第1話
俺は網走陽16歳。勉強も運動もそれなりで、異世界に憧れている高校生である。
そんな俺は今……
「ギィイイイイイイイ!」
「うわぁぁぁぁあああああああああ!!!!!!」
命の危機に直面している。
なんだあれ、生きててあんなでかい蛾なんて見たことねぇよ!?しかもここどこだよ!
そもそも俺は怪物に追われる覚えも、命を狙われる覚えも全くないんだが!?
ドカンっと背後で爆破音がした。振り返ると木々や地面が焼け焦げていた。
『……マジかよ』
ははっ、と引きつった声が出る。直ぐに怪物は第二発をこちらを明らかに狙ってきていた。
『っ……畜生!!』
恐怖で震えてた足にムチを打つようにして走り出す。どんどん背後が焼け野原へと化していく。肺が、喉が、足が悲鳴を上げている。それでも止まることが出来ない。しかし、遂に追い詰められた。俺の足では限界がある上に、もう逃げ場がない
もうすぐ後ろに迫る恐怖に怯えて、唇は真っ青になっていることだろう。
あぁ、もうダメだ……!
そう思って目をぎゅっと瞑る。しかし、聞こえたのは爆発音ではなく……
「おい、君。大丈夫かー」
陽気な声だった。
目をゆっくりと開くとさっきまでいた怪物は散り散りになっていて目の前には目の細い謎の男が立っていた。
「ど、どちら様で?」
「人に名前を聞くならまず自分から名乗ること!そして僕は君のピンチを救った救世主だぜ?お礼の一つや二つくらいいってくれてもいいんじゃないかい?」
ずいっと顔を近づけて言い張ってくる謎の男。
「あ、網走陽です。危険なところを助けて下さってありがとうございます」
「アバシリ?変な名前してるなぁ……君。僕の名前はアルレッド。気軽にアルと呼んでくれていいよ、よろしくアバシリ」
名前そっちじゃないんだよなぁ……まぁ、別にいいか。
「よろしくお願いします」




