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四人用声劇台本  作者: SOUYA.(シメジ)
台本一覧
26/26

【ちゃんちゃら可怪しい話】

台本タイトルは【ちゃんちゃらおかしいはなし】と読みます。


台本ご利用前は必ず『利用規約』をお読み下さい。

『利用規約』を読まない/守らない方の台本利用は一切認めません。


※台本の利用規約は1ページ目にありますので、お手数ですが、『目次』をタップ/クリック下さい。

 ♂2:♀2:不問0


 シセン ♀ セリフ数:41

怪盗かいとうだんのリーダー。物の価値を見破れる能力を持つ。あっけらかんとした性格で、いつでも元気がフル稼働かどうだよ✭〉


 ノグリ ♂ セリフ数:12

〈怪盗団の副リーダー。相手の思考を読み取る能力を持つ。物静かな性格で真面目。アジトでの食事は彼が作ってるよ✭〉


 メア✭リューグ ♂ セリフ数:16

〈怪盗団のメンバー。光の速さで動ける能力を持つ。テキトーな性格で、ノグリにはテンションがうざいってよく言われるよ✭〉


 リーシャ ♀ セリフ数:38

〈怪盗団に囚われたお姫様。透明になれる能力を持つ。お城に居てもつまんなさそうだったからさらってきちゃったよ✭〉


[あらすじ]《9分程度》

 ここは世にも恐ろしい怪盗団のアジト。コンクリの壁と質素しっそな家具に囲まれた、冷房もさして効いてない部屋の中で。誘拐ゆうかいされたはずのリーシャ姫は拘束も何もなく、パイプ椅子いすにちょこんと座っていました――。








【リーシャ】

 ……あのぉ、


【シセン】

 あ? あに? ってか食べないの? お腹空いてるでしょ?


【リーシャ】

 いえ、あの…そうではなく…


【シセン】

 あ、嫌いなもんでもあった? ちょっとノグリ! 聞いてあげなきゃ駄目じゃん!


【リーシャ】

 あっ、いえ、そうでもなく…!


【シセン】

 ん? じゃあなに


【リーシャ】

 わ、わたくしは誘拐ゆうかい、された…のですよね? 貴方がたに…。


【シセン】

 うん、そうだね。


【メア✭リューグ】

 ボクちんが✭怪盗団のリーダー✭シセンにお願いされて✭プリンセスを✭さらってきたんだなぁ✭


【シセン】

 それがどうかした?


【リーシャ】

(困惑して)

 …え、…いえ、その…、えぇぇ……。


【ノグリ】

 こいつらをアンタの常識で当てめるな、おかしくなるぞ。


【リーシャ】

 …いえ、あの……ですが……、何の拘束も無しとは…その、逃げるとは考えないのですか…?


【シセン】

 うん、考えないよ。だってそんなの不可能だもん。


【リーシャ】

 そ、それは…わたくしが姫だからとあなどっておられるのですか…!


【シセン】

 ううん、全然。


【リーシャ】

 へ…。


【シセン】

 そもそもね、メアが居る時点で逃げ出そうってのが無理な話じゃん? 光みたいに速いんだよ、この子。

 いんや、その前に。逃げ出そうって思考はウチのノグリに読み取られるから無理も無理よ。無理寄りの無理。


【リーシャ】

 むよ…?


【シセン】

 とにかく、無理なもんは無理。だから諦めてそれ食べちゃいな。


【リーシャ】

(納得のいかない声色こわいろで)

 ………、はい。


【メア✭リューグ】

 それより✭リーダー✭次はどうする✭アビィの城は✭何だかパッとしない感じ✭だったよ✭

 リーダーの✭審美眼しんびがんを疑う訳じゃ✭ないけどさ✭あんまり面白くないのは✭ボクちん嫌だよぉ✭


【シセン】

 んん〜、でもなぁ…あの城、何っかあるんだよねぇ。城全体が価値のある色をしてたもん。


【ノグリ】

 お前のその言葉を信じて、先日はひどい目にったがな。


【シセン】

 それはごめんって言ったじゃーん! でも今回は大丈夫! 裏は取れてんだって!


