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すぱ☆ろぼ!!  作者: 鴉野 兄貴
外伝。巨大ロボットを持ってしても恋には勝てない

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外伝・戦闘より恐ろしい戦い ~七夕~

 あの死闘から月日は流れ……。

俺はオッサンになっている。うん。

結婚? 交通犯罪者の俺が遺伝子を残すとかありえん。うん。

大空おおぞらか。久しぶりだな~! あがれよっ?! 」

「う、うん……」


 久しぶりに会う大地小父にいちゃんの長男、大空は大分でかくなってきた。可愛い盛りだ。

 おれもこういう時があった……ん? バツ当番でトイレ掃除して、ホースで水の掛け合いばかりしてた気がするが……気のせいだ。ああ。

「どうよ? 最近?」

 なぜか、大空は最近俺に抱きついたりしなくなってる。

 前は姉貴あすかと俺の奪い合いをしていたのだが。

「……あのさ……ううん。なんでもない」

「さては。恋? ははっ! 男の子は早いなっ?! 」


「ううん……違う」

「……朝日兄ちゃんをものすごく恨んで、叱る夢を見るんだ」


  その瞳、見覚えがあった。あれは。あれは……。この瞳は。

「……お願い。『お姉ちゃん』を幸せにして」

 そういって、大空は頭を下げた。俺は彼に何も言えなかった。


 ……。

 ……。

「おおぞらくんも来ればよかったのに」


  大地小父にいちゃんと沙玖夜さくやさんの長女、明日香あすか

 もうすぐ受験らしい。早いもんだな。

「知ってる? 15歳になると、結婚できるのよ? 」あはは。今は18からな。

 そういうと、明日香は「む~。じゃ、卒業まで待ってあげる」とか言う。あはは。

「明日香ならいい旦那さんが見つかるよ。でも、若いうちに、真面目で面白みのない、家に金を入れるヤツに嫁げよ?」

 チャラは面白いが、結婚すると苦労するしな。

「え? じゃ、朝日にいちゃんと結婚するっ! 」あはは。


「いや……」


  そういって星を眺める。

 あの闘いが夢のように感じる。思えば俺もオッサンになったな。

 誰の所為だか世界は平和。人類は星の海に旅立とうとしている。

「おれ、罪を償うから、結婚はしない」「……」

 明日香は黙っている。そうして俺の服を握った。


 子供の頃の憧れと、恋は無関係だ。明日香は遅いだけだ。

 きっと判ることだし。あえて言わない。でも、結婚式では泣くかも。


 泣くといえば大地小父にいちゃんだ。

 明日香が結婚するとかいったら相手の男は酷い目に遭うだろう。ご愁傷様だ。

 小父にいちゃんと沙玖夜さんは相変わらず容姿に変貌がないのはどういうことだ。化け物に違いない。

「星。綺麗だね」「ああ」

「あっ! 朝日。流れ星ッ!」「おっ?!」

 音もなく流れる束の間の輝き。かの光のもととなった星くずは幾年この時を待っていたのか。

「またっ?!」その輝きもまた一瞬。

「明日香の願いが叶うように」一瞬ゆえに輝いてほしい。

 おし、言えた。


 俺をじっと見る明日香。

 最近どんどん綺麗になっていく。聞けば中学でもモテまくってるそうだ。

「私も。願ったの」「ん?」明日香は微笑んだ。

「朝日の罪は赦されています」って。


 ……。


「それ、願いじゃない」

「うん。でも、本当」


「来年も星が出たら、一緒に七夕みようよ」明日香が誘うが。

「来年は彼氏といけよ」「いないも~ん! 」作れよ。まったく。


「じゃ、来年は大空も一緒だ」

「ついてくるなって言ったもんっ! 」俺は真相を知った。

 語るに落ちたな。明日香。


 大空……俺はお前に同情する。

 俺の小遣いをふんだんに使って屋台の食い物をパクつく明日香を見ながら俺は。

「太るぞ」ビクッ! と明日香は俺を見る。

「す、スタイルいいもんっ?!」ほう?

「み、御厨さんがそういってくれたもん!」懐かしい名前だなぁ。

 福田は出世したし、御厨夫妻には最近会っていない。

 明日香と知らない間にメル友になったそうで、時々御厨夫妻の子供の写真を見せてもらえる。

 そうそう。我らTHBF隊は解散……したって。言っておく。


 PPPPP! PPPP!!!!!!!


「明日香、わりぃ。……行ってくる」


 俺がそういうと、明日香は「織姫さまみたいに、……何年でも待ってる」と呟いた。小さく。

 俺はその一言に何もかえさず、小さく手を振って彼女に背を向けた。


 ……。

 ……。

「ヤマタノオロチシステム。リンク確認」

「データチェック。完了」

「システム。オールグリーン」

「THBF『トーフ』出撃! 」


 今宵の仕事は、雨模様の空を晴れにする。そんなイージーオペレーション。

 ちょっと行って織姫様彦星様の出会いを邪魔する雲を壊してくるわっ?!

 あ、それから待たせはしねぇから、先に寝てろ。明日香。

 たぶん。


 俺は気象制御弾を天に向かって放った。

 ぱぁと。明るい。明るい光が夜空を包んだ。

大地が復活してるのに、朝日が復活しないわけがない。

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