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さすらいの魔皇子2   作者: 黒田明人
高1 夏休み
108/119

108 接触

 


 8月上旬は関西観光に費やし、ミツヤと共に夜の観光もやった。


 その時にこれも経験と、かつての古い記憶を呼び覚まし、何とかやってみたものの、特に面白くも無い結果でもういいやと思った。

 ミツヤもどうにも相手の波がウザかったようで、もう懲り懲りと言っていた。

 なので昼の観光を主にやり、そして神戸に流れてみたものの、例のタクシーの運ちゃんのオーラがストライプなのが気になり、接触無しで大阪に移動。

 今ちょうどしがらみを消している時なので、余計なファクターは拙いと思っての事。

 そして大阪の寿司屋にお邪魔してみると、山根さんは今、郊外に家を新築中との事。

 何でも舟で大儲けしてとの事で、せがまれたのでそれなりの穴を予測しておいた。

 まあ、12倍ぐらいだからたくさん買わないときついかもな。


 でもそれで寿司代チャラになったらラッキーと。


 そんなこんなであちこち観光して歩く。

 堀に沿って歩くうちに、水面を歩くスキルが欲しくなり、またしても変なスキルが出来そうな予感。

 風の魔法を応用して、体重計のノウハウを活用して、使用者の体重に応じた反作用的な浮力を対象者に与える感じのスキルに仕上がる。

 出来たら試してみたいが、さすがにここではきつい。

 そのうちまた試そうと魔法フォルダに収めておく。

雨坊ウォーターストライダー】って名前だけど、ネーミングセンスはどうやら治らないようだ。

 ミツヤも何か作りたそうなので、2人して色々考えながら歩く事にして【補助スキルアシスト】を使っておく。


 どうにも観光しているのやら開発をしているのやら分からなくなっていたが、それでも珍しい物を見るとそっちに移動したりと、それなりには観光になっているようでもあった。

 しかし、周囲が妙に暑いので、つい【共用スキルサービス寒冷コールド】で共に涼しく観光となる。

 いやはや、周囲は薄着でも汗をかいて大変そうなのに、オレ達はスーツ姿で平然として、ちょっと変に思われそうなのがなんだかな。


 まあ、気にするな、他人の事など。


 ああ、涼しいってミツヤ、あんまりでかい声で言うなよな。

 周囲の色が軒並み赤っぽくなるじゃねぇか。

 これはあれか、見ているだけで暑そうな格好ってか。


「ちょっと寒くなってきたな、温かい飲み物でも飲まねぇか」

「くっくっくっ」


 サテンで2人して頼むのがまた。


「ホットココア2つ」


 そろそろ止めようかな。

 どうにも室内温度を下げているようで、エアコンの調整いじくっているような。


 《エアコン止めちまったぜ……涼しい中のスキルは派手に効くようだな。よし、止めよう》


切断スキルカット


「ちょっともやっとするな」

「そりゃありゃ冷蔵庫だったしな」

「纏ってないと凍えてたな」

「混合だろ、当然だな」


 しかし、かなり強いスキルだな。

 ううむ、ちょっと試したくなってきたぞ。

 広域化で寒冷魔法を。

 市街全域は無理にしても、ここいら一帯が涼しくなりそうな感じがするぞ。

 皆は喜ぶだろうが、不思議に思われる事になるか。

 でもシナリオ破壊をする為には、そういう色々な不思議をやってやれば良いような気もするが、さてどうするかな。


 てか、その前にもっと弱いスキルを考えないと、強過ぎるのも考え物だな。

 そんな訳で弱めのスキルを開発し、フォルダのスキルのキーコードも調整して完成。


冷温クール


「お、ちょうどいい感じだぜ」

「さすがに冷蔵庫はな」

「エアコン止めたままだから、少しもやっとしてよ、そろそろ苦情が出そうな感じになってるぜ」

「そろそろ出るか」

「逃げるように、くっくっくっ」


 小銭はミツヤが持っているとかで、任せて共に店を出る。

 またしてもぶらぶらと歩きながらの観光は始まり、ちょっと思い付いて【共用スキルサービス日傘サンガード


「あれ、日が翳った? 」

「目には清かに見えねども、頭上にあるのは日除けでござる」

「雨のほうもこうならねぇか」

「そうだな、考えておこう。あ、いかん【切断スキルカット】」

「何かあったのかよ」


地域エリア暗示インプリント調整アジャスト


「いや、オレ達の下に丸い影が2つ」

「それで周囲の奴らが変な顔して」

「頼むから気にするなよな、人の事とか」

「なんか、妙な波が近付いてねぇか」

「まさかこんなところにまで。そうか、関西だから多いのか。逃げるぞ」

「うげ、シナリオかよ」


 2人して色のヤバいほうとは反対に逃げるも、どうにも囲まれそうな予感。

 仕方が無いのでさっき考えて、早急に開発したばかりのスキルを活用する事にした。


 《囲まれるからよ、新スキルで逃げるぞ……うしっ、任せるぜ》


共用スキルサービス水防ウォーターカット雨坊ウォーターストライダー


 ザッバーン……《うえっ、いけるのかよ……来いっ……うっし》ザッバーン……


 《うお、浮いてるぜ……さあ、逃げるぞ……くっくっくっ、これ、面白ぇ》


 堀に飛び込んだ2人はそのまま水上を駆けていく。


 広域で調整をしながらの移動はなかなかに精神にクルが、こういうのも修練になっていい。

 そのまま逃げて逃げて、ちょうど橋の下に差し掛かった頃、ミツヤと共に【転移ワールドアクセス


 《うおっ……やれやれ、関西旅行はヤバいな……ここ、何処だよ……ああ、仕事場だ。オレの株式投機の部屋さ……そんなのがあったんだな……さすがに【転移ワールドアクセス】知らない奴には言えなくてな……じゃあ、転移オンリーかよ……実は入り口のドアは開かないんだ。壁と一体化してあるからよ……やべぇな……》


 まあ、窓から入れば別だがな。


 どうにもシナリオ途中の観光は拙いと言うか、下手にメインとその隣だから余計に拙いと言うか、下手に外をうろつけないように思えて、休みの間は家でゴロゴロする事にしようと思ったが、まだ20日もあるからと残りの期間、シナリオの絡まない場所への旅行に決まる。


 え、何処かって? もちろん、あっちの世界さ。



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