33 丁半
部屋で待っていると料理が運ばれてくる。
なかなかに豪華な料理群にミツヤの視線は集中して……クククッ。
「美味そうだな」
「もう、食おうぜ」
「そうだな、よし、ジュースで乾杯だ」
「これ、甘酒だぜ」
「気が利いてんな」
どぶろくみたいな感じで、実は甘酒か。
あの仲居さんかな? アイディアは。
これならミツヤも気分が出るだろうし、オレも問題無い。
「カンパーイ」
「カンパーイ」
(甘酒で乾杯やなんて、平和やね……まあ、未成年やからしゃあないやろ……けどもうじきお正月やし……そやね、けど、自分からジュースにしてくれやなんて 感心な子ォや……学費を自分で稼ぐとか、なかなかやれへんよね……ああ、えらいもんや)
早めの夕食で時刻はまだ早い。
寝る前の散歩と、2人してブラブラと街を歩く。
「ちょっと寒いな」
「湯冷めしそう? 」
「寝る前にまた入ろうぜ」
「そうだね」
ふらふら歩いていると、それとなく誘導されるミツヤ。
やっぱり、博打が好きなのかな、クククッ。
「どうする、コージ。少しだけならよ」
「旅だからな、少しぐらい」
「決まりやな」
「少しだけでも良いよな」
「かましまへん。うちは良心的やさかいな、100円からでもええで」
「じゃあそれで」
既に気分はゲーセン感覚ってか。
まあ、筋者の割には青っぽいオーラだし、特に問題はあるまい。
「毛返しのつぼってのがあってな、馬の尻尾の毛を使うんだってさ」
「へぇ、そうなのかよ」
「おまはん、変な事、言わんといてくれへんかな」
「ただの雑学だけど、気になる? 」
「うちは真っ当にやってんのや。そんなサマの話、困るさかいな」
「7」
「半だな、よし」
「グニの半」
「当たりだな」
「相変わらず凄ぇ勘だぜ」
「青山勘助、略してアオカン」
「あんさん、それ、止めといたほうがええで」
「くっくっくっ」
「ピンゾロ」
「おし、丁だな」
「ピンゾロの丁」
「あんさん、どないなってんねん」
「山本勘助、略してヤマカン」
「ほんまかいな」
「もうじき予想サイト立ち上げるから、そうなったら会員募集だね」
「お、オレ、その会員になるぜ」
「おう、当てて儲けてリッチになれ」
「おっしゃあ」
「ワイも頼もうかいの」
「名刺とかあるなら、立ち上げたら連絡するよ? 」
「そないね、ほな頼むわ。これや」
「うえっ」
「うほー、すげぇ」
「ただの肩書きや」
「んじゃ、預かります」
「なんぞ困ったら見せたらええ。素人さんのガードやったら問題あらへんでな」
「お願いします」
「心配いらへんさかいな」
「はい、ありがとうございます」
筋者で青っぽいって本当に珍しくないかな。
こいつとなら長い付き合いも可能かも知れん。
「情報料は純利の半分だけど良いかな」
「そらまた多いな」
「欲を出すと連絡が途切れる」
「調べてんのかいな」
「大体分かるよ、それも勘だけど」
「正直に払えばずっとやな」
「そゆこと」
うん、そういう職業にしたほうが良いかも。
直接購入とか、面倒だし。
銀行振り込みにしてもらって、会員に振り込ませるのが楽だな。
会員名簿が赤くなると退会とかさ、クククッ。
なんかやれそうな気になってきたぞ。
【暗示】使えば確実だけど、そこまでの事もあるまい。
赤い奴には偽の予想で終わる話だ、クククッ。
信じるも信じないも、こっちはどうせ予想だ。
真っ赤な会員には、何かしら【転送】してやるのもいいな。
それが死体になるか拳銃になるか、気分次第だな。
コップに入れたニトロ、【転送】後、落下して爆発ってなりそうだな。
手榴弾、ピンを抜いて【転送】、5秒後に爆発ってか。
そういやあったな、大量に。