【ノグリ】

 どうだか。


【メア✭リューグ】

 おや✭その顔は信じてないなぁ✭ま✭ボクちんも同意見かな✭リーダー✭あまりにテキトーが過ぎると✭ボクちんみたいに✭なっちゃうぞぉ✭


【シセン】

 うわ、何それ嫌すぎる。


【メア✭リューグ】

 あっは✭正直過ぎて泣くぞぉ✭


【リーシャ】

 あ、あのぉ……


【シセン】

 あ? 今度は何? ってかまだ食べてないの? ちゃちゃっと食べちゃいなよ!


【リーシャ】

 いえ、あの……こちらはどうしょくせばよろしいのでしょうか…。


【シセン】

 おっと。そうか、アンタ姫だったね。


【メア✭リューグ】

 プリンセス✭プリンセス✭見て見て✭


 がぁぶり✭


【リーシャ】

 ま、まぁ…! 何と、はしたない…!


【メア✭リューグ】

 はしたなくて結構✭無礼も✭無作法ぶさほうも✭無礼講ぶれいこうも✭この怪盗団には✭存在自体無いのさぁ✭

 ハンバーガーってのは✭こう食べるのが✭マナーってもんだねぇ✭


【リーシャ】

 で、ですが…わたくしはエメント王が三女、リーシャ・ウ・ラグ・エメントですわ! そのようなしょくかた…お姉様方に何と言われてしまうか…!


【ノグリ】

 お姫さん。


【リーシャ】

 は、はい…。


【ノグリ】

 ここはアンタの城じゃない。王国でもない。どこか国の、どこかの村の、どこかにある怪盗団のアジトだ。


【リーシャ】

 でっ、ですが…!


【シセン】

 あーもー! ほら、姫! 口開ける!


【リーシャ】

 えっ、えっ、っは、はい…!


【シセン】

 小さい! もっと大きく!!


【リーシャ】

 え、あ、はい! むぎゅッ……!


【シセン】

 はい! そのまま食べる!!


【リーシャ】

 ん、…ぐ、ん…!


【ノグリ】

 ハンバーガーをいきなり口に突っ込む奴があるか。


【シセン】

 ウジウジ言ってるより食った方が早いんだもん。


【メア✭リューグ】

 何かアレだねぇ✭ちょっぴり卑猥ひわいに感じ✭うわ✭ウソウソ✭ウッソ✭ぴょ〜〜ん✭


【リーシャ】

 ん、んん…んぐ。…もう、いきなり酷いですわ…。


【シセン】

 でも美味いっしょ?


【リーシャ】

 ・・・はい、とても。


【シセン】

 なら良〜〜し! なら、はい! ノグリのご飯は温かいうちに食べるのが一番美味いんだから。


 …んで、アビィの城の話だけどさ。宝物庫だとか、王の間だとかそういう次元じゃない光り方だったんだよ。城全体とか超怪しくない!?


【ノグリ】

 …お前の目は価値を見るよりも、危険を見るべきだったな。


【メア✭リューグ】

 リーダー✭城が光る原因を調べたいなら✭探偵でもやといなよぉ✭ボクちんらは✭怪盗団だよぉ✭価値があって✭盗める物じゃないと✭意味が無いんじゃなぁい✭


【シセン】

 何、どういう意味?


【メア✭リューグ】

 さっきから✭城全体✭って言ってるからさぁ✭流石さすがのボクちんらでも✭城をまるまる✭盗むのは無理だよぉ✭


【シセン】

 ああ、そういう事…。ま、出来るならそうしたいけど、現実的に無理だしね。城の外壁がいへきの一部を取って来て。話はそれから。


【ノグリ】

 随分簡単に言うな。裏が取れてると言っていたが、何か秘策ひさくでもあるのか。


【シセン】

 秘策ってか、あの城、警備が居ないの。


【メア✭リューグ】

 わお✭マジで✭✭


【シセン】

 ミミズクに調べてもらったから間違いないよ。なんでも、王妃サマが『発狂はっきょうびょう』にかかって、身内以外にわめき散らすようになったから、王妃サマの目の届く位置に人を配備はいび出来なくなったんだって。


【ノグリ】

 情報が回ってこないのは箝口令かんこうれいでもいているからか。


【シセン】

 かもね。王族の『発狂病』の罹患りかんなんて聞いた事も無いし。発覚したらどえらい騒ぎになるのは間違いないからね。


【メア✭リューグ】

 まあ✭王族が平民を見下す時に✭『発狂病の根源こんげん』なんてこぼすくらいだしねぇ✭そんな病に自分達も罹るかもなんて✭想像したくもないだろうなぁ✭


【シセン】

 という訳でメア! 頼んだ!


