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自分が描いたイラストの異世界に転移してしまった  作者: マホロ
第1章 隠遁(いんとん)

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第21話 魔力ポーション

 検証の結果、魔法で製薬した治癒ポーションはハーブの香りがする美味しいポーションだった。そうなると体力ポーションも魔法で製薬した方が美味しくなると推測できる。


 まだ数本しか作ってないが、通常のものと、魔導具を使って製薬したものはすでに保管庫にしまってある。ここに寄付する。決して不味いから寄付するわけではない。





「ほい、出来た」


 製薬魔法を使って体力ポーションを作成した。ポーション瓶の中には体力ポーション特有の赤色の液体が入っている。特級品から三級品までそろっている。それに各等級の中でも抽出率は最大値にしてある。治癒ポーションもそのように作った。


 丈の大きな陽だまり草だが、ビーカーからはみ出していたのに普通に製薬できたのには笑ってしまった。


「さて、味見の時間ね、どんな味がするのかなぁ~楽しみだ」


 三級品の瓶を手に取り蓋を開ける。一口、口に含んだ。独特なスパイシーな香りが口の中に広がった。シナモンのような感じだがそれとも違うスパイシーさだ。


「これはこれで美味しいわね、温めて飲んだら美味しそうだけど、変質しないかしら?」


 残った体力ポーションを《ウォーム》の魔法で80℃に温めてみた。ラボに独特の香りが広がった。これだけでも十分に楽しめる。火傷に注意しながら飲んでみる。先ほどより鮮烈な香りが口の中に広がった。


「あ、味が気になって変質してるか調べるのを忘れちゃった……」


 温かいままのポーションを検査してみると、効能や抽出率、等級に変化はなかった。さて体力ポーションはこれで完成した。次は魔力ポーションだ。


「魔力ポーションのレシピと手順を教えてくれる?」


『承知しました。魔力ポーションの材料は魔力草です。作り方は乾燥した魔力草を細かく砕き、《《ぬるま湯》》に入れます。軽く攪拌したものに魔力を注入すれば完成です。ポーション瓶に封入する際は、ろ過を行ってください』


「加熱しながら抽出ではなく、ぬるま湯に入れて攪拌するだけなのね……」


 薬草園に行き魔力草を何株か採取してきた。魔力草は大気中の魔素濃度が高い場所に群生する。魔力草が群生していたらそこは魔素が濃い部分であると判断できる。この領域では魔力草の生えている場所だけ極端に魔素の濃度を上げているそうだ。


 《ウォータ》で40℃のぬるま湯を出し、ビーカーに入れる。《ドライ》で乾燥して砕いた魔力草をビーカーに入れ攪拌、魔力を注入してみる。ビーカーに入った液体が青色に変化した。この魔力を注入するときに色が変化するのは見ていて楽しい。治癒ポーションは緑色、体力ポーションは赤色に変化する。


 色が変化した液体をろ過しながら別のビーカーに移し替えた。魔法で不純物を取り除いても良いけど、魔力を受けて変質しても困る。ろ過した液体を薬品検査の魔導具にセットしボタンを押す。




【検査結果】

 薬品名:魔力ポーション

 効能:一級品

 薬効抽出率:91%

 製薬者:ミオ カンザキ

 検品:問題なし




 比較的簡単に一級品が作れた。抽出率の変化はぬるま湯の温度が重要だと推測する。魔力草の乾燥具合も多少関連する気もするが、やはり温度だろう。


「ねぇ、この世界に正確な温度を知る方法はある?流通している魔道具でもいいわ」


『正確な温度を測定する方法はございません。古代の魔導具である分離の魔導具のような、所謂いわゆる遺物と呼ばれる物の中に温度計があります』


 なるほど、つまり現役の薬師達は五感に頼った方法で魔力ポーションを作っているはずだ。そうなると流通している魔力ポーションは品質にかなりのばらつきがあると推測できる。


「流通品の品質はどの程度なの?かなりのばらつきがあると思うけど……」


『おっしゃる通りです。一級品から三級品までまんべんなく分布しています。抽出率が魔力の回復量に直結しているので、当たり外れが大きいのも事実です。同じ薬師が作ってもそれなりのばらつきが発生するので、購入する側は完全な運です。ですが、最低でも50%回復するので魔術師たちは50%程度回復するものだと割り切っています。90%回復できたら運が良かったと思う程度です』


「なるほど、2本飲めば確実に完全回復できるから、そういう使い方をしてるのかもしれないわね」


『国に所属する魔導士や魔術師は国からの配布があるため、そのような運用も可能です。しかし、一般の魔導士や魔術師は安くない魔力ポーションを常に2本常備するのは金銭的に厳しいです。そのため緊急時の回復手段として1本常備しておくというのが通例となっています』


 確かにポーション以外にも装備や食料、備品にお金がかかる。リスク管理として必要だがそればかりにお金をかけることはできない。大体の事情は分かった。私は最適な温度を導き出すために検証を続けた。ぬるま湯を使用するとのことなので、25℃から1℃単位で調整する。


 検証の結果だが、37℃で製薬した魔力ポーションが98%という抽出率を記録した。30℃未満と50℃以上は魔力ポーションにならなかった。最後に製薬魔法を使用して魔力ポーションを作った。普通に特級品ができた。


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