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鍛冶屋の再興

 うちの王様の命により、某所に一箇所に集められたアーラントの鍛冶師達…


 うちからの全面支援を受け、鍛冶師業を再開すると云う流れなのですが…


 まずはその腕がみたいという王様の言葉に従い、実際に作業をさせてみる…つまりは実技試験テストだと…


 そしてその試験官に選ばれたのが、シャダ商会の武器製造部門のトップにして、我が王直属の職人、ドワーフのイサク師ですね。



 王様は今回、新たに、武器のブランド化、細分化…?

 …良く解りませんが、とにかく貴族相手のめっちゃ高級なブランドに加え、

 お手頃価格でそこそこ高性能って感じの、

 新たなる価値観を持った製品の製造販売を検討している様です。


 王様の転移前の世界では、衣服でそう言ったブランドが有ったらしく…そこを参考に、


 ファストウエポン(仮)…と、呼ぶ予定だと…


 そもそもシャダ商会の武器って、相当高いかわりに、とにかく評判が良いのですが…


 高い=やはり購入層は少ない、と…言わざるを得ないと。


 なので?

 そこそこを狙っていくのだと。

 


 剣士や傭兵なら、いつかはシャダの武器を持ちたい…それが強い憧れや、何か合言葉みたいになってる様ですからね。


 最高級の剣とかなり近いデザインで、ちょっと素材が劣る剣…


 早い話?見栄も張れて、そこそこ使えて、ちゃんと元が取れる程度にはもってくれる耐久性…


 良く言えば高コスパ、厳しい言い方なら、中途半端…

 その絶妙なラインを攻めたいのだと…


 まあ…私達女性には、王様の言う、男のロマン…は、ちょっと理解に苦しみますが、


 ただ、上から下まで隙間なく、あらゆる価格帯に商品を散りばめるって考えは、良い考えだと思います。



 勿論、本人の希望が、あくまでも地元であるのなら、無理矢理こちらへ来てもらうなんて事はしません。


 ですが、アーラント国内での作業だと、まずは材料の輸入から始めないといけませんし、

 その時間と費用が、商品に上乗せせざるを得ない訳で…

 そうなると、王様の考えるファストウエポンの場合、その条件的に厳しいと。


 ファストウエポン店舗は、勿論アーラントにも置きますが、あくまでも輸入や運搬、その他諸々の条件をクリアさせる為、複数の地域…基本的には、商会連合のそれぞれの拠点に、工房を置くと、

 商品の均一化、出来の良し悪しの平均化を行う為に、今回選ばれた職人さんがローテーションを組んで、それぞれの地で、交代や共同で作業を行う予定で…

 あ、そうそう、次世代の人の育成も当然兼ねてまして、職人の手間賃を若い職人の安い手間賃に置き換えれば、商品代金に反映されますし。


 で…、時には高級武器も造って頂きます。しかも、うちの王様って神族のトップとお友達なので、ヒヒイロカネとか、ミスリルなんかが、割と簡単に入手出来てしまいますから…


 まあ、色々言いましたが、そうなると地元でって、そんなコダワリはちょっと…って事になります。


 

 さて…テストはある武器屋の鍛冶場で行われる様で、王様、私、そしてイサク師がそこへ向かって移動しますが…

 王様とイサク師って、ほんとに仲が良いんですね。ずっと喋ってるし、ずっと笑ってますよ。


 

 「いやあ、また変な事考えたな?」

 『フッフッフ、これはきっと、かなりデカい波を起こすぞ?』

 「まあ…神様が言うなら、きっとそうなるんだろうな…」


 『まあ…俺は出来る男だからな…』

 「だがなんかする度に、とばっちり食うのは、いつもワシだけどな?」 

 『は?…とばっちりだと?』


 「思い返せば…ワシ…結構な回数、随分酷い目にあったぞ?」

 『イサクよ…君さあ…もう終わった昔の話をだな…』

 「いやいや主よ、被害者ってのは、いつまで経っても忘れられんモンだぞ?」

 『ええ?ひ、被害者って?』


 王様?盛り上がっているところを恐縮ですが、会場、ココですよ?

 『お、おう…』


 

 中では既に準備が出来て居ますね。

 そして、テストを受ける鍛冶師四人が待機してますね。




 ん?…どうしましたイサク師?


 「おい…お前…まさか…サゴイーか?」

 「へ?…あ、あんた…い、イサクか?」


 え?お知り合いでしたか?

 「ああ…同郷だ…随分昔に、一緒に奴隷に売られた、幼馴染じゃよ…」

 「ああ…もう数十…いや、百年以上ぶりか?…」


 ど、奴隷?…ですか?

 『そうじゃ…身内がみんな死んで、残ったのは幼子が三人だけだったからな…』

 「そう…だが、さすがに売られるとまでは思わんかったがの…」

 「あーっハッハッハ…」「ほんとに…そうじゃのお、ホッホッホッ…」


 『ほお…じゃ、コイツはそこそこ期待出来そうだな?』

 「まあ…だが、取り敢えずは、試験は試験だ…取り敢えず、最短時間で短剣だな…」


 そして、簡単な…とは言っても、その腕を見せつけて頂ける作を…

 皆様同じ材料で、短剣を一振り、お願い致します。

 只今より、期限は夕刻まで、それでは、お願いします。


 『じゃあ、イサクは監督頼むな?』

 「いや…主は?」

 『え?…』

 「いや…アンタが居なきゃ駄目でしょ?」

 『え?…ちょっと腹減ったし…』

 

「え?」

 『ええ!!?』


 あ、あの王様?私が何か買って参りますゆえ、どうかこちらに…

 『え?…あ、ああ…じゃあ、頼もうかな…』


 

 『ふーーー、イサクと二人っきりか…』

 「は?…アンタ何で、そんなに嫌そうなんじゃ?」

 『え?…だってイサクったら、話長いし…ビビりだし…』

 「ビビりは関係無いじゃろ、ビビりわっ!!」


 ま、まあ…ええけど…

 「良くないっ、ビビりじゃ無いし…ワシ、ビビりじゃ無いし!!」

 『いや…ビビりだろうが、なかろううが、あんま興味ないわ…』

 「興味ないってなんじゃっ、興味ないって?」


 …


 ……


 そんなこんなで?買い出しですが…


 今、猛烈に困ってます…

 

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