外伝 ロボットアニメなんてつまらない
ロボットアニメなんてつまらない。
熱血なんて暑苦しいだけ。人類の英知を振り絞って戦うなんてなんか嫌。
だけど。私の大事な人は。「スーパーロボット」に乗っています。
ロボットアニメなんてつまらない。
宇宙人とか怪獣とか。どこかの国の人とロボットで殺しあったり殴りあったり。
他にすることないの? せっかくすごいロボットがあるのに。
私の知っているロボットは歩くことすら満足に出来ない。
走ったりジャンプすると中のこんぴゅーたが壊れちゃう。
これが正義とか、これが悪だとか。そんなの私には知ったことないよ。
そういって争いあう人がいるほうが、どんなにかがくが発達しても人が争って殺しあってるほうが私は嫌。
だって死ぬのって痛いじゃん。
転生するトラックとかで轢かれて異世界で幸せになる。
そんなの私は絶対嫌。
だから『断った』
神様が何でも願いを叶えてあげるから勇者になれっていってきたから私は答えた。
「家族にありがとうと伝えてほしい」「家族が私が死んで困ることがないようにしてほしい」「このまま眠らせて」
そういったときの神様の顔ったらなかったわ! 最高でしょ?!
でも、その神様は私の家族を殺した。
「お前が死んで困らないようにした」だって。ふざけないで。
神様にさえ裏切られて泣いている私に。
優しい魔王様が「私の子供になりなさい」って言ってくれた。
だから、私は、彼女の娘になった。
彼女は優しくて強くて素敵。その旦那さんもすごくカッコいい。
そういうと魔王様は「アレは私のだからダメ」と真剣に私を叱った。
自称一万二千と二一歳の癖に(今は)赤ん坊の私より子供っぽいのはどうかと思う。
話は戻る。私はロボットアニメは嫌いだ。
それはまぁ、アンパンマンは今のお父さんがDVDかけてくれるから好きになっちゃったけどね。どうも好みは転生後の身体に引きずられちゃうっぽい。不本意だけど何度もみちゃう。
話を戻す。
殺し合いも嫌いだ。殺されるのも嫌いだ。殺したいとも思わない。
自分を轢いた人だって殺したいと思わない。
私が大好きな人は「すーぱーろぼっと」に乗っている。
莫迦莫迦しいけど。本当の話だ。
でも。ただのすーぱーろぼっとじゃないの。
放射能を防いで、私たちの暮らしを護ってくれる。
災害や事故が起きたら、真っ先に向かって誰かの命を護ってくれる。
かつて命を奪った贖罪だと信じて、どんな危険にも立ち向かう私の大事な人が乗るロボット。
前世の私を轢き殺し、その罪に潰されそうになりながらも立ち向かう勇気を持つあの憎くて憎くてたまらない人が乗るロボット。
特殊放射能防御服。愛称、THBF。
見た目はカッコいいとは思わない。正直言ってちょっと不細工だ。
もうちょっと可愛くしてくれたってバチはあたらないと思う。
中に誰が入っているのか、私と今のお母さんとお父さん以外は誰も知らない。
北に放射能災害があれば真っ先に立ち向かい。除染をタダでやって帰っていく。
南に毒の水が出れば、綺麗な水にして帰っていく。
西に火災があれば、消防の人と一緒に立ち向かう。
東で火山が噴火すれば、役所の人たちと避難誘導してくれる。
空も飛べない。合体もしない。
走るどころか歩くことすらおぼつかない。
戦えないし、戦わない。悪い宇宙人も怪獣もいないし、周りの国とは戦争なんてここ70年はしていない。
だけど。命を護ってくれる。
私たちの暮らしを護ってくれる。
ニッコリ笑って、何事もなかったように私の元にかえってきてくれる。
正義の味方じゃない。むしろ人殺しだ。
だからこそ命の大切さを知っている。
そんな、素敵な。大事な大事な憎い人があのロボットには乗っている。
だから私は。あの「すーぱーろぼっと」が大好きだ。
あさひにいちゃんが乗っているあのロボットが大好きだ。
だから信じている。
絶対。絶対。THBFは私たちを護ってくれると。
あさひおにいちゃんは絶対、私の元に返ってくる。
ゆびきり。げんまん。
うそついたら はりせんぼん のます。
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