特務課に配属が決定したと…
え~~っとですね。
ソフィア様、シャイナ様、マゼラン様…ですが、ヘンリエッタ様が、御三人をいたくお気に入りになられたようで、
その結果?
鶴の一声で、特務部…つまり、うちの職員となりました。
「その程度の権力ならね、私にだってあるのよね、うふふふ…」
笑顔がちょこっと怖い、ヘンリエッタ様です。
そして?御三人ですが、まずは一週間の休暇と、出向の準備期間です。
激務の後の長旅でしたからね。
まずはゆっくりと…そう、ここの温泉なんかオススメですよ。
取り敢えず一旦、身体を休めて頂いた方が宜しいかと。
なにより…ご家族とも久しぶりのご対面でしょうからね。ご実家でゆっくりされるのも良いと思いますよ。
なにより、大出世ですよ?だって、ヘンリエッタ様の引き抜きですからね。
もう大威張りしたって、そんなの当たり前ですよ。
うちの国の…ヘンリエッタ様のうえには、
もう王様しか居ないのですからね。
天上人の引き抜きですから。どこにだってもう、ひたすら自慢しか無いですよ。
ええ、そうです。そうなのです。
だから、ソフィア様?私をご実家に連れていこうとしないで下さいませ…
行きませんから、こう見えて、私にだってお仕事が有るのですよ。
諦めて、さっさとお帰り下さいませ。
ですが、職場に見知った顔が増えるのは大歓迎です。
気心もしれた仲ですしね。
アーラントでの…当初のあの、地獄の様な日々を、一緒に闘い、乗り越えてきた同志です。
本当に心強いですね。
馬車で帰って行く、ヘンリエッタ様と御三人を見送りつつ、
私も我が家へ帰ります。
私は徒歩です。お家、すぐ裏手なんで。
ついでに?お散歩ですよ。星が綺麗なのでね。
町中だと、ほぼ絶対の安全が保証されていますからね。なにより守備隊に騎士団、
だーれも気づいてませんが、実は白組の方もいらっしゃるのですからね。
のんびりと歩きながら帰るのも、割と好きだったりするのです。
屋台も…有りますからね。
ええ、お腹はいっぱいですが…
いっぱいなのですが…
…つい。
ええ解っています。それが危険極まりない罠だと…
ですが…
素通りなど、出来ましょうか?無理です、無理ですよね?
取り敢えず…今日は控えめなモノを…
うわあ…たい焼きが見えちゃったのだ…
一個…一個なら大丈夫。一個なら…
「ヘイッいらっしゃい!!」
ダメだ…五つも…
つい、五つも買ってしまう…こんな自分が許せない。
許せないけど…よくやった。褒めてあげましょう私。大義でした。
出来たてを一つ、食べながら帰って来ました。美味しいですね。デザートは別腹ですね。
いっぱい…ちょこっと歩いたので、きっと問題無いですね。
ちゃんとカロリーを消費したはずです。
まあ…今日までです。今日まではセーフですね。
明日からは、心を入れ替えて頑張って行きたいと思ってはいます…
じゃあ、この残りのたい焼き…
やはり今日中に、ちゃんと処理した方が良いのかしら?
そうね。明日からは頑張っていかないとだし…
ハッ…いけない!
危うく、こんな夜分に、たい焼きを平らげるトコだった…
恐ろしいわ…たい焼きの魔力に、意識が根こそぎもっていかれてました。
アレは明日の朝食と、夜のデザートですね。
ええ分かっています。もう見ないようにしなきゃ…
ダメだ…匂いが…
グヌヌ…頑張って私。
負けないで、誘惑なんかに負けちゃダメだ…
ダメだけど…
ダメだった…
恐ろしい…たい焼きって、恐ろしいヤツだった。
まあ…明日から。
明日から頑張れば良いのよ。
そうよ。明日から。明日から本気出すわ。
そう、明日よ。




