また会うその時まで:4-7
翌日。
この日は立ち込めていた雲が消え、澄み渡るような青空が広がっていた。
太陽のまぶしい光で、雪が解け、きらきらと輝いている。
町長によると、これほどのすがすがしい晴天は何十年ぶりとのこと。
聖女さまが来てくださったおかげだ、と人々は歓喜に沸いていた。
昼間は聖女を称える祭りが催され、絶えず陽気な音楽が奏でられていた。
町は色鮮やかな装飾が施され、踊り子たちが踊っていた。
町の住人たちも歌ったり踊ったりしていた。
この日はミアとエリオは忙しかった。
聖女の姿を皆に見せるため、護衛を連れて町を練り歩いた。
ミアは金細工の装飾品と絹のベールという神秘的な衣装に身を包んでいたが、着心地はあまりよくないようすだった。
「聖女さま!」
「聖女さま! フラワーヴェールに花を咲かせてください!」
「うんっ。わたしにまかせてっ」
人々はミアに手を振る。
ミアも笑顔で手を振り返していた。
夕方になるとごちそうが人々に振舞われた。
ミアとエリオもおなかいっぱいになるまでごちそうを食べた。
酒もすすめられたが、さすがにそれは二人とも遠慮した。
そして深夜。
これまでの陽気な雰囲気とは打って変わり、夜の闇にろうそくの明かりが灯る町は、雪の降る音まで聞こえそうなほど静かで厳かな雰囲気に包まれていた。
ついにこの時が訪れた。
ミアとエリオは神官たちに連れられて町を歩く。
道端の人々は祈るようにひざまずき、目を閉じて両手を握り合わせている。
神官の後ろについて歩くミアの顔は、魂が抜け落ちたかのように無表情だった。
金細工と絹のベールを身にまとったそんな彼女は、どこか神聖で、エリオは畏怖を感じ、彼女が人間ではなくなったような気がした。
「ミアさま」
「……なに?」
ミアが視線をエリオに向けて微笑む。
大人びた笑みだった。
本人も雰囲気に呑まれて無意識のうちに演じているのだろう――人々が望む聖女を。
クリスタルが安置されている神殿に到着した。
この中で儀式が行われる。
儀式はあらかじめ何度か練習が行われた。
手順はおぼえている。
ところがミアは思いもよらぬことを言った。
「ここから先はわたしとエリオだけで行くね」
「えっ?」
皆はそろって声を出した。
動揺する町長と神官たち。
「し、しかし、聖女さま……」
「お願い」
顔を見合わせる町長たち。
エリオも困惑していた。
どうして彼女はいきなりそんなことを言いだしたのだろう。
「わかりました」
話し合いの末、町長たちはミアの願いを受け入れた。
神殿の扉が開かれる。
「いこっ、エリオ」
ミアがエリオの手を引いた。




