出発
授業が終わって、みんなが教室から出てくる。
シルベーヌの方を見ると鞄を持って急いで出ていこうとするところだった。
「シルベーヌ、いよいよだな。」
シルベーヌは慌てた様子でハッとこっちを見て、
「そうですね。リサとレオを迎えに行きましょう。
ところで私、なんかアルス君と距離が近かったと思うの。だからあなたに敬意を込めて
君付けで呼ぶね。私の事は呼び捨てでもいいのよ。」
唐突にそう言われて戸惑ったが、それもそうだなと思った。
「わかった。それでいいよ。」
お互い笑顔で話した。
Sクラスに迎えに行くと、レオナルドとリサが話していて声をかけるとこちらへ来た。
「問題ないわ。今すぐダンジョンに行きましょう。」
この前、ギルドの登録手続きを済ませた時のように、リサは学校の事務所に行ってさっ
と受付をすると通達がされ、監視隊がこっそり見守っているのでもしもの時は大丈夫との
事。今回は二泊三日以内で5階層までクリアする事。ダンジョンボスは倒さなくていい。
何度も学園まで戻っていいが、5階層のオーブを取ってくること。
準備は整った。校庭に集合する。ここのダンジョンは洞窟型で中にはセーフティエリア
が何階層かごとにあるらしい。
点呼されるごとにグループがダンジョンに入って行く。
そうして、俺たちの番が来た。
「リサ=ダスマルク=ウィングランド大公皇女殿下、4名のグループで出発。」
リーダーの名前が呼ばれ、リサが前へ出る。
拍手が起こり、手を振って洞窟へと入っていく。
ダンジョンに着いて、フロアに出るとすぐスライムと出会った。
こっちのスライムは粘液状で最弱。こういったファンタジーの世界では定番だが、種類が
変わって強くなると魔法も唱えるらしい。
俺たちは身構えると、リサが飛び出し攻撃を仕掛けた。
リサの一撃がスライムの「真核」を捉える。
一撃で倒れたスライム。溶けて消える。
剣を打ち下ろしても体制が崩れない。剣をさっと収める。
一撃で決めて立ち居振る舞いも違う。リサは実はすごいのだと思った。
王家の見張りがいるので、最初はリサに活躍してもらい、後は連携とレベリングだと話
し合って決めていた。
リサも、
「一撃で決める。皆、ごめんなさい。」
と言っていたが、あっという間だった。王女であり、細い体だがしっかりしまっていた。
俺も修行に鍛錬と鍛えていたし、レオナルドは見たまま、シルベーヌも運動神経は悪く
ない。だがダンジョンの中、出会ったことのない魔物と戦うのはしんどい。
顔を見ても緊張と冷静さを保っているようだ。
リサのレベルが上がったようだ。
「力が漲る。」
リサ Lv.8になった。この世界では一般の人でもレベルだけは一目で確認できる。
リサだけレベルが上がったのは、皆訓練してるけど、リサのほうが訓練していたようだ。
リサが3人の中では一番高い。リサが後衛に下がった。
「後は任せろ。」
レオナルドが剣を立てる。
俺が、
「よし、行こう。」
と言うとみんなが向きなおし、前へと進む。
蝙蝠 2匹
が現れた。
前世の世界と比べて大きな黒い蝙蝠だ。
俺は剣を構え、突撃する。鉄の剣は思ったよりも軽く、鋭い斬撃が蝙蝠を真っ二つに
する。俺が剣で1匹を倒すと続けざまに、
もう一匹はリサが指で敵を指すと、“聖光”と唱えて倒す。
聖なる光に蝙蝠が包まれる。
バタッと倒れ消える蝙蝠。
俺が、
「これくらいなら問題ないね。」
と言うと、次々出てくる魔物。
スライム 1体
蝙蝠 1匹
が現れた。
「いや、来ないで。」
シルベーヌが蝙蝠を嫌がっているがレオナルドが、
「あれを切ってみろ。」
とスライムを指す。
蝙蝠は俺がファイアボールで片付けた。
シルベーヌがスライムを切る。
真核を捕らえて一撃で倒すことができた。
「これくらいやれるわよ。」
シルベーヌは少し文句を言っている。
目の前に階段が見えているが、魔物に通路を遮られた。
蝙蝠 2匹
俺が、“風刃破”で一匹倒す。
翼と胴体に分かれる蝙蝠。急所だったらしく一撃で死んだ。
シルベーヌが、杖を振り上げ“聖光”と唱えもう一匹を倒した。
蝙蝠の悲鳴が響く。
若干、魔法の光がリサより強い。
あっという間に倒せたが、レベルがまだ上がらないな。と愚痴が漏れる。
「まあ、次でレベルが上がるだろう。」
レオナルドが声をかける。
珍しくシルベーヌが意気込んでいる。
「いけるわ。頑張りましょう。」
下のフロアはすぐそこだ。
「よし。行こう。」
皆で階段を下りて行った。
今日からダンジョン編に入ります
なんか吹っ切れたのでバンバン書いていきます




