表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
37/41

No.07

手直ししました 2017/11/21

「ねえ、あなた」


尊大な甲高い声にビクリと体が震える。


「あなた? 聞いていらっしゃる?」


甲高い声に力が入る。スカートの一つがズイッと一歩また近づいて来た。

 どうしよう、と床近くを見据えたまま視線をウロウロさせる。手に持ったままだったグラスに、自分の姿が映っている。


「ねぇ? 耳が聞こえないのかしら? 返事ぐらいなさい」


ますます厳しくなる甲高い声に、また体が反応する。

 “こわい”。どうしても体が強張る。

 また近づいたスカートの一つがまた一歩、威圧的に近づく。耐えられず私も合わせるように、一歩足を下がらせる。

  声の主がそれを見て、今度は苛立ったように足を早める。

 一歩一歩、力強く床を蹴る。ズンズンと近づく足に合わせて私も足を下がらせる。

 もう背を向けて逃げるしかないと思った時、出入り口から大きなラッパの音が響いた。


パラパパラパラーラ!


音が響いた途端に会場が静まる。全ての人が、扉の方を向き頭を垂れた。目の前に立っていた声の主とその後ろにいた人たちも同様に動きを止め、頭を垂れた。私も慌てて同じ動きをする。


「ソロン王並びにキャロライン王妃、ユーリ王子、ジルオス国第一王子リオン王子!」


紹介された後、王と呼ばれた人が大きな声で話し出す。


「面をあげよ! 今日は交流会だ。是非とも様々な話を様々な人とともに語り合おうではないか!」


 そう、王が話し終えると音が流れ始めた。音とともに会場の動きが再開する。

 そして目の前の人の動きも再開する。


「あな……」


「おお! お嬢ちゃん!ここにおったか!」


 前にいる人が声を出そうとした途端、それを遮るように大きな渋い声が響いた。聞き覚えのある声にハッとして見ると、想像した通りの人物と想像もしていなかった人物がそこに揃っていた。


「お嬢ちゃん? テル隊長、この子のことそう呼んでいるのか?」


「この子の体調は大丈夫なのですか?」


 そうテル爺に問いかけるのは部屋にも来ていた、藍色と金色だった。

その二人を見て、詰め寄っていた声の主……きらびやかな服を着た、同じくらいの歳の女の子が息を飲んで足を止めた。


「ユーリ殿下!?」


小さく女の子の唇からそんな言葉が漏れ聞こえた。

 そうだ、金色の方はユーリっていう名前だった。そう思ってユーリの方を見ていると、金色と目が合った。ビクリと体が震えて足が一歩下がる。

 それを見て、ユーリが慌てたように私から距離をとる。


「ちょっ! 何もしないから泣かないで! ほら! そんなに近寄らないから!」


 ユーリの慌てぶりに、藍色がなだめるように声をかける。


「ユーリ殿、落ち着いて。過剰に反応したら逆に驚いてしまう」


「あ、ああ。そうだね」


なだめられるがユーリはもう一歩足を下がらせた。

そんなユーリを尻目に、藍色が私の目線に合わせるように片膝をつく。


「よ、俺のこと覚えているか?」


そう言って、柔らかくその双眸を細める。

 藍色のことは覚えているが、名前はなんだっただろうか? そう思い、首をかしげる。

 それを見て、藍色はがっくりと頭を落とした。


「まあ、そうだよな。こんな小さな子に、あんなさらっと紹介しただけで覚えられてるわけないよな。」


何かをぼそりと藍色は言うと、顔をあげた。


「じゃあ、改めて。俺の名前はリオンだ。お兄ちゃんと呼んでもいいぞ」


 藍色がそう言う。

……藍色の名前がリオン。リオン、お兄ちゃん……リオン兄ちゃん。リオン兄。

コクリと頷くと、リオン兄は頬を緩ませた。


「よし! もう忘れるなよー」


そう言うと、リオン兄は軽く腰をかがめ私に手を伸ばした。そのままボーッとしていると、ポンと私の頭に手が乗り軽く左右に揺らされる。


きもちいい。


ジェイドとは違う感覚だけど、こうやってくれる暖かい手が、なんだか落ち着く。

思わず、頬が緩んだ。


「おー、笑ったな」


それ! ともっと頭を掻き回された。

 ボサボサと髪の毛が揺れ動く。長い前髪も揺らされてひるがえる。

 リオン兄が、つぶやいた言葉が頭に残った。

 

“わらう“ って、この顔が緩むことなんだ!


また新しいことを知れてワクワクと胸が弾んだ。思わずまたさらに顔が “わらった“ 心地がした。


「これこれ、殿下。もうそれくらいに。お嬢ちゃんの頭が鳥の巣になっておるよ」


ニコニコと私たちの様子を見ていたテル爺が、軽くリオン兄をたしなめる。


「おっと……すまん」


そう言ってリオン兄は、ボサボサにした私の頭をゆっくりと直す。

ちょいちょいと手を動かすが、なかなか思い通りにいかないのか、「あれ?」とこぼしている。


「ちょっと、リオン殿。全然直ってないよ。ほら、僕に……」


 なかなか直らない私の髪を見て、後ろで見ていたユーリがつい、とばかりに私に手を伸ばしてきた。

 迫り来る自分より大きな手に体が硬直する。


「っ!」


目を見開いてただ硬直するだけの私に気がついて、ユーリの手がやっと止まった。


「あ、ごめん。つい……」


ユーリの手が引いていき、徐々に硬直が溶けていく。

溶けてすぐに、リオン兄に抱きついた。


「おっ……と」


私を抱きとめたリオン兄がユーリの方を向く。


「すまないな。どうやら、まだ……」


「いや、僕の方こそ。考えもなしに……」


 ギクシャクと話す二人の間に穏やかな渋い声が割って入る。


「どれ、お嬢ちゃんこっちへおいで」


 そう言って私に手を伸ばして抱き上げたのは、テル爺だ。いきなり抱き上げられて、ふらりと体がふらつく。テル爺の身長の高いがっしりとした体に抱きついた。

 自分の視界より随分と高い位置を見回すと、先ほどまでいたはずの甲高い声の持ち主と一緒にいたはずの人たちも周りに見当たらなかった。


「?」


首をかしげると、テル爺が顔を覗き込んできた。


「どうかしたのかい?」


そう聞くテル爺になんでもないと首を振った。


今回も読んでいただきまして、本当にありがとうございます!


本当にお待たせいたしました……!

待っていただいて本当にありがたいです。頭が地面にめり込みそうです。いや、めり込んでいます!


さて、今回ですがなーんか怖そうな子が来ましたねー。嫌な予感しかしないです……。

まあ、とりあえずは今回の目玉はユーリは意外と人気があるということですかね! こいつもイケメン枠なんですよ!

『残念な』が入るかもしれませんが……笑


では、次回はテル爺のターンです! ほんわかしてくれると嬉しいなと思います!

ではでは! また次回お会いしましょう!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