第34話〜当然のコト。
美月には自信があった。
どこから見ても完璧な容姿。
小さな頃から『秀才』と言われ続けた頭脳。
お金だって権力だってある。
誰もがワタシにひれ伏して当然なの。誰もがワタシに勝てないはずなの。たった一人を除いては……
……秀一
小さい頃からわかってた。彼はワタシと同じだと。ワタシと同じく完璧だと。
だからこそ、秀一とワタシが並び立つことは、自然なことだとワタシは思う。なのに……
秀一は、あんなつまらない女を追いかけ回してる。ワタシにとっては、本当にとるに足らないような女。だからこそ……
ユルセナイ!
秀一につまらない女だと気づかせないと。浅はかだったと思わせないと。どうすればいい?
そうだ!
アイツを破滅させてやればいい。何もかも失って、見苦しく嘆き叫ぶ姿を、秀一に見せつけてやればいいんだ。
思い知るがいいわ。
オマエの大切なモノ、全部奪ってやるから。のたうち回って苦しめばいい。
手始めは、あの男。秋葉、っていったっけ?
ずいぶん仲が良さそうじゃない? ニコニコ嬉しそうにしやがって… 虫酸が走るわ。
でもまあよく見れば、秋葉ってのもそこそこいい男じゃないの。秀一には当然敵わないけど… ワタシのアクセサリーにするには、ちょうどいいかもね。
男なんてちょろいもの。ワタシの魅力をちょいと魅せつけてやれば、簡単に堕ちるわよ。例外なんてあり得ない。
そう、絶対にオマエから奪ってやる!
覚悟しなさい。
『女』の格の違いを見せつけられて、打ちひしがれてしまえばいい。嫉妬で悶え苦しめばいい。
これは罰ゲーム。ワタシを怒らせた報いを受けてもらうわ。
もうすぐよ…… 秀一。
あなたのいるべき場所はココ。ワタシがちゃんと気づかせてあげる。
待っててね。
今日は短めですいません。
秀一の「狂」を上回る程の「狂」をもって、彼を一途に思い続ける美月。
これも「純愛」の一つの形として描いてみたいテーマだったので、いっちょ
やってみました。さて、どうなることやら……
主人公の二人には、この「狂」がバシバシ降り掛かってきます。
「ふたりで」(章タイトルw)乗り越えられるか!?
第4章は長くなりそうです…よろしければお付き合いくださいませ。