表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
男の子なのになぜか聖女と呼ばれてます...  作者: レーヴェ
7章 英雄?そして始まる戦争
90/94

78 50階層 後半

ルナリアside

「「やぁ!」」

 ルナリアは、ドッペルとジリ貧な試合をしていた。


 凄まじい速度のレイピアでのやりとり、隙をできては攻撃し、避けられるといった戦いが続いていた。


 ルナリアは、自然と分かっていたのだろう、例えかすり傷でさせ当たってしまえばそこから芽生える氷の種。

 そんなものを受けてしまえば、負けてしまうのは決定的であることも。


(このまま持久戦になる方が、危険かもですね)

 先に大きく動いたのは、ルナリアの方だった。


 一旦距離を取り、少しの間考える隙を作っていく。

 もちろん、ドッペルは、そんな隙を作らせないと近距離戦に持ち込もうとするが少し反応が遅かった。


 ドッペルは、追いついたルナリアに対しレイピアを突き刺そうとするがルナリアももちろん振り返りそのレイピアに対応する。


 だが、ルナリアの持っていたレイピアは、ドッペルのレイピアを逸らした瞬間に砕け散る。


「まさか」

 そのままルナリアは、ドッペルの一瞬を突きもう片方に持っていた本物のレイピアで攻撃をいれる。


 先程砕けたは、氷魔法で作ったレイピアだったのだ。

 わざと簡単に砕けるようにし、一瞬の隙を生み出すためのブラフにしたのだ。


(武には、技と力、魔法には、知恵と想像、では、戦いには、何が必要とされる?)

 これはレオンに魔法を教えてもらっている時に聞かれた質問だった。


 一問一答の解答では、ないが、レオンが言ったことは至極簡単ものだった。

(()()())


「これが今の私の全力です!」

 レイピアは、光だしまるで氷のように透き通った刀身となりドッペルを突き刺した。


 立て続けに4連続の突きをドッペルに決め、そこからドッペルにまとわりつくように氷の蔓が伸びていく。


氷の雫(グラス・ロゼ)

 最後に腹の部分に突き刺すと、ドッペルの全身は一瞬で凍りつき、粉々に崩れていった。


「はぁ、はぁ」

 ルナリアは、手は冷たく凍えていた。

 ドッペルの攻撃は、手には当たっていたらしく、そこが凍傷になっていた。


「これで帰れるのかな?」

 ルナリアは、出てきた魔法陣に入り目を開けるといつもの見知ったメンバーが座っていた。


「次は、ルナリアか」

「ルナ、お疲れさん」

 マリーは、ルナリアにポーションを渡す。


「ルナ、私より遅かった」

「ぐっ、痛いとこをつきますね」

「ナイスガッツ」

 ミュウは、ルナリアの手を見てからそういい、少しでも回復するようにと回復魔法をかける。


「気休めにしかならないけど、一応...」

「あ、ありがとう」

 ルナリアは、思わず笑ってしまう。

 ミュウとルナリア、2人は良きライバルであることは変わらなかった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

シルヴィside


「まさか自分と戦う、羽目になるとはのぅ」

「それは、こっちのセリフじゃ」

 互いの拳がぶつかり合い、力を押しの一撃が空間に響く。


(これは、とりあえず主と合流するか)

 シルヴィは、レオンに合流しようと召喚魔法を使うが使った瞬間、何かが割れるような音と共に魔法が発動しなかった。


「無駄じゃ。この空間は、移動系の魔法は一切使えない」

「厄介じゃな。これが試練というわけじゃな」

「そうじゃ。無粋な真似はさせない」

「全く厄介なドッペルじゃな。じゃが、妾は...」

 シルヴィは、ドッペルを超える速さで拳を振るっていく。


「元々、あっち(神界)で経験済みじゃ!!」

 シルヴィは、ドッペルを軽々と吹き飛ばす。


「チッ!!」

 ドッペルは、シルヴィの追撃の攻撃を和らげるために鱗を出すがシルヴィは、そんなことは気にせず、その腕に触れ発勁を打ち込んでいく。

「うっ!!」

 鱗など関係なく、その痛いみがドッペルに響いていく。


「悪いが、妾は、早いとこ主と合流したいからのぅ。本気で行かしてもらう」

 シルヴィは、ドッペルの追撃を止めることなく続けていく。


「妾は、あやつと未来を見たいからのぅ。世界変えるほどの未来を...」

 シルヴィは、神界での出来事を思い出す。

 武神とのいつもの稽古、そんな休憩時間に見せてもらった未来、人間でありながらあらゆる神に注目される人物をシルヴィは、以前から見ていたのだ。

 人間でありながら神と言われる人物は、確かにいたが、自ら神になろうと努力し、そんなものを只の踏み台としか思っていない人物は、珍しいとしかいいようがない。

 そんな、彼にいつしか惹かれていたことは、確かだった。

 召喚され、滅茶苦茶なことするそんな主の隣に立つことが面白く感じていたのだった。


「やはり、中々やるのぅ」

 ドッペルも流石にやられっぱなしとはいかず、反撃をしてくる。


「流石、妾じゃな」

「当然じゃ」

「だが、いくら真似たと言えど、妾の覚悟までは、真似れまい」

 シルヴィは、攻撃を受けるも止まることなく拳を振るう。


「滅茶苦茶だ...」

「それは、主に似てきてしまったじゃな」

「全く、妾もその主という者に興味が湧いてくるじゃないか...」

「貴様如きじゃ、主に会う資格すらないわ」

 最後は、互いの拳をぶつけ合い、ドッペルは、消えてしまった。


「ふぅ、さっさと主に会いにいくか♪」

 シルヴィは、少しふらつきながらも魔法陣に入っていく。


「次は、シルヴィか...」

「ん?主は、まだなのか?」

「まだ...]

