37 魔法の訓練
前回の振り返り
魔法の訓練の開始
二人に魔力を流した
「「はぁ、はぁ」」
二人とも魔力を全身に巡らされぐったりとしていた。
「二人とも早く起きて、次、中庭に行くよ」
そんなことを御構い無しにレオンは二人に呼びかける。
二人はそのまま起き上がり中庭まで少しふらつきながらレオンの後ろについて行った。
「さて、次はそうだな。こんな風に魔力を一箇所に集めてくれ」
レオンは両手の中に魔力の塊を作って見せた。
「それくらいならできる」
ミュウはそういうとレオンと同じように魔力の塊を作って見せた。
「えぇ、凄いミュウちゃん、私も、んん~」
ルナリアもミュウと同じように魔力を作ろうとするがルナリアには一向に魔力が集まる様子はなかった。
「あれ?上手く集まりません」
「やっぱりか」
レオンにはルナリアが魔力の集まらない理由に心当たりがあった。
「ルナリアの前にミュウ、君に一つ課題だよ。さっきの魔力の集まりをより濃くしてみて。そうだな、一つお手本だ」
レオンは同じようにして魔力の塊を作って見せたが先ほどは明らかに違うのは魔力の濃度、それを作った瞬間息苦しさを感じるほどだった。
「ミュウに一つ忠告だが、これを作る際、暴走するかもしれないから慎重にね。もし加減を間違えてしまったら、今日のミュウの訓練は強制終了だな」
「ん、慎重にやる」
ミュウはレオンにそう言い、訓練に取り掛かった。
「さて、ルナリア少しいいか?」
「はい」
レオンは、ルナリアが魔力を集まらない理由の説明をした。
「と、いうことだ。治療はできるがやるか?」
「はい、是非お願いします」
ルナリアの悩みが一気に解決できると聴きルナリアは即決した。
「少しだけ目を閉じて、少し痛みを感じるかもしれないけど我慢して」
ルナリアは、レオンの言われた通り目を閉じ、レオンはルナリアの目に手を当て魔力を流す。
レオンは、魔力を上手く循環させるよう目の方に多く込められてる魔力を流しているのだ。
ルナリアが上手く魔力を使えない理由、それは魔眼のせいだった。
魔眼は魔力を消費し、その能力を使うことができる。
ルナリアは、無意識に魔力が魔眼の方へ多く流れている為、上手く魔力を使えなかったのだ。
レオンは、二人に魔力を流し、ミュウとルナリアの違いを確かめ、ルナリアが目の方に魔力が多く流れている事が分かった。
「うぅ」
「もう少しだから我慢してくれ」
「は、はい」
魔力の流れを変える、レオンはゆっくり魔力を流しながらやっているが少しでも加減を間違えると激痛が走り、魔法自体使えなくなってしまうという可能性もあるのだ。
「よし、終わったぞ」
レオン視点でのルナリアの目は両方同じ色になっていた。
予想通り、魔眼を発動している状態はどうやら目の色が変わっていたらしい。
「本当に、聞こえなくなった」
ルナリアはレオンの方を見て言った。
「多分だけど、目の方に魔力を込めるとまた魔眼が使えるようになると思うぞ。その前に手に魔力を込める練習しないとな」
「うん、やってみるよ」
ルナリアはそのまま手に魔力を集めるがそれはレオンが例としてみせた濃密な魔力の塊だった。
「あれ?」
「ルナリア、ちょっと魔力を抑えて」
いきなりなことに二人とも戸惑いを見せ、レオンに言われた通りルナリアは魔力を抑えると普通の魔力の塊に戻った。
「はぁ~、焦った」
「なんで、普通に魔力を込めただけなのに」
「多分だが、目の方に大量に魔力が込められていたから、その魔力を手の方に流したせいであんなことになったんだろう」
「まぁ、ともかくルナリアは魔力の調整の練習をしないとな」
「はい!」
そんな話をしているとレオンの肩をトントンと叩かれた。
「できた」
レオンは振り返るとそこには濃密な魔力を作ったミュウがいた。
どうやら、二人は相当な天才だったらしい。
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