7.もう一人の幼馴染
俺には、地味子のほかにもう一人の幼馴染がいる。
西原真冬だ。地味子と違って、いつも笑顔でかわいくて明るくてそれになんと言っても優しい。それを言うと、橋本と月原には可哀想なものを見る目で見られた。
アイツらに言わせると、よくない意味で一部の男子人気、女子からは嫌われているらしい。ウソだろ。あんなにいい子なのに。自分たちよりかわいくて、胸が大きいからって、嫉妬してるだけじゃねえの。みる目がないな。
朝から、西原に会うといい気分で得した気持ちになる。といっても、ほとんど一緒に登校することが多いけどな。次に、教室に入るとリーシャに挨拶する。朝から美少女二人を見るなんて、眼福だな。男どもから嫉妬のこもった殺気を向けられるが、これだけは譲れない。そんな幸運を朝から噛み締めている時に、気分を台無しにさせるかの如く、地味子と橋本と月原の会話が耳に入った。
「朝から気持ち悪いですね。あのだらしない顔」
おい、地味子。人の顔見て嫌悪しながら、気持ち悪い言うな!
「西原真冬の胸を見てニヤついてるぜ。やっぱり、女は胸の大きさだって言いたいんだな」
月原、別に胸だけを見てるんじゃねえよ!それに、そんなこと一言も言ってない。
「二人とも、止めてあげて下さい。あの顔はもとからですよ」
そんでもって、橋本。フォローしてるつもりだろうが、止めを刺しに来てるぞ。
「それにしてもあの胸の大きさは異常です。豊胸手術でもしてるんでしょうか?」
「エロゲでいう、奇乳だしな。豊胸手術っても、あの大きさまで大きくできないだろ」
「さすがに、あそこまで大きいと気持ち悪いですね」
お前ら三人、なに普通に胸の話題を話してるんだ。周りの奴らがドン引きしてるぞ。周りにいる一部の男どもは、なぜか西原の胸が奇乳というのに頷くことで同意している。それを見た女子の蔑んだ視線に気づかないのか。それにしても、西原の胸が奇乳だと同意する男どもは西原に失礼だと思わないっておかしいだろ。西原、そんな悲しい目で見ないでくれ!俺はそんなこと一度も思ったことはないぞ。西原の方に行こうとしても、俺に対する周りの視線が怖くて行くことができない。あとで、そんなことはないと西原に言いに行かないとな。ふと、リーシャの方を見ると俺を責めているような目をした。クソッ。周りを気にせず、西原のフォローをすればよかった。
休み時間に西原に謝りに行くと、許してくれた。地味子と違って、西原は優しいな。
翌日、家を出ると珍しく西原がいない。いつも、家を出ると会うのにおかしいな。気になって、西原家のインターホンを鳴らす。おばさんが出てきて、西原が先に言ってくれたことを教えてくれた。西原は今日、日直の日でなかったはず。昨日のことを許してくれたと思ったんだが、やっぱり怒っていたんだろうか?
通学路の途中の公園の方を見ると、リーシャと西原と地味子がいる。言い争っている感じに見えたんだが、西原の方を見ると西原が俺に気づいて笑顔でこっちに来た。公園にいるリーシャの様子が気になったんだが、西原が俺の腕に腕を絡めて来て笑顔で早く学校に早く行こうとたしてきて、行くしかなかった。西原は終始ご機嫌で、彼女の笑顔を見ているとさっき見たことは意識から追いやってしまった。西原が気にしてないんだし、大したことじゃないんだろうな。
学校に着いて、あとからリーシャが来たんだが落ち込んでいた。どうしたんだろう?
リーシャに声をかけ損ねていたら、朝のHRが始まった。朝のHRを終えて、リーシャの様子を気にした都築先生が声をかけようとしたんだが、下の方を見て顔を引き攣らせてリーシャに声をかけるのを止めていた。教卓の方を見ると、見覚えのあるマントがはみ出ていた。ネコが、都築先生を威嚇したのか。
教卓からはみ出たマントを俺は周りに気づかれないか気にしていると、隣の席の女の子に声をかけられた。彼女もあのマントに気づいているようだ。たった今気付いたと言うと、彼女はとても驚いた。昨年から突然出現した、あのハロウィン衣装のネコは有名じゃないかと。なんでもネコは、「理事長が中にいて学校の中を監視している説」「見ると幸運をもたらす説」「あの某有名会社のアイスをあげると、華麗なダンスを見せてくれる説」などなどあるらしい。
学校で何してるんだよ、あのネコ。フリーダムすぎだろ。
帰りはリーシャと帰ろうとしたんだが、西原が強引に教室から俺を連れ出し、西原と帰ることになった。彼女は今日もご機嫌だ。ちょっと、羨ましい。
エロゲ(18禁ゲーム)は、18歳以上になってから注意書きをよくお読みの上してください。