 ミュウが少し心配そうに答えた。


「まぁ、大丈夫じゃろ。なんせ、妾の主じゃしな。その内出てくるか」

 シルヴィは、そのまま座り込んだ。

(さっさと、クリアしてこい主、みんなお主が知るよりも成長しているようじゃぞ)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「はぁ、はぁ」

 ドッペルとの闘い、持久力では圧倒的に負け、自身の守ることで精いっぱいだった。


「もう、限界か?」

「そんな訳ないだろ」

 ドッペルは、レオンの剣技をすべて受け流していく。


「なるほどね。技まで真似るドッペル、そこから全て受け流し方を知っているのか...」

「お前は俺だ。お前の記憶で作られた魔物だ。それくらい知っていてもおかしくないだろ」

「面倒だな。自分は...」

「そうだな。このままじゃお前は死ぬだけだぞ」

「うっ!!」

 ドッペルは、刀を受け流しカウンターとしてレオンの胸部に一撃を与えた。


「疲れ切って終わりのようだな。もうお前は立てない。ここで諦めて楽になれ」

「そんなこと許される訳ないだろ」

「それは名も覚えていない少女のためか?」

「さぁね。だけどあいつの痛みはこんなものじゃない」

 刀を杖代わりにしてレオンは、起き上がる。


「そうかそれは残念だ」

 ドッペルは、そのままレオンの右腕を切り落とす。


「あぁ!!」

 レオンは、思わず右腕を押さえる。


 血がどんどんと流れていく、身体が寒くなってくる。

(俺はこんなところで死んでしまうのか?)

 そんな事ばかりが脳裏によぎる。

『待ってるから、ずっとその時が来ることを』

 あの子と記憶、まるで走馬灯のように流れてくる。

(そうだったな。こんなところで終わらないな)

 レオンに戦意が再び灯る。


「がっかりしたよ俺、お前はここで終わりのようだ」

 ドッペルは、そのまま首に向け刀を振り下ろしたが...


「分身...」

「悪いね。まだ、終われないんだよな」

「これは、桜...」

 腕を切られた後、そのまま千本桜を出し自分の分身を作り出した。


「さて、第二ラウンドと行こうか...」

「その体で何をするきだ?」

「お前は俺なんだろ。それくらいわかるだろうが」

 レオンは、刀を三又槍に変えそのままドッペルの右腕に突き刺す。


「ポセイドン...」

「水伝・八岐大蛇(やまたのおろち)

 八連撃の突き攻撃、三又槍の力も借りそのまま水の勢いでドッペルを押し流していく。


 ドッペルは、銃を取り出し水を全て吸収していく。


「はぁ!!」

 ドッペルも武器を三又槍変え、先程の吸収したものを放つ。


「我向かうは修羅の道、止まることは許されず、戦意が消えまで戦う武神也、毘沙門天(びしゃもんてん)

