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三百枚書けるようになるお得な「小説の書き方」コラム  作者: カイ.智水
質疑篇〜ご質問にお答えします
1490/1500

1490.質疑篇:オススメの類語辞典は

 過去のご質問などを精査しながらお答えしているため、応募期間が多少前後しますのでご了承くださいませ。


 「月曜で連載終了」と書きましたら、ひとつご質問を受けました。

 そのため早くて3月16日火曜日の連載終了に延びました。まだまだご質問を承りますので、気兼ねなくご質問・お問い合わせをいただければ幸いです。


 小説を書くとき、どういう類語を使うべきか、どう表現したらよいのか。

 博識の方や精読の方はすらすらと出てくるかもしれませんが、今からメキメキと語彙が身につくはずもありません。

 だから小説を書くうえで「類語辞典」は必携です。

 ですが書店に行くとどれを選んでよいのかわからないと思います。

 今回は私が所有している「類語辞典」(新版があるときはそちら)をご紹介致します。

オススメの類語辞典は


 「推敲」で、それまですべて「言う」と書いてきた表現を「類語辞典」から適切な語彙を見つけ出す。

 これが私の小説執筆法で最大の特徴です。

 「執筆」までを機械的に書き、その後の「推敲」で表現をすべて改めます。

 では、どの「類語辞典」がオススメなのか。

 それを見ていきましょう。




★講談社『類語大辞典』(税抜6,500円)

 7万9000項目を誇る、現役プロもご愛用の類語辞典です。

 類語の意味も載っているため、別途国語辞典でニュアンスを調べる手間が省けます。

 だから現役プロも推薦するほど、信頼の置ける内容となっているのです。

 私も現在ではこれを第一としています。

 値段が張るなぁ、と思いますが、『広辞苑 第七版』(机上版)が税抜14,000円なので、実はリーズナブルです。

 辞書は基本的に高く、とくに類語辞典を使うのは「文章のプロ」くらいなもの。

 だからどうしても値段が高くなってしまいます。

 ですが、これ一冊で「現役プロに近づける」のなら安い買い物かもしれませんね。

 しかし発刊が2002年なので、現在書店では取り扱っていません。

 古本屋でも辞典はあまり買い取られないため、「見つけられたらラッキー」といえます。




★大修館書店『日本語シソーラス 類語検索辞典 第2版』(税抜15,000円)

 出ました。なんと『広辞苑 第七版』を超える金額です。

 そしてこの類語辞典は2016年発行とまだ手に入れるチャンスがあります。

 (私の持っているのは第1版です)。

 この類語辞典は『類語大辞典』と異なり、ニュアンスの違いも用法も書かれていません。国語辞典との連携で威力を発揮します。

 ところが単に「馬具」を調べても「鞍」「鐙」「馬銜」だけでない、ひじょうに細かな単語が掲載されています。

 これを引けば、恐ろしいほど詳しい描写が可能となるのです。

 価格が高すぎる、という欠点はありますがオススメ度はとても高い類語辞典になります。




★角川書店『類語国語辞典』(税抜3,200円)

 こちらは初版が1985年なのですが、現在も版を重ねる「類語辞典」の代名詞とも呼べます。

 『類語大辞典』同様、類語に簡単な用例とニュアンスが載っているので、入手しやすさも含めてアマチュアの書き手にはうってつけです。

 電子書籍版やスマートフォンアプリにもなっているので、探せばけっこう見つかりますよ。




★三省堂『新明解類語辞典』(税別3,400円)

 国語辞典の中で最も読み応えのある『新明解国語辞典』を元に類語辞典を作りました、という体裁です。

 ですのでとても読みやすくてわかりやすい。学生生徒であれば『類語国語辞典』よりもこちらのほうが語彙は身につくはずです。

 プロを目指すなら、辞典ひとつとっても「読み応え」を追求するのは悪くありません。すらすらと読めますからね。なにより読んでいて面白い。

 初版が2015年なので、今でも普通に書店で売っています。




★三省堂『文章表現のための……類語類句辞典』(税抜2,500円)

 こちらも三省堂ですが、国語辞典のように引いて、出てきた単語に用例として「類語」が書いてあります。細かなニュアンスはわかりづらいです。

 ですが『文章表現のための』とあるように、小説を書くときにもひじょうに便利に使えます。

 ただし初版が2005年なので、現在は入手しづらいですね。

 よい類語辞典なのですが。まぁ『新明解類語辞典』に統一されたと考えてよいと思います。




★岩波書店『日本語 語感の辞典』(税抜3,000円)

 こちらは国語辞典に類語が付加されているタイプの類語辞典です。

 初版が2010年で現在は入手困難となっています。

 こういうかゆいところに手が届くタイプの類語辞典が少なくなりました。




★東京書籍『日本語使いさばき辞典』(税抜2,900円)

 調べたい項目から類語が書いてあるだけの類語辞典です。

 用例やニュアンスが書いていないので、今ひとつ使い勝手は悪いかもしれません。

 ただし「尊敬語」「謙譲語」もわかるので、国語辞典との連携で威力を発揮します。

 初版2014年ですが、現在でも入手は可能です。




★フィルムアート社『類語辞典』シリーズ

 『感情類語辞典 増補改訂版』(税抜2,000円)

 『性格類語辞典 ポジティブ編』(税抜1,300円)

 『性格類語辞典 ネガティブ編』(税抜1,300円)

 『場面設定類語辞典』(税抜3,000円)

 『トラウマ類語辞典』(税抜2,200円)

 この五冊からなるシリーズになります。

 類語辞典というより「表現辞典」ですね。

 こんな感情をどう表現すればよいのか。この性格をどう表現すればよいのか。

 そういう切り口の類語辞典です。

 すべて現在でも入手可能です。




★フィルムアート社『俳優・創作者のための動作表現類語辞典』(税抜1,600円)

 こちらは人物の動作に限った類語辞典になります。

 発刊が2019年なのでまだ入手可能です。

 ただ、これを買うくらいなら上記した値の張る類語辞典を購入したほうがよいかもしれません。




★株式会社カンゼン『現代日本の場面設定辞典』(税抜2,700円)

 フィルムアート社『場面設定類語辞典』と似ていますが、場面は現代日本だけに限り、五感や状況による表現を引けるので、こちらも持っておくと重宝しますね。

 「表現」は「類語辞典」では調べられないので、専用の辞典を持っておくべきです。

 発刊2018年なので入手可能です。




★主婦の友社『色の名前事典507』(税抜2,600円)

 色に関しては専門の事典を当たりましょう。

 とくにフルカラーであればどんな色味なのかも確認できるためひじょうに重宝します。

 ただ異世界ファンタジーで現実世界の色名でよいのか、というそもそも論もあるので、若干注意が必要です。山吹の咲かない土地に「山吹色」はあるのかとか。

 ですが、色名の由来もわかるので、ある程度の回避は可能となっています。




★学研『色のことば選び辞典』(税抜1,300円)

 こちらも由来や色名などがわかるフルカラーの辞典です。

 こちらのほうがコンパクトなので、入手しやすいこちらを買っておくと重宝します。





最後に

 今回は「オススメの類語辞典は」にお答え致しました。

 「類語辞典」にも人によって向き不向きがあります。

 最初はベストセラーの角川書店のものを買い、使ってみて「ここはこうなっているほうが使いやすい」と自分で発見していくと納得する類語辞典に行き着きます。

 私は講談社のものが性に合いました。

 これからも類語辞典は発展するはずです。小説家を志す人がいるかぎり。




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