関係は少し前進?
お母さんの誤解…からかい…まぁ、そんなところをあって、お茶と茶菓子を渡して出て行った。坂雪くんには申し訳ないと思ってるよ。だってお母さんから変な事を言われたんだから。
「お母さんが本当にごめんね」
「別に謝る事じゃないだろ。だけど、おばさんは面白いな…おじさんとは会った事ないけどな」
そう言えばそうだね。お父さんは海外にいるのが当たり前だし、坂雪くんを家に来たのはこれで二回目だ。……今回は不意討ちな気がするけど。
「別に普通の家族だよ……ただ親のテンションが高いだけの」
「それでも、いい親だと思う」
いい親か……初めて言われたかな。これまでどこにでもいる普通の親と言うしか、思ってなかったな。だけど、褒められるのは嬉しいや。
坂雪くんのご両親はどんな人なんだろう?でも、坂雪くんは優しいから、ご両親もきっと優しい人なんだろね。
「なぁ、河瀬」
「……ハルでいいよ。ううん、ハルって呼んで」
「別に河瀬でいいだろ」
「保健室では呼んでくれたでしょ」
「聞いてたのかよ」
恥ずかしそうに僕から目線を外す坂雪くんが面白いと思った。
しっかり聞こえてたよ。今も思い出すと嬉しく思えてしまう。
由々や風香、柚葉に名前で呼ばれてるけど、坂雪くんに言ってもらう方がずっと嬉しい。
だけど友達として嬉しいのか、それとも………別の何なのかは分からない。
「わかった、ハルって呼んでもらう代わりに僕はシノって呼ぶ」
「いや、何がわかったんだよ」
「なんだろうね?」
「疑問なんだ……は…ハル」
「ッ……!?」
名前を呼ばれて…………モノ凄く嬉しかった。保健室で意識がハッキリしてなかったけど、今は嬉しい恥ずかしい二つの感情が僕の中で入り混じっている。
「無言でいられると恥ずかしいだが」
「えっ、あ…うん、ごめんね…シノくん」
「お…卑怯すぎ」
仕返しに一番いい笑顔で言ってやった。
「やっぱり、名字で呼ぶ事にする」
「えぇ、せっかく僕がいいって言ってるのに」
「お前がよくても、俺が悪い」
「なら、僕はシノって呼び続けるよ」
「どんな理屈なんだ」
さぁ、 どんな理屈かな?
僕は男だけど、今は女の子……もしかしたら、これがこの気持ちが好きと言う感情?
もしそうだったのなら、いやそうなんだ。
一度好きだと納得すると胸の中が落ちてスッキリした。それゆえ僕は男だと思う悩みもあった。
「ねぇ、シノくん」
「それで呼ぶのかよ。で、どうした?」
「もしも誰かに好きという感情を持ったらどうする?」
「好きなら、一直線に行くのじゃないのか。好きになったなら、それから逃げる事は出来る事じゃないさ」
そうなんだ。僕は体が女の子でも、心は男だと思ってた。それは僕自身の思い込みかもしれない。
時間はゆっくりあるのだから、少しずつでも調べていけばいいね!
「どうて、そんな質問を?」
「ダーメ、教えて上げない」
次回予告
ハル「ひさしぶりのハルです」
柚葉「こっちもひさしぶりッス」
ハル「柚葉は本当にひさしぶりだね。体育祭出てなかったし」
柚葉「それは、作者の進行予定でなっただけッス」
ハル「レギュラーとして、バンバン活躍して行きたいね」
柚葉「そうッスね。次回予告『図星』ッス。図星って梅干しみたいな発音ッス」
ハル「まったく似てないと思うよ」