 同じく三又槍でありながらも先ほどのものと違い、その槍には電気が流れていた。


 ドッペルの放った魔力は、毘沙門天により散開させられてしまった。

 そしてそのまま濡れているドッペルに雷を当て痺れさせた。


「そして、その隙をついて腕を戻したか、だが...」

「この右腕は、使えない」

 レオンは、そのまま神具を刀に変える。


「右腕を使わない刀に変えたか」

 刀は、基本的に右腕を使わない。

 右手の役割は、ただ添えるだけだが、刀同士のやりとりの重要な点である間合いを伸ばす役割が右腕にあるのだ。

「月読」

 レオンは、すかさず魔眼を使いながらドッペルに攻撃していく。


「先読み能力か、だけどこちらも同じ能力に...」

 ドッペルは、同じように先読みでツクヨミの能力を使った。


「悪いがこれでお終いだ。我、全てを切る死神なり、時間の神(クロノス)・アダマス」

 ドッペルは、思わず防御に回るがその刀ごと鎌で体を切り裂いた。


「万物を切り裂く鎌か...先読みを利用しての攻撃」

 ドッペルが見た未来は、ツクヨミで攻撃される姿だがそれはその瞬間の未来、武器の形、性能が違ってしまえばドッペルは、すぐさま武器を変更できない。


「槍を使った攻撃は、戦力の分析だったわけか、全く大したやつだな」

「自分に言われるなんてな。まぁこの勝負は俺の勝ちだな」

 そのまま魔方陣が現れると最初の空間に戻ってきた。


「遅いぞレオン...」

「当然だろ、自分が相手なんだからな」

 一番最後は、レオンだったらしく全員ボロボロになりながらも元居た位置に戻ってきた。


「お疲れ」

 ミュウは、そういって苦いマナポーションを渡してくる。


「うっ、これは辛いな...」

「飲む、魔力ないことはわかる」

 ミュウに強引にマナポーションを口に入れられ飲まされる。


「おぼぼぼ、ちょ、ちょっと待って。本当に苦いから...」

 右腕がまだまともに動かないので抵抗できずそのまま押しこまれる。


「そっちは怪我なかったのか?」

「少し折れている」

「矢を受けてしまって」

「魔力不足」

「凍傷に...」

「はぁ、とりあえずまとめて回復魔法するね」

 全員の回復を済ませたあと、次の階に行くための扉に目を向ける。


「これが次の扉...」

「前は、討伐したら開いたんだけどな」

「扉に何か刺さっているぞ...」

 扉の下の方に何かが刺さっていた。


「なるほど。これがこの階層から進めぬ理由か...」

「これが何か分かるのか?」

「これは、恐らく呪いの武器じゃな」

「呪いの武器...」

 レオンは、再びその武器を眺める。


 よく見ればそれは、銃の形をしており、トリガーのようなものが見えていた。


「主...」

「とりあえず、試してみるか...」

「危ないと思ったらすぐ離すんじゃぞ」

「わかってるよ」

 シルヴィは、心配そうに話してくる。


「さて...」

 レオンは、トリガーに指をいれた瞬間、体中に文字が現れる。


「主!!それから離すんじゃ!!」

「これは何なんだ?」

「呪詛...呪いを文字として刻み、体中に巡らせそのまま命を蝕むものじゃ」

「だ、大丈夫だ...」

 体中が呪詛で蝕まれているにも関わらず、レオンは、平然と話しだす。


「はぁ!!」

 レオンは、そのまま銃を抜き出す。

 そのまま呪詛は、そのまま目まで巡り目の周りが黒くなっていく。

 そんな姿を見ていると全員レオンのことを心配しだす。


「呪詛如きで、止まらない。この魂、覚悟も思いも既に決めたことだ。今更引き返すことなんてできない!!」

 蝕まれていた呪詛が次々と消えていく。


「はぁ、はぁ」

 酷く疲れたようにレオンの息が荒くなっていた。


「主!!」

「はぁ、少し休めばマシになるだろ。一旦戻るか...」

 戻ろうとした瞬間、レオンに頭痛が襲ってくる。


「頭が、割れそうに...」

「レオンくん!?」

「これは、記憶...前の持ち主のものか...」

 そういうと再び頭をレオンは抑える。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ここが最後の籠城戦かな。全く、魔王扱いされるとはな」

 酷くボロボロの男の姿、これが誰なのかレオンは、検討がついていた。


 勇者でありながら魔王となった者、日記に残され人物であることは確かだった。


「この武器は...すっかり呪われてしまってるか...仕方ない」

 恐らくそれは、50階層であろう扉、そこのはめ込むようにその銃を入れ込んだ。


「この世界の神、いや、神自体を憎む私と同じ魔王たる者がこれを取るかもしれないな」

 扉を作るとその男は、奥へ奥へと進んでいく。


 この先に答えへがあるのか...


「この先へ進もうとする者よ。この記憶を見、最奥100階層に来い。そこにお前の望むものがあるだろう」

 望むもの?


「この世界の真実を知り、ダンジョンの最奥を目指せ」

 その言葉を聞き記憶は、途切れる。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「主!?」

「さてと、どうやらこの奥に進む必要があるみたいだな」

「何か見たの?」

「この世界の真実かな?」

「なんだそれ」

「まぁ、辿り着いたら分かるよ」

「それもそうか,,,」

「さて、さっさと帰って宴だな」

「そうだな!!」

 帰還するためのカードを使いギルドへと戻っていく。



「なぁ、レオンそれなんなんだ?」

「これか?銃であるのは分かるけど...デザートイーグルかな?」

「でざーとなんだって?」

「まぁ、遠距離攻撃が強力な弓に近いものかな」

 リアムの質問に懇切丁寧に答える。


「それって弓より強いの?」

「音が大きく、反動もでかいからな。弓の方が使いやすいかな」

「そう、よかった...」

 何故かマリーは、ホッとしていた。


「まぁ、使えないことはないけどな」

「え?」

「大丈夫だ。変わりなんていないからな」

「あ、ありがと」

 マリーの頭を撫でていると三人から横やりが入る。


「「「ブーブー」」」

「はいはい、後で撫でてやるからさ」

 ダンジョンから出たあといつもの騒がしい日常に戻っていったのだった。


友達の編集の手伝いで送れました。

すみません


Twitter ID @Loewe0126


投稿日など報告しています。

DMで好きなキャラなど言ってくれたらそれを閑話で書こうかと思っています。

質問箱も用意しますので気軽に絡んでくれて結構です。

よかったら、ブクマ、感想をお願いします。


自分は、主に編集担当ですがよかったら見て行ってください!!

https://www.youtube.com/channel/UCtbQRu6U-Xzja3gq3BECegg


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