」
俺こと赤崎 夕夜は、手を口に添えて一人つぶやく。手には赤い液体がべっとり。まぁ、早い話が吐血だ。
「でもさぁ、自分の体を強化しかできない魔術師が魔術師って呼べるかどうか分かんねーのに、それすらできないってどーよ?」
そう、俺は魔術師、魔法使いだ。ちなみに今年から高校二年で、青春の真っ只中だ。
魔術師っていうと呪文唱えて手からボッーって火を出すアレを思い浮かべそうだが、実際は違う。いやもしかしたらいるかもしんないけどさ、少なくとも俺は違う。ただの
「自分の体調管理」と
「自分の体の強化」しかできない。しかも強化に至ってはミスると今みたいに死にかける。
「まぁ、こんなん慣れたがね」
首をゴキゴキ鳴らしながら呟く
親はどちらも魔術師で、ガキの頃ものすごい言い争いの結果、基礎は教えてもらった。二人以外の魔術師は見たことないんだが、ね。
何でも魔術ってのはそいつに決められたことしかできないらしい。だから一人が使える魔術はたいていは一種類、あとはオマケみたいなもん。
だから、俺の魔術は
「病院に行かなくても体調管理ができる」ことと
「薬なしでドーピングができること」なんだが……コレって魔術って言えんのかねぇ?
「ふぅ……今日はこの辺にして寝るか……」
まだ、息切れはしてるけど、血も止まってきたので寝ることにしよう。気付けば夜の一時。俺の家は庭付き二階建、築十五年の普通の一軒家。親は七年前に海外で旅行中に行方不明、限りなく死亡扱いに近い。兄弟もいないからこの家には俺以外だれもいない。
周りからは
「かわいそうに」とか
「頑張って」とか言われるが俺自身は……何というか悲しくない。
風呂に入る。
「ふぅ………」
ウーム、コレを極楽、極楽っていうのかねぇ?傷に染みるけど、何か落ち着く。足とか湯槽でばちゃばちゃしたり。
たまに思う。俺には
「何もない」のだと、子どものころから感じていた。
自分の楽しいとか悲しいっていう感情は上辺だけで中身は冷めてる。その場しのぎの笑い。たとえ悲しい話を聞かされたとしてもそれは感想でしかなく、心は動かないのだ。
二階に上がってベッドに転がる。まだ頭の奥は痛いがなんとかなるだろう。今日は日曜日なので、明日からまた学校。
はっきり言って魔術師だからって戦争したりだとか、正義の味方を目指したりはしない。
ただ刺激が欲しい。俺は自分を持て余していた。明日になれば何か変わるだろうか?自分は変われるだろうか?目を閉じながら考える。
俺にとって、魔術は刺激をくれるものだ。ガキの頃にはやりたいことがあった気がするが、もう忘れちまった。
昔より今。今より未来を考えろっつう話だよ、まったく。
だから、まぁ……あんなことに巻き込まれるなんざ思ってなかったんだが、な。




