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さすらいの魔皇子2   作者: 黒田明人
中3 冬休み
31/119

31 旅路

 


 オレ達は終業式の翌日だが、両親は今日旅立つ。

 そんな2人に小遣い進呈だ。


「父さん、これ」

「お、何だ」

「これでお土産買ってきて、なんてね」

「お前、そんな無駄遣いは」

「貯めて貯めて無理してどうにかなって、預金残してどうするの。オレはオレで稼ぐんだし、自分達の事も考えてよね」

「ああ、済まないな」

「昔ならとっくに元服だろ」

「そうだなぁ」

「さあさあ、お母さんが待ってるよ」

「ああ、行って来るよ」

「行ってらっしゃい、フルムーン」

「ああ、ありがとな」


 無理矢理100万持たせて家の外に出す。

 小遣いぐらいは無いと侘しいだろうからな。

 そいつでたっぷりリフレッシュしてくれば良いさ。

 しかしな、ファンシーショップって、そんなに流行らないのか?

 小さな店ならやれると思ったけど、近くに競合店でもあるんじゃないのかな。


 サイトでよくよく調べてみると、大手のショップが近くにあるじゃねぇか。

 何だよその立地はよ。

 もっとよく考えて店を借りろよな。

 しかもその競合店、親父の元会社じゃねぇのかよ。

 何か義理でもあるのか? そんな近くで店とか。

 まさかとは思うけど、支店扱いされてんじゃないだろうな。

 資本は自前で支店扱いとか、大手に利用されるだけだろ。

 とことん舐められてるんじゃないのかよ、親父。

 これはいかんな、何とかしてみるか。


 大手か……おんやぁ?


 何だこの株の値動きは。

 どうにも仕手の銘柄と連動しているようなんだが、何か関連でもあるのか?

 まあいいや、こいつも餌食にしよう。

 小額だけど連動で買って売り予約と。

 親父の古巣には悪いが、とっとと潰れてくれ。


 後はこれだな。


 今年の年末に最安値、7月に上がって8月に下がり、9月で上がって後は……あれ。

 これ、何かトラブルになるのか? 先が無いような。

 おっかしいな、予測が変わったのか?

 ふむ、まあいいや、こいつに全力投入してやろう。

 もし、赤字でのどうのこうのなら、対策になるかもだしな。

 ゴミになるならそれもまたよし。

 目指せ50パーセントオーバーってか。

 来年の年末で全力買い……TOBスタートで良いか。

 予想では130円前半だけど、ここは140円で募集だな。

 よし、メモしておこう。


 そんなこんなで、その翌日。


 手ぶらで旅行に行くのはどうなんだろうな。

倉庫マジックボックス】ある限り、オレは手ぶらで問題無いと。

 まあ、教えてやっても良いんだけどな。

 例えば、前世の記憶とかさ、クククッ。

 まあこれも転生のようなものだし、嘘じゃないか。


「おーい、ミツヤ」

「お前、荷物はどうしたんだよ」

「オレは手ぶら」

「着替えとかどうするんだよ」

「現地で買う」

「何かそういうも良いな」

「まあいい、行こうぜ」

「ああ」

「ほい、財布」

「お前、これってあの時の」

「実はここにもう1つ」

「どんだけ持ってんだよ」

「まだまだあるぞ」

「お前、かなり儲けてんだな」

「まあまあかな」

「良いよなぁ、オレも儲けたいぜ」

「成人まで待て」

「ならよ、サイトで買うのはどうなんだ」

「あれも成人縛り」

「そうなのかよ」

「そのうち稼げそうなのを紹介してやるさ」

「頼むな」


 さて、おもむろにこの紙袋から……うん、やっぱり美味い串肉。


「お前、何食って……うお、でけぇ」

「1本やる」

「サンキュ……しっかしやけにでかい肉だなこりゃ」

「うん、美味い」

「うお、マジうめぇ」


 ううむ、周囲の奴らの注目を浴びちまうな。

 美味そうに見える? 実際、美味いんだけどな。

 売るとしたらいくらかな。

 1個400円として2000円か。

 まあ別に金とかどうでもいいし、500円でも問題無いか。

 むしろタダで配っても良いぐらいだな。

 どっかの施設に大量に渡すとか、うんうん。

 串肉配給センターってか、クククッ。


 しかしこれ、持ちが良いと言うか何と言うか。

 なんせでかい肉が5つだから、なかなか減らなくて。

 周囲の注目を浴びながら、美味い美味いと夢中で食う2人。



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