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PLAY AND BACK  作者: 塩見ヒモン


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18/18

メッセージ

僕はまだ地面にうつ伏せになったまま、頭を上げる勇気が出せずにいた。さっき見たあの恐ろしい姿のせいで、身体はまだ完全に強張っている。あいつらが本当にいなくなったのか、それとも僕が油断するのをどこかで待っているだけなのか、それすら分からなかった。


息を止め、耳を澄ませてみる。何も聞こえない。物音一つない。


しばらくそのまま待った。それでも足音も、話し声も、何一つ聞こえてこなかった。風すら止んでいるのか、木の葉が擦れる音さえ聞こえない。まだ怖い。だが少しずつ、誰も近づいてきていないという確信が僕の中に広がっていった。


頬に押しつけた地面はひんやりと冷たく、湿った土の匂いが鼻の奥にまとわりついていた。その冷たさだけが、今の僕にとって唯一確かなものだった。


その安心感が、逆に堪えていたものを崩した。目の奥から涙が溢れ出し、僕はうつ伏せのまま声を殺して泣き始めた。頭を上げる気にはどうしてもなれず、ただそこに留まっていたかった。


「ふ……う……」


泣き声を抑えようとするほど、涙は止まらなくなっていく。肩が小さく震え、地面に押しつけた頬が、涙と土埃で湿っていくのが分かった。喉の奥が焼けるように熱く、息を吸うたびに小さくしゃくり上げる音が漏れてしまう。


父さんと母さんのことを思い出す。二人ともここにはいない。僕はひとりぼっちで、自分がどこにいるのかも、どうやって戻ればいいのかも分からなかった。


「父さん……」


声はまだ震えていて、嗚咽の合間から絞り出すようにしか出なかった。


「母さん……」


会いたい。ただ、家に帰りたい。父さんと母さんと一緒に、帰りたかった。


泣き声はしばらく続いたあと、少しずつ落ち着いていった。僕は顔に残った涙を拭い、呼吸を整えようとした。


まだ怖い。身体はまだこわばっていて、指先も微かに震えている。膝を土につけて上体をゆっくりと起こすと、乾いた土がぱらぱらと服の裾からこぼれ落ちた。それでも、さっきよりは頭が少しだけ働くようになっていた。


さっき何があったのかを、順を追って思い出そうとする。恐ろしい姿を見て、それからテレビが落ちてきて、そのあとの記憶がない。まるで頭の中のフィルムが途中で切れてしまったかのように、そこから先だけがぽっかりと抜け落ちていた。次に目を開けたときには、すべてが消えていた。


そのことを考えていたとき、突然物音が聞こえた。僕は思わず身体を固くし、あの恐ろしい姿がまた頭の中に蘇る。


「……何の音?」


自分の声が、驚くほど小さく聞こえた。心臓の音にほとんど掻き消されそうだった。僕は両手を地面についたまま、身体をわずかに起こし、耳だけを音の方向へ向けた。音はまだ続いている。ザザ、ザザ、という規則的でない、それでいてどこか機械的な響きだった。


冷たい汗が首筋を伝い落ちる。動くべきか、このままじっとしているべきか、判断がつかないまま、僕はただ息を潜めていた。だがそこで、僕はあることに気づいた。


さっき、あいつらに囲まれていたときは物音一つなかった。足音も、話し声も、何もかも静まり返っていた。それなのに、今は音がしている。


ゆっくりと頭を持ち上げ、目を前方へ走らせて音の出どころを探す。そこにあったのは、さっき落ちてきたブラウン管の大きなテレビだった。電源が入っている。


「え……」


いつから点いていたのか分からない。僕はその場に凍りついたまま、ただ画面だけを見つめた。心臓が一段と速く打ち始め、口の中がからからに乾いていく。


じっと見つめると、画面は白と黒の粒が不規則に揺れる砂嵐で埋め尽くされ、スピーカーからは古いテレビが故障したときのような、電波の切れる雑音が漏れていた。粒の揺れ方は不気味なほど滑らかで、まるで生き物の呼吸のように強弱を繰り返している。


僕は地面に伏せたまま動けず、近づく勇気もなかった。指先が土をわずかに掻き、それだけが今の僕にできる精一杯の反応だった。雑音はしばらく続いたあと、不意に画面が真っ白に変わった。


瞬きをする。画面の中央に大きな日本語の文字が浮かび上がり、その下にインドネシア語の訳が添えられていた。


騒ぐな。落ち着いていろ。


僕はその文字を何度も読み返しながら、涙をこぼした。「騒ぐな……落ち着いていろ……?」


理解できない。こんな状況で、どうやって落ち着いていられるというのか。誰がこれを書いたのか、なぜこのテレビがこんな文字を映せるのか。それが余計に、すべてを恐ろしくしていた。


再び画面がノイズで埋め尽くされ、スピーカーから雑音が響く。そしてまた画面が白く変わり、別の文字がさっきのものに取って代わった。


お前の両親を探し、ここから連れ出してやる。


僕はその場で凍りついたようになり、涙が少しずつ止まっていった。


「両親を……探す……?」


言葉が喉の奥で引っかかり、うまく声にならなかった。もう一度、頭の中でその文字を繰り返す。両親を探し、ここから連れ出す。


文字をじっと見つめる。以前どこかで見たことのある日本の書のような形をしていたが、筆致はどこか違っていた。粗く、美しくもなく、優雅でもない。


一画一画の線が妙に太く、震えたように歪んでいる部分もあった。むしろ薄気味悪かった。まるで書いた者が綺麗な字を書こうとしたのではなく、ただ一文字一文字をはっきりと読ませようとしただけのように見えた。


僕はまだ画面を見つめたまま、目の前にあるその物を恐れていた。理由もなく上から落ちてきたそれが、今度は勝手に点き、まるで僕が何を探しているのか分かっているかのような言葉を映している。


信じていいのか分からない。罠かもしれない。あのテレビの向こうに何かがいるのかもしれない。指先はまだ小さく震えていて、その震えが恐怖のせいなのか、それとも別の何かのせいなのか、自分でも判断がつかなかった。答えなど、僕には分かるはずもなかった。


だが、その文字の中の一部分だけが、どうしても目を離せなかった。


両親。


テレビは父さんと母さんを見つける手助けをすると言っていた。帰りたい。二人に会いたい。その気持ちが、まだ光り続ける画面へと僕を少しずつ引き寄せていった。


手がゆっくりと持ち上がる。震えながら、自分でもよく分からないまま画面に向かって伸びていく。腕を伸ばすたび、肘の内側がぞくりと粟立つのを感じたが、それでも手は止まらなかった。


指先が画面まであと十センチ、五センチと近づいていく。僕の息は自然と浅くなり、瞬きすら惜しいほど、その一文字一文字から目を離せなくなっていた。そしてガラスの表面まであと数センチというところで、手はぴたりと止まった。


その瞬間、画面が一度だけ瞬いた。まるで、その向こうにいる何かが、僕がここまで近づいたことに気づいたかのように。


お前の両親を探し、ここから連れ出してやる。


文字はまだそこに映ったまま、変わらずに佇んでいた。だが今度は、ただ文字を読んでいるだけではなく、何かに見つめ返されているような気がしてならなかった。

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