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男の子なのになぜか聖女と呼ばれてます...  作者: レーヴェ
4.学園入学
39/94

35 リアムの覚悟

 レオンへのドッキリが失敗に終わり、レオンは自分の部屋に戻ろうとしたがリアムに引き留められた。


「なぁ、レオンお願いだ。剣を教えてくれ」

 いつもとは少し印象が違ったリアムが言った。


 レオンは咄嗟にジギルに教えてもらった方が良いといいかけたがリアムの目を見て思いとどまった。


「わかった、一度だけ教える。だから、この一度で身につけて」

「おう」

 レオンとリアムの二人はそのまま庭の方へ歩いていく。


 そんなやり取りを見ていた者たちも皆、興味に惹かれ庭の方へ歩いていった。



「父さん、木の剣二本出してくれる?」

「あぁ」

 ジギルはレオンに言われるままマジックバックから木の剣を取り出しリアムとレオンに渡した。


「父さん、これ刀にしてもいい?」

「あぁ、構わない。好きに使ってくれ」

 レオンは自分が持っていた木の剣を魔法を使い無理やり削り刀の形へと変えた。


「さっ、やろうか」

「おう」

 リアムのやる気満々だった。


「好きなタイミングでかかって来い!」

 レオンが挑発するとリアムはそのまま飛び込んできた。


「はっぁぁぁぁ」

 直線の分かりやすい攻撃はあっさりを流されそのままレオンにカウンターを喰らい飛ばされる。


「そんな、見え見えの攻撃当たるはずがないだろ…」

「まだだ、はぁぁ」

 リアムはすぐに起き上がり先ほどと同じように剣を振りかざそうとするが今度はそれをフェイントとし、レオンの足をけり体制を崩そうとしたがレオンはそれに気づきすぐに後ろに下がった。


 リアムはそのまま連続に剣を振るがレオンは木刀で全て受け流して行く。


「はぁ、はぁ」

 リアムは連続攻撃のしすぎですでに息があがってきた。


「なぁ、リアムお前は何のためにその剣を握るの?」

「何のために…」

 リアムはその言葉に戸惑った。


「何の覚悟もない奴がその剣を握る資格はない」

 レオンは木刀をリアムの胴に当て吹き飛んでいく。


 決定的な一撃、リアムはその一撃を受けても立ち上がるが足がおぼつかない。


「まだだ」

 リアムは剣を振りかざすがその剣すらレオンの木刀によりあっさりと折れた。


「もう一度聞くよ。君は何のためにその剣を握るの?」

「俺は…守るためにその剣を振るう‼」

 折れた木の剣でレオンの木刀を咄嗟に受け止めた。


 リアムの中で思い浮かべたのは前で魔物と戦う父親の姿だった。

 傷つきながら必死で守ってくれた父親の姿を…


 リアムの中に詠唱が浮かびリアムはその詠唱を唱えた。

「我が剣は友を守る盾とならん、盾となる剣(シルト・スパーダ)

 リアムの手には鉄の剣が握られていた。


「重い…」

「当たり前だそれは鉄の剣だぞ。今の腕力だけでまともに振れるわけないだろ」

 レオンは刀を地面に突き刺し、リアムの背後に回った。


「少し持つためのコツを教えるからしっかり感じてね」

 レオンはそのままリアムに魔力を注いだ。


「お?急に軽くなった」

「お前の力を上げている。今の感覚だけをよく覚えてね」

「おう!」


「残念だが、僕にできるのはここまでだ。後は父さんに教えて貰ってくれ」

 三日間寝続けていたレオンは久しぶりに動いたせいか、足元がふらふらになっていた。


「お、おい、レオン大丈夫か?」

「うーん、大丈夫じゃ、ないかな…」

 レオンはそのまま倒れそうになるが咄嗟にジギルによって支えられた。


「全く、無理のしすぎだ」

「まぁ、これで準備がしやすいでしょ」

「そうだな。お前も試験まで残り一週間だから体の調子を元に戻しておけよ」

 

 学園への試験まで残り1週間


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