【メア✭リューグ】

 ・・・✭

 うん✭まあ✭知ってたけどさぁ✭


【シセン】

 何、文句あんの?


【メア✭リューグ】

 はいはい✭無いですよぉだ✭


【リーシャ】

 あの…、


【シセン】

 何、姫。まだ何か…って、ちゃんと完食してんじゃん! えらいえらい! 何かっ…だいぶ、汚してるけど…まあ、初めてだししゃーなしだね!


【リーシャ】

 お食事まで頂いてしまって…その、何かお礼を…。


【シセン】

 姫、アンタ馬鹿だね。ウチらはアンタの事誘拐してんだよ? 誘拐犯に向かってお礼とか…、頭大丈夫そ?


【リーシャ】

 あ、貴女あなたがそれを言いますか…。


【シセン】

 ってか姫。アンタこれからどうする?


【リーシャ】

 へっ!?


【シセン】

 ウチらと一緒に来る? それともお城戻る?


【メア✭リューグ】

 えっ✭プリンセス✭お城戻っちゃうの✭やめときなよぉ✭お城つまんないんでしょぉ✭つまんない顔してたしさぁ✭


【リーシャ】

 いえ、あの…わたくしは…、


【ノグリ】

 …アンタは表向き、王の三女に名をつらねているが、実際は侍女の子だろう。そのせいで王妃とその娘である姉達から酷い差別を受けている。…違うか?


【リーシャ】

 わた、…っわたくし、は……


【シセン】

 ちょっと二人ともうるさい! 姫の意見が聞けないでしょーが! 姫、この二人は無視して。アンタの! 意見を聞かせて。


【リーシャ】

 わっ、わたくしは…! わた、……わたくし、は………、…………、


 わたくしの事は、きっと誰も探しに来ませんわ。


【シセン】

 うん、だろうね。超楽ちんだったってメアが言ってたし。


【リーシャ】

 わたくしの事を、見てくれる人も居ません…


 母の記憶も、…父の…、王との記憶も然程さほどありませんわ…。


【シセン】

 うんうん。


【リーシャ】

 お姉様方も…いつも、……いつも、わたくしを笑いますわ…。お姉様方の侍女も、同じ、で…


【シセン】

 うんうん。


【リーシャ】

 わ、…たくしは…っ、


【シセン】

 うん。


【リーシャ】

 …、わたくしは、幸せに、なりたいです。


【シセン】

 うんうん。…じゃあ、どうする?


【リーシャ】

 わたくしを、この怪盗団に入れてくださいまし!


【シセン】

 良〜〜し、キタ! じゃ、早速歓迎会だ! ノグリ! 料理! もっと!


【ノグリ】

 まだ食べるつもりか、シセン。


【シセン】

 アンタの料理が美味いのが悪い! 早く!


【ノグリ】

 はいはい…。


【メア✭リューグ】

 良かったね✭プリンセス✭

 ボクちんは✭ミミズクと✭ヒズラを✭呼んでこようかなぁ✭新メンバーご紹介ってねぇ✭


【リーシャ】

 他にもお仲間がいらっしゃるのですか…?


【メア✭リューグ】

 そりゃもっちろ〜ん✭んじゃ✭行ってくるねぇ✭

 あ✭プリンセス✭


【リーシャ】

 は、はい…!


【メア✭リューグ】

 これからも✭よろしくねぇ✭


【リーシャ】

 はっ、はい!


【シセン】

 姫! じゃねぇや、リーシャ! 嫌いなものは!? アレルギーとかある!?


【リーシャ】

 えっ、いえっ、あの、はいっ!? いいえ!? んっ!?


【シセン】

 あーもー、どっち!? こっち来て教えてくれる!?


【リーシャ】

 …ふふ、はいっ!

















STORY END.

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