↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
美しき雌豹のアサシン  作者: ピンクサターン
10/22

莉央の彼氏

莉央は

うん、実はお付き合いしているよ

莉央はうん、実はお付き合いしているよ

「――えっ」

幸雄の手から、サラダを取り分けようとしていたトングが、カチャリと音を立てて皿に落ちた。

驚愕に目を見開く父親の横で、恵美は肉を咀嚼する手を止め、その切れ長の目を艶っぽく細めた。

「あら。莉央、実はお付き合いしている人がいるの?」

「うん、実はお付き合いしているよ。……同級生の、男の子」

莉央は照れる風でもなく、サバンナでジャーマンスープレックスを宣言した時と同じ、凛とした、しかしどこか少女らしい響きを残した声で淡々と告げた。

その言葉の持つ意味の重さに、食卓の空気が一瞬で張り詰める。

義務教育を卒業した今、莉央が「お付き合いしている」と言ったその雄豹の子は、すでに『サバンナの食材(放流対象)』になっているか、あるいは『莉央の婚約者として生存を許されるか』の瀬戸際にいるということだ。

「……莉央、その子は、どんな子なんだい?」

幸雄が声を震わせながら尋ねる。自分と同じ、捕食者の気まぐれと愛の狭間で命を繋ぐことになる、かもしれない少年の影をそこに重ねていた。

「すごく足が速くて、優しい子。学校の隙間時間、私が格闘技の特訓をしてるのを、いつも隣で応援してくれてたの。私が卒業したらお母さんみたいに狩りに出るって言ったら、『じゃあ、僕が最初の獲物にしてよ』って笑うような、ちょっとバカな子なんだけど……」

莉央はそこで少しだけ視線を落とし、自分の爪を見つめた。

「でも、あの子をジャーマンで叩き落としたくない。あの子の肉じゃなくて、あの子が作るご飯を食べたいって思っちゃったの。お母さんが、お父さんを選んだみたいに」

その言葉を聞いた瞬間、恵美は声を上げて豪快に笑った。

「あっははは! いいじゃない、莉央! さすが私の娘だわ。胃袋を満たすためだけの男なんてサバンナにいくらでも転がっているけれど、心を奪われる男なんて、一生に一人出会えるかどうかよ」

恵美は笑みを収めると、熟練のハンターの、そして母親の真剣な目で莉央を見つめ直した。

「だったら、ぐずぐずしていられないわね。義務教育は終わったのよ。早くその子をこの『巣』に連れてきなさい。私がその雄を、莉央の生涯の伴侶(ペット)として生かしておく価値があるかどうか――この肉体(うで)で、しっかり見定めてあげるわ」

莉央にも、幸雄と同じ道を歩ませたい特別な男の子がいたのですね!

物語の次の展開として、どのようなストーリーが見たいですか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。