励まし
瞬きをして、話しかけようとした時、肩にコートを掛けられて彼女に驚かされた。
そう思うとこの瞬間になにか変わっていく感じがした。あの日は転生前の別れ際、急に汗
がぶわっと出る、しっかりしてと思い、今の俺はリサの方を向いた。
学校の中だからか緊張感があり、彫刻で彫り立ったような表情をして、なにか泣き出し
そうな顔をした眼差しがこちらを向いていた。
また、前世の記憶がよみがえる。
悠一・・・。
あの日、
「良くないよ。」
そう言った女性がなにかをつかみ取ろうとしていた、それを自分は伝えられなかった。
あの時の後悔は、目の前の女性のなにかを見つけろという事なのか。
ふと、我に返ると、
「リサ、用事は終わった?」
俺は、心配そうな顔をするリサにそう返すと、
「制服が似合ってるね。リサはこの教室だよね。」
そう言って、目の前の教室を指さした。
リサは、こっちを見ていたが、
「はい。アルスは体が一回り大きいからすぐに分かるわね。」
そう言っていたので、俺が答えようとしたら、
「体は皆と同じくらいだな。魔法が特別にうまいところを窓からみてるよ。」
「そうですわ。アルス様が窓際なら、外から見えますもの。私はいつも視界にアルス様が
入っているなら安心できる空間ですわ。」
シルベーヌが入ってきて、
「成績が上がれば、ギルドでパーティー登録をして、魔法で・・・。」
「まだ、淑女なのに神聖魔法が使えると声を上げては、周りの厄介になって出来るという
ことですか。力の差は考えて適切に行わないといけない。」
そこに、レオナルドがやんわりと止めに入った。
「差しでがましいようだが、同じクラス同士だけでなく、S・Aクラスで、能力が均等に
なるように配置したり、能力を生かした班分けを作らないといけない。
ギルド登録は、今はともかく、自分とリーダーの中身と何を施す準備をして、一定程度
動けるところから、何が実施される施策か分からないといけない。」
レオナルドが言うと、リサがそこで言葉を発した。
「まずは、ギルドのパーティーは、シルベーヌとアルスと3人で組みたいのよ。他に入れ
たい人がいるなら別だけど。クラスは分かれちゃったけど、シルベーヌも神聖魔法が使え
るじゃない。強力な力で魔物が祓える、だからあなたは王家であり、私の現身なのよ。
私が神聖魔法を使えるのはステータス調整や聖神力の回復で、私は攻撃魔法はまだ使
えないのよ。
疲れちゃうから、戦闘でなんて無理よ。あなただって知っているでしょう。」
リサの言葉にシルベーヌは、言葉を詰まらせ少女が友に向けた叱咤に目はうるんでいた。
「それは、その通りでございます。憲章を読んでも、我らの家はすぐに攻撃魔法を行える
ように態勢を整えております。」
シルベーヌが返事をして、敬礼をする。二人とも気配りは出来ている。
皆の注目の的で、返しにくい状況だったが、役割やあるべき姿を王族と宰相の家系の違い
でも鮮明に表せた。
周りもそれなら、王女に失礼なく話がまとまったと思ったのだろう。
止まっていた人の流れが進みだした。
それで俺も何か言った方が良いと思い、
「二人がそばにいるから、僕の安全も守ってくれているんだね。クラスの人だけでなく学
園も守れるように強くなろう。ギルドにもそれじゃあ、加盟しようか。
ああ、シルベーヌも制服が似合っているね。」
と言って、周りからため息が漏れていたが気付かなかった俺は、シルベーヌの姿を
見て嘆息を漏らしていた。
きらきらと陽光に光る銀の流線が、彼女の華奢な身体を、ふんわりと包み込み、えんじ
のスカートから出た膝が細い線として彼女に肉感を与え、薄紅の肌が健康的な高麗な美人
を白い肌から連想させた。
だから俺は、
「二人とも私服の姿も素敵だけど、今日の制服姿も違う風に見えて、美人が一層際立って
綺麗だね。」
レオナルドがすかさず、
「お前は、「わかってない。」」
シルベーヌまで一緒になって、俺を攻めなくても・・・。




