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最終話 究極の魔法! マジカルアリーサよ永遠に!

「マーデル……! 宣言しましょう……あなたはチリ一つ残さず、完全に消滅させると!」


「オホホホホ! 完全魔法耐性を持つ私を倒せる訳がありませんわ!」


 マーデルが邪悪な牙を剥きだしにした。


「僕に任せてください!」


 リオは剣を抜き、マーデルへと距離を詰めて行く。

 しかし、剣を大きく振りかぶった瞬間、リオの動きは止まってしまった。


「ぐ……!」


「ホホホホ! やはり甘い! ただの甘っちょろいガキですわね!」


 マーデルの姿は、元の人間の姿に戻っていた。

 リオはマーデルに蹴り飛ばされて、私の傍に倒れてしまった。


「リオの優しさを利用するなんて……何て外道!」


「オホホホホホ! 今すぐ地獄に送ってやる!」


 再びモンスターとなったマーデルの右手に、邪悪な黒い魔力の渦が集中していく。


「まずいぞアリーサ! どうすんだ!」


「仕方ないですわね……私が何とか倒しましょう!」


 だが、リオは私を制すように立ち上がった。


「アリーサさん。……僕にやらせてください」


「リオ……無理しなくていいですわ」


「僕は……決めたんです。アリーサさんの助けになれるような強い剣士になるって!」


「リオ……!」


「よしいい覚悟だ! 行けリオ! マーデルの弱点は脳天だ!」


「わかりました!」


 マーデルは再び人間の姿に戻った。


「オホホホホ! そんな甘っちょろいガキに私を倒せる訳がありませんわ!」


 放たれる黒い魔弾の雨を潜り抜け、リオはマーデルへと駆けて行く。

 そして、一気に飛び上がり、


「マーデル! ――お前は僕が倒す! ハアアアア!」


 マーデルの脳天を、リオの剣が貫いた。


「グハアアアアアアアアアアアアア!!」


 マーデルはモンスターの姿になり、血反吐を吐いて倒れた。


「強くなりましたね……リオ! 止めは私に任せておきなさい! ――最小魔連撃!」


「グッ! ガッ! ゴッ! やめっ! ギャ!」


 マーデルはハチの巣のように穴ボコになりながら空に舞い上がっていく。


「やめ……落ち着きなさいアリーサ! 完全魔法耐性を持つ私に……魔法は無駄なはずでしょう……?」


「お黙りなさい! 細かい事はいいんです!」


 そして、辛うじて残った奴の心臓と顔面に向けて、最大の魔力を込めた拳を振りかぶる。


「死になさああああああああい!! ――最大魔衝撃マキシマムインパクト!」


「ギャアアアアアアアアアアアアアアア!」


 爆音と共に閃光が迸った。

 大きく抉られた大地には、チリすら残っていなかった。


「天地の神々に成り代わり、悪鬼外道はチリも残さずお掃除ですわ!」


 私は発生した衝撃波でミニスカートを揺らしながら、可憐にポーズを決めた。


「すごいですアリーサさん!」


「おーぱちぱちぱちー」


 ふと、手を叩くベア太が光り輝いているのに気付いた。


「どうしたのですかベア太……」


 ベア太はリオの胸に抱えられ、力なく横たわっていた。


「……実は俺、本当は別の世界の人間なんだ。……役目を終えたから、もう帰らないと」


「そんな! 嫌ですわ! あなたがいなかったら、私は魔法少女ではなくなってしまいます!」


「大丈夫だ。俺が居なくても、アリーサは魔法少女だベア」


「ベア太……」


「ただ一つだけ気がかりな事がある……この世界にはまだ魔王が……」


「もしかして魔王ってこれですの?」


 私は大きな角がついた生首をベア太へと突き出した。


「ゲッ! いつの間に倒した?」


「さっきマーデルを倒した後なんか出て来たので、倒しておいただけですわ――魔衝撃マジカルインパクト!」


 私は魔法で魔王の首を握りつぶして消滅させると、ベア太に微笑みかけた。


「……全く……流石だぜマジカルアリーサ……! おっと、もう時間が残り少ないようだな」


 ベア太を纏う輝きは、より一層強くなっていた。


「……ベア太さん!」


「リオも……強くなったな。アリーサも、本当にありがとう。お前らはやっぱり、俺の最高の推しキャラだベア……!」


「ベア太――!」


 ベア太は光の粒子になって舞い散るように消えてしまった。


---


 それから、国王から褒章を受け取って無魔力ノンテスへの不当な弾圧を止めさせたり、ピザータ王子に土下座させたりと色々あった後、私は王宮を離れる事にした。


 そして、リオと二人で行商する日々を送っていた。


「アリーサさん! 次のラニ村ではドラゴンが人々を困らせているそうですよ!」


「何ですって! 魔法少女として、チリ一つ残す訳には行きませんわ!」


 世のため人の為、そして愛するリオの為……魔法少女としての私の旅は、これからも続いていく事だろう。




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