第35話〜偽りの良心。
「秋葉君!」
華やかな笑顔でリュウスケに呼びかける女生徒、高島美月。
リュウスケは小さなため息をついて、声がした方に振り返る。
そう、彼は彼女が苦手なのだ。高校生離れした扇情的な体付きは目のやり場に困るし、押しの強い独善的な性格は、最も彼の苦手とするところだ。
振り返りざま、ふくよかな胸の膨らみが、椅子に座ったままのリュウスケのすぐ目の前に近づいていた。リュウスケはたじろぎながらも…… 絶対ワザとだ! と心の中で悪態をつく。
フフ、見てる見てる……
自慢のバストを標的に見せつける快感。そう、コレに堕ちない男なんていないわ。
ワタシの胸を視姦する、男達の視線にはもう慣れた。今ではそれがとても心地いいの。男どもを支配する快感ね。
今度はオマエの番よ、秋葉隆介。ワタシに堕ちてしまいなさい!
さあ、始めるわよ。
美月はかわいい笑顔を浮かべたままだ。だがその裏では、どす黒い欲望と歪んだ愛情が、黒々と渦巻いていた。
「秋葉君、ちょっと話が……」
美月は少しはにかんだ表情を浮かべてみる。コレも作戦の一つだ。
「何でしょう?」
リュウスケは、要注意人物の一人に声をかけられることに、警戒心を隠すこと無く応じる。
そのリュウスケの態度は、もちろん美月の想定内だ。対策もちゃんと考えてある。
「この前のことは、申し訳ないと思ってるわ。池内さんにもイヤな思い、させてしまったわね。それに、秀一があなたに酷いことして しまったのも聞いてるわ。避けられるのも無理はないと思ってる。本当にごめんなさい……」
長いまつ毛を伏せて、項垂れてみせる。『いい人』にはコレが効くことを美月は知っている。
「でもね… せっかく同じクラスになったんだから、よそよそしくされるのは辛いな…… 私はあなたと仲良くなりたいと思ってるから」
少し瞳を潤ませて、美月はリュウスケを真っすぐに見つめる。声も意識してか細くした。
ヤツの顔に気遣いの表情が浮かんでるわ。やっぱりチョロいわね。うまくいきそうだわ。
「話、聞いてくれる?」
はにかんだ笑顔をリュウスケに向けて、美月はもう一度問いかけた。
リュウスケは正直戸惑っている。今の美月の態度が、始業式の日の彼女からはとても想像できないものだからだ。戸惑いながらも、彼女の問いかけには答えない訳にはいかないだろうと思う。
「話って何?」
「ちょっとここでは……」
「ここでは話しにくいことなの?」
「出来れば二人きりで話したいんだけど… ダメかな?」
どうだろうか?
正直あまり関わりたくない人と、しかも女性と二人きりってのは、あまり歓迎すべき状況ではない。
しかし、彼女は随分思い詰めた様子だし、それに目の前の高島美月という女の子が、それほど悪い人ではないのではないか、とリュウスケは考え始めていた。
「わかった、じゃあ屋上にでも行こうか」
「嬉しい! ありがとう!」
美月はリュウスケの右腕に自分の両腕を搦める。もちろん自慢のバストを押し付けることは忘れない。
リュウスケは思わず周りを見回してしまった。幸いなことに、今日はサヨが体調を崩して休んでいた。そのことに安堵したリュウスケだったが、級友たちの視線はやはり気になる。
「さあ、行こうか」
リュウスケは、急いで美月の両腕から自分の腕を引き抜いて、足早に教室から出て行く。
まずは、うまくいったわね。
美月は、慌ててリュウスケを追いかけるフリをしながら、心の中では次の作戦の確認をしているのだった。
最近更新のペースが遅くて申し訳ありません。
狂気の女、動き始めました。
美月は秀一と同じで、プライドの権化で支配欲の固まりであるにも関わらず、
表面上はいい人、カワイイ女の子を演じることに長けています。
リュウスケは美月の化けの皮を剥がすことが出来るか?
それとも美月の毒牙にかかってしまうのか?
これからは少しペースを上げて行きたいと考えてます。←ホントか?
美月の容姿に関しては、おっぱい星人の僕の好みが反映されていることを
自白しておきます。
これから先も、美月はそれを十分に活用していくことでしょうから、バスト
に関する描写も張り切って書いて行くことになると思います。
ご不快に思われる方がいらっしゃったら、本当にごめんなさい。
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